生徒会メンバーだけの社会科見学ツアー

標準

毎回、遠足の数週間前になると
参加の有無の確認と保護者の了解を求める書類が配られ、
場合によっては費用と一緒に提出をすることになっている。

ある日、娘が
「これ、生徒会に関わっている人たちだけの遠足だよ」
と、書類を持ってきた。

「え?クラスのみんなはいかないの?」

「だから、生徒会の役員と
クラスの代表の子たちだけだよ」。

「その人たちだけ授業を抜けて遠足に行くの?」

半信半疑で書類を見てみると、行き先が“Samaritan House” となっている。
“Samaritan House” といえば、社会的弱者に
食べ物や衣類などを提供するチャリティ組織だ。
遠足というよりは社会科見学ね。
(英語では、遠足も社会科見学も”Field Trip” )

「なんで、生徒会のメンバーだけなの?」

「前に生徒会で缶詰とかおもちゃとかを集めるキャンペーンをやったでしょ?
あれは”Samaritan House” に送られたんだよ。
だから、そこを見に行くの」。

娘の言うことを総合すると、そういうことらしい。

なるほどね。

その日、帰ってきた娘に
「どうだった?」と聞くと、
「この家と同じぐらいの大きさのでっかい冷蔵庫があってね、
そこにみんなで入ってみたんだよ。寒かった〜!」
と興奮気味。

そこに食事をしに来る人にふるまう分や
コミュニティ施設を通してのデリバリーなども含めると
去年は約94万食の食事を提供したというから
(娘の持ち帰ったプリントによる・写真)
そのぐらいの冷蔵庫(室)も必要かもしれない。

「洋服とかおもちゃも売ってた?」

「売るんじゃなくてあげるんだよ。タダなんだから」。

そっか、食事もままならない人たち向けのサービスなんだから
おもちゃだって無料だよね。

娘が持ち帰ってきたプリントを見せもらおうとすると
「明日の発表の準備をするから」
と言って取り上げられた。

「発表って?クラスのみんなに見てきたことを伝えるとか?」

「クラスだけじゃないよ、
私は1年生とKindergarten のクラスにも行くんだから」

あんなに人前に出るのを嫌がってるのに、
今日はそんなそぶりも見せない。

・世の中の人たちがみんな、私たちと同じように恵まれているわけではない

・”Samaritan House” が何をしているかをきちんと伝えること

・”Project We Care” (缶詰やおもちゃなどの寄付を募るプロジェクト)は
12,500人の人たちを救った

などと原稿を書いている。

アメリカでチャリティ活動が盛んなのは日々、実感しているが、
それは、家庭や学校などの身近な場所で行われている
ボランティア活動や寄付による社会貢献に
こうやって子どもの頃から関わっているということも
大きな原動力となっているのだ。

ウチの子だけ授業を抜けて社会科見学?
と一瞬考えてしまったが、
授業なんかよりずっといい経験ができたみたいだ。

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