月別アーカイブ: 9月 2012

外部の先生を呼んで行うMusic class を見学

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ひょんなことから、
娘の幼稚園で月2回音楽を教えている先生と
知り合いになりました。

彼女は上海出身、幼少時に
ピアノを相当一生懸命やったようですが、
結局、音楽の道には進まずアメリカの大学に進学、
投資銀行を経て専業主婦に。

自分の息子にピアノを教えるようになったのがきっかけで、
その後、ピアノの個人レッスンをしたり
地元の幼稚園で音楽を教えたりしているという
少し変わった経歴の持ち主です。

そんな彼女がどんな授業をしているのか、
随分昔に音楽をまじめにやったことのある自分としても
とても興味が沸いてきました。

「じゃあ、今度の金曜日、見に来れば?」ということで、
今朝、のぞきに行ってきたのです。
幼稚園側も「好きなクラスを見ていいですよ」とあっさりOK。

娘の邪魔をしないよう、
あえてほかのクラスを見ることにしましたが、
とは言ってもせっかくなので
ちょっと早めに行って娘のクラスも外からのぞいてみました。

よく考えてみると
クラス全員がそろっているところを見るのは初めてだし、
娘がその中でどんなふうに振舞っているのか
想像もつかないわけで、ちょっと楽しみでした。

のぞいてみると、クラスの構成に改めてびっくり。
24人いる子供のうち半分ぐらいは中国系、
インド系と白人が4-5名ずつ、
残りがヒスパニックおよびハーフ
(白人&アジア系、うちの子もこのグループ)
という感じでしょうか。
ここはどこの国だっけ?という錯覚に陥ります。

私たちの住むエリアはシリコンバレーの東の端で、
アジア系のエンジニアの割合が
年々高まっていることは知っていましたが、
その縮図がここに。

ちなみにアジア系の割合の高い学校は
一概に教育レベルが高いという説もあり、
幼稚園とはいえ、ちょっとほっとしたというのも否定できませんが。

娘は私に気付き、走り寄ってきて
「どうしてここにいるの?」と聞いてきましたが、
先生に「自分の席に戻りなさい」とたしなめられて
すごすごと戻っていきました。

さて、本命の音楽のクラスですが、
30分という短い時間の中、
すずやカスタネットのような音の出る楽器で遊びながら
音の強弱や高低、早いvs遅い、などを学んだり、
ベートーベンの第五交響曲に
彼の人となりを説明するような歌詞
(変な髪の毛の人、というのがメインですが)をつけた歌を聞いたり、
『盛りだくさん』という印象。

小さい子供は5分ごとぐらいにテーマを変えることが、
彼らを飽きさせない秘訣なのだとか。

「少しでも教えることに興味があるんだったら、
Music for Minor (未成年のための音楽)プログラムで
トレーニングしたら?」と教えてくれました。

これは私たちの住んでいるエリアで組織された
ボランティアプログラムで、
Kindergarten から小学校3年生までのクラスを教える
音楽の先生を無料でトレーニングして派遣する、というもの。

カリフォルニアでは、教育に対する
州の予算が大幅にカットされてきたことから
音楽や美術の授業を削減する動きが加速。
これに危機感をもった教育者や
音楽の専門家たちが立ち上げたのがMFMだというのです。

アメリカではボランティアで成り立っているものがたくさんあります。
幼稚園の運営にしても、
スペシャルアクティビティは
必ず親のボランティアを募っているし、
まだまだ時間やお金を犠牲にして
参加するにはかなりの覚悟と手続きが必要な
日本のそれとは隔世の感があります。

私も、学校で音楽を教えるなんて考えたこともなかったけど、
今日の見学を機会に
MFMのボランティアを考えてみようかな、
と思い始めたところです。

映画『American Teacher』に見る教師の過酷な現状

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週末に、『American Teacher 』というドキュメンタリー映画を見ました。
アメリカでは教育の質の低下(特に公立)が言われて久しいようですが、このドキュメンタリーを見ると、教師のステータスの低下がその大きな原因としてあるようだということがよく分かります。

その過酷な現状を数字で見るとこんな感じです。

1) 男性教師の割合は年々低下、現在公立小中学校、高校の教師における男性の割合はたった16%
 ->一昔前、まだアメリカでも女性の社会進出が難しかったころ、優秀な女性を低賃金で活用していたのが教育現場。教職とは、『一家の大黒柱が就く職業ではなく、おもに女性がセカンドインカムを目的として働く場所』という概念があったそうです。その名残もあって、給与水準は現在でもほかの職業に比べて低いままなのだとか。

2) 教師以外の副業をやっている教師がなんと62%
 ->給与水準が低いってどのぐらい低いの?地域差もあるようですが、それだけじゃ家族を養っていけない場合も多く、夕方5時ごろ学校を出た後、スーパーやホームセンターなどで深夜まで働いたり、個人的に勉強を教えたりする教師も珍しくないようです。

3) 自腹で学校の教材などを調達したことがある教師の割合は90%以上!
 ->教員の給与が低いだけでなく、教育現場で使える予算自体が少ないため、本や文房具、クラフト用の小物などを自腹で調達するなんてことはざら。給与が低い上にこれじゃあね。。。

4) この過酷な状況に耐えられず、毎年のAttrition rate (退職者の割合)は20%、46%の教師が5年以内に退職
 ->授業以外にアクティビティを担当したり、家に帰っても採点や翌日の準備などで深夜まで仕事したり、一生懸命な先生ほど数年で燃え尽きてしまう(燃え尽き症候群?)のだそうです。毎年、20%の教師が辞めていくと、現場は新人教師の採用や教育で手一杯、安定したカリキュラムや教育方針を継続的に提供することが難しくなり、結果、生徒が被害を被る、という構図なのですね。

子供の国別学力を測るテストでトップにランクされるフィンランド、シンガポール、韓国との比較がありましたが、これらの国では教師の仕事はもっとも尊敬される仕事で報酬もよく、トップクラスの大学を出た生徒が進んで教職に就くのだそうです。
ちなみにAttrition rate (退職者の割合)はたった1-3%程度。
教師の待遇が教師の質を左右し、それが教育の質そのものにつながっているのがよく分かります。

昔は日本も国別学力ランキングではトップクラスでしたが、上記のような国々にトップをさらわれてから久しいですね。
教師の待遇がことさら悪いとは聞いたことがないような気がしますが、ステータスが低下しているというのは当てはまるような気がします。

この映画の最後に「携帯電話を売る仕事のほうが教師よりえらい、という社会は何かおかしい」というコメントがありましたが、改めて考えさせられます。

2年後には娘の小学校進学について考えなくてはいけない時期。幼稚園を選ぶときと同じで、『近所の公立に行かせておけば安心』とはなりそうもありません。

Show and Tell – プレゼンの練習は幼稚園から始まる

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新学期が始まって3週間ほど。
『Show and Tell 』の第一回があったようです。

前の日にお迎えに行った際、
教室内に『明日はShow and Tell ですから
お子さんのお気に入りのものを持たせてください』
という掲示がありました。

私も今でこそ、その意味が分かりますが、
『Show and Tell 』とは、人前で話をする訓練で、
何かトピックになるものを見せながら
それに関するエピソードを話す、というものです。

こちらの教育機関では当たり前のように行われていますが、
こんなに早くからやるとは思ってもみませんでした。
新しい友達を作るという意味では、
学期の初めから導入するというのは
利にかなっているのかもしれません。

「何を持ってく?お気に入りのバッグ?
ダンスシューズ?キティのぬいぐるみ?」
と、ひととおりオプションを挙げてみましたが、
「やだ。持ってかない」の一点張り。

朝の出掛けに「持ってくもの決めたの?
どれも嫌なんだったら、これは?」
と、ほとんど期待せずに
『ちょきんぎょ(↑ 農協の景品)の巻尺』を見せると
「うん!それにする」と意気のよい返事が返ってきました
(ほんと、何が効を奏するか分からない!)。

幼稚園に向かう車の中で
それは何なのか、何に使うものか、どうして気に入っているのか、
など繰り返し練習。

「それって魚釣りごっこにも使えるんでしょ?」
「金属のメジャーみたいに危なくないから
子供が使ってもいいんだよね?」
「それは、こないだおばあちゃんちでもらってきたんだよね?」
など、補足情報もインプット。
よし、このぐらいネタがあれば大丈夫でしょ。

そして、帰りの車の中。
「Show and Tell どうだった?」
「おもしろかったよ。
最初に、先生がみんなのお気に入りのものを全部箱に入れて、
『Who’s is this ?』って聞いたら
『It’s mine! 』って言うんだよ。
みんな『It’s mine! 』って言ったの」。

え、そんだけ?
「それは何か説明したんだよね?」
「うん、これでみんなの背の高さを測るんだよって言った」
「魚釣りは?」
「魚釣りは、ひもを垂らせる高い場所(ソファ)が
幼稚園にはないから言わなかった」。

そうだよね、まだ幼稚園の年少さんだし、今回が初回だし。
せいぜい『It’s mine.』『背の高さを測るものだよ』ぐらいしか
先生も期待してないよね。

でも、こうやって小さいときから
人前で話をするということに慣れさせていくんだな、と感心。

大事なスキルだし、
アメリカ人にスピーチが上手な人が多いのもうなずけると
つくづく思いました。

習い事事情 – 日本語を習う日本人ママの子供たち

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うちの子などは
「生まれながらにしてバイリンガルでいいねえ」
と言われますが、実は、
日本人ママを持つ子供たちの多くは
ちゃんと日本語教室にも通っています。

日本では、小さい子供が英語を習うのも
当たり前になってきたようですが、
バイリンガル教育の事情はやっぱりどこでも同じようです。

日本人ママを持つ子供たちは
小さな頃から親が話す日本語を聞いたり
日本語のDVDなどを見たりしているので、
3-4歳にもなればある程度の日常会話はできるようになります。

休みには日本に帰国したり、
日本で幼稚園に臨時入園させたり、
なるべく日本語にふれる機会を増やそうと
親は一生懸命なのですが、
大きくなればなるほど英語を使う頻度が増えるので、
読み書きがまったくできなかったり
年齢とともに日本語そのものを忘れてしまうことも。

そこで、幼稚園ぐらいになると
日本語教室なるものに通わせ始めるのが通例で
うちもその例に漏れません。

日本語教室といっても、その目的などによって
種類もいろいろあります。

- バイリンガルの幼稚園
(週2-3回から毎日まで選べるところが多く理想的な環境ですが、
限られた数しかないのが残念)

- 週2-3回、午前中数時間の日本語教室
(午前中だけだし、毎日ではないので
 駐在の家庭のお子さんや専業主婦のお母さんがいる家庭の利用が多いもよう)

- 週1回、土曜日中心の日本語補習校の幼稚部
(帰国子女の中ではこちらに通っていた方が圧倒的に多いですね。
 いずれ日本に帰国したときのことを念頭に入れて、
 日本の学校や社会に適応できるようなカリキュラムが
 組まれているようです。宿題が多いので、親もけっこう大変らしい)

- 週1回、土曜日のみの日本語クラス
(日本文化や習慣に親しみながら、工作や歌などをとおして
 簡単な読み書きができるようになるのが目的)

うちは、バイリンガル幼稚園に入れたかったのですが、
通える範囲内に見つからなかったため
週1回の日本語クラスを始めました。

まだ幼稚園だし、読み書きというよりも、
こどもの日には鯉のぼりを作ったり
お弁当の歌をみんなで歌ったり
日本の幼稚園の週一版みたいなもので楽しめれば
いいというねらいです。

先週、第一回目のクラスでしたが、
数字やこよみの勉強もかねた工作をやったようで、
お月見ウサギのカレンダーを作ってきました。

『そうそう、これが日本の情緒なんだよなあ』
と、私は大満足。

クラスの後、子供たちが日本語オンリーでしゃべりながら
遊んでいるのを見て、その効果にまた感激。

小学校に上がったら補習校に入れるべきか、
ほかの選択肢があるのか、まだ分かりませんが、
やっぱり子供には母親の母国語ぐらいは
できるようになってもらいたいものです。

子供のために、とは思っていますが、
母親の愛国心とプライドというのも
かなり大きな理由なのかも知れません。。。

アメリカの習い事事情 – 人気は断然スポーツ!

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土曜日、体操教室の無料トライアルクラスに
参加してきました、、、と言いたいところですが、
娘は何が気に入らなかったのか
10分もしないうちにレッスンから抜け出し
「家に帰りたい」と言い出しました。

「前やったときは、体操大好きだったでしょ?」
「前の先生がいい。この先生はいやだ」と、
ほとんど取り付く島もない様子。

何度説得しても「体操はいやだ」の一点張り。
「じゃあ、来週はサッカーをやってみる?」
「うん、サッカーがいい」。

ほんとかよ?
何で前は大好きだった体操がいやだ、と言うんだろう?

夏休み前までは、市がスポンサーをしている
体操クラスに数ヶ月通いましたが、
幼稚園にフルタイムで行くようになったため
市のクラスでは時間の都合が合わず
民間のスクールを申し込んでみたのでした。

ダンスが大好きなので、
最初は先週から始まるバレーのクラスに
申し込んでいましたが、これも
「先生の髪の毛が短いからいやだ」と
よくわけの分からない理由でキャンセル。

「こんなんじゃ、何も大成しない
中途半端な子供になっちゃう」と憤慨する私に、
「まだ3歳なんだから、そんなに真剣に
考えることないんじゃないの?
いやならどんどん新しいものやればいい。
そのうち好きなものが見つかればラッキーだよ。
そもそも今から習い事やるなんて
それ自体が本人にとっては
大変なストレスなんだから」とダンナ。

冷静になって考えると、
3歳で習い事なんて
私たちが子供のころにはあまり考えられなかったこと。

とはいえ、ママ仲間やご近所の様子を見ていると
2歳前後から何かしら始めているというのが
スタンダードのようなのです。

習い事と言うと大げさですが、
最初はママと一緒に歌ったり踊ったりできる
音楽プログラムが絶大な人気です。

すでに日本にも進出しているGymboree
(子供服ブランドとして有名ですが、
音楽やアートなどの教室としてもかなりの大手)
などは有名で、どこの街に行っても
必ず見かける、と言っていいほど。

うちも、よく行っていた
ショッピングセンターの中にある
音楽教室の無料トライアルのビラをもらったのがきっかけで、
娘が14ヶ月のときから通った記憶があります
(我ながら早かったなあ)。

そろそろ娘をソーシャルな環境に慣れさせておこう、
という気持ちと、専業主婦だった私自身も
少し外の空気を吸って新しいママ友でもできたらいいな、
と思ったのがおもな目的だったように思います。

なので、しばらくたって親子ともども
友達やソーシャルライフが少し確立してくると
クラスも終了となりました。

そして、娘が3歳になる直前のある日の午後、
近所のママ友がベビーカーを押して
出かけるところに出くわしました。

「お散歩?」
「アートクラスに行くの。
そこのレクリエーションセンターで
市がやっているクラス、知ってる?
クラスの種類もいっぱいあるし、お勧めよ」。

さっそく調べてみると、
幼児向けだけでもスポーツや絵、音楽など
数十種類のクラスがあり、
体操や水泳だと2歳以下からある!
授業料も住民なら1回$10程度と手ごろだったのもあり、
何のスポーツをやるのにも基本になりそうな
体操をやらせてみようと
オンラインで申し込みました。

ちなみに、コースの充実ぶりや
ママ仲間の声を総合すると、
人気が高いのは体操、ダンス、水泳、サッカーなどのスポーツ。

特に水泳は、日本みたいに学校で教えてもらう
という前提がないため
(小学校にプールがあるという話は聞いたことがありません)、
こうやって習わせないと一生泳げないまま、ということも。

実際、アメリカ人の中には泳げないという人がけっこういます。

『英語を習わなくていいのだから楽よね』
と思われるかもしれませんが、
うちの子のようにバイリンガルに育てよう、
という親のものとで育っている子は
やっぱりそれなりの苦労があるのです。

これは次回に!