処方してもらったタミフルが薬局にない(アメリカの医療システムはこうなっている-2)!

標準

小児科医から娘のインフルエンザの薬
タミフルを処方してもらい、
いつもの薬局へ取りに行った。

処方せんはすでに医者からネットで送られているから
もう用意できているはず。

窓口で名前を告げると
「ありませんよ」。

「ありませんって、まだ処方せんが届いていませんか?」
「いや、処方せんは届いてますけど薬がありません」
「ないって在庫がないんですか?」
「そうです。75mgならありますけど45mgはないので、発注して明日の入荷になります」
(大人用ならあるけど子ども用はないってことね。。。)
「え、でも明日じゃ遅いんですよね。他のお店ならはありますかね?」
「あるかもしれませんけど。。。」
「分かりました。じゃあ、発注はしなくていいです」

医者によると、発症から24時間以内に飲まないと
効果が薄れてしまうらしいから、明日まで待ってなんていられない。

この家に引っ越す前に行っていた薬局にならあるかも、
と電話をかけてみた。

「45mgはありませんね。発注になります」
(え、マジですか!)
「さっき行った店にもなかったんですけど、
同じチェーンの他の支店で在庫あるところはありますかね?」

そう、アメリカの薬局はほとんどが大手の全国チェーン。
病院のすぐそばに必ずこじんまりとした個人経営の薬局が佇んでいる
日本とはまったく勝手が違う。

うちの近所にも3大チェーンの支店があちこちにある。
チェーンRにはなかったが、
チェーンCのどこかにはあるだろう、と思ったのだ。

すると、
「他店の在庫は見れない決まりになっています」。

そんな!
面倒くさがりの担当が嘘をついているに違いない、とも思ったが、
先行きが明るくないことを漠然と悟った私は
ネットで近所の薬局の電話番号を調べ、
片っ端から電話してみることにした。

チェーンCの別の支店に電話して
やはり在庫がないと言われると
「他の支店にどこかありますかね?」
と、一か八かまた聞いてみた。

すると、
「他店の在庫はこちらからは見られないんですよ。
困っている時に申し訳ありません」。

こちらはフレンドリーな対応ではあったが、やっぱり同じだ。
薬局業界にどんな決まりがあるのか知らないが
今は、とやかく文句を言っている場合ではない。

チェーンWに電話してみることにした。

「75mgならありますけど、45mgはないですねえ」
「他の支店にどこかありますかね?」
と、素知らぬふりでまた聞いてみると
「ちょっと待ってくださいね。調べてみます」。

やった、引っかかった!

この店員がルールを知らなかったのか
チェーンによってルールが異なるのか分からないが、
同じことを聞いても担当者によって答えが違うのもアメリカの常識。
やっぱり聞いてみるものだ。

「San Carlos の店に1つだけあるみたいですよ」。

よかった!
San Carlos ならうちから10マイル(17km)ぐらいだから
そんなに遠くない。

「処方せんがチェーンRのxx支店に送られているんですけど
そちらから電話していただかなくてはいけないんですよね?」
「そうです。それが転送の時の決まりですから。
その店の電話番号を教えてください」。

一旦どこかに送られた処方せんを
別の店に移すときは、移される側から連絡を入れる必要があるらしい。
これも薬局業界のルールなのだろう。

そんなことを考えながらも
私は速攻で車に飛び乗り、その店へ向かった。

「タミフルの45mgですね。用意できてます。$120です」。

私の聞き間違いだろうか?
タミフルというぐらいだからジェネリックではないのだろうけど
たかがインフルエンザの薬だぞ。

「あの、保険効いてますよね?」
「ええ。保険がなければ$190ですから」。

薬の値段も製薬会社の言いなりだから仕方ないのだろうが
なんとも足元を見られている気分だ。

自宅に戻り、薬が苦いと言って飲もうとしない娘に
「$120もするお薬なんだからね!」
と、つい文句を言ってしまった。

すぐに医者に診てもらえ、
このエリアに1つしか残っていなかったタミフルを入手できたのはミラクルだが、
アメリカのカスタマーサービスと医療システムの不条理に振り回された一日だった。

今回学んだこと。
インフルエンザの予防接種は毎年、忘れずに受けること。

(ちなみに、その数日後、小児科で受けたインフルエンザのテスト料金
$7の請求書もきちんと送られてきた)

1件のフィードバック »

  1. 日本の医療制度が優秀だと知りました。
    中国でも点滴一本を打つのに、薬局まで点滴ボトルを買いに行き、それをもって点滴ルームまでいかないと打って貰えないとか。娘さんが無事に回復してよかったです。

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