ひょんなことから、
娘の幼稚園で月2回音楽を教えている先生と
知り合いになりました。
彼女は上海出身、幼少時に
ピアノを相当一生懸命やったようですが、
結局、音楽の道には進まずアメリカの大学に進学、
投資銀行を経て専業主婦に。
自分の息子にピアノを教えるようになったのがきっかけで、
その後、ピアノの個人レッスンをしたり
地元の幼稚園で音楽を教えたりしているという
少し変わった経歴の持ち主です。
そんな彼女がどんな授業をしているのか、
随分昔に音楽をまじめにやったことのある自分としても
とても興味が沸いてきました。
「じゃあ、今度の金曜日、見に来れば?」ということで、
今朝、のぞきに行ってきたのです。
幼稚園側も「好きなクラスを見ていいですよ」とあっさりOK。
娘の邪魔をしないよう、
あえてほかのクラスを見ることにしましたが、
とは言ってもせっかくなので
ちょっと早めに行って娘のクラスも外からのぞいてみました。
よく考えてみると
クラス全員がそろっているところを見るのは初めてだし、
娘がその中でどんなふうに振舞っているのか
想像もつかないわけで、ちょっと楽しみでした。
のぞいてみると、クラスの構成に改めてびっくり。
24人いる子供のうち半分ぐらいは中国系、
インド系と白人が4-5名ずつ、
残りがヒスパニックおよびハーフ
(白人&アジア系、うちの子もこのグループ)
という感じでしょうか。
ここはどこの国だっけ?という錯覚に陥ります。
私たちの住むエリアはシリコンバレーの東の端で、
アジア系のエンジニアの割合が
年々高まっていることは知っていましたが、
その縮図がここに。
ちなみにアジア系の割合の高い学校は
一概に教育レベルが高いという説もあり、
幼稚園とはいえ、ちょっとほっとしたというのも否定できませんが。
娘は私に気付き、走り寄ってきて
「どうしてここにいるの?」と聞いてきましたが、
先生に「自分の席に戻りなさい」とたしなめられて
すごすごと戻っていきました。
さて、本命の音楽のクラスですが、
30分という短い時間の中、
すずやカスタネットのような音の出る楽器で遊びながら
音の強弱や高低、早いvs遅い、などを学んだり、
ベートーベンの第五交響曲に
彼の人となりを説明するような歌詞
(変な髪の毛の人、というのがメインですが)をつけた歌を聞いたり、
『盛りだくさん』という印象。
小さい子供は5分ごとぐらいにテーマを変えることが、
彼らを飽きさせない秘訣なのだとか。
「少しでも教えることに興味があるんだったら、
Music for Minor (未成年のための音楽)プログラムで
トレーニングしたら?」と教えてくれました。
これは私たちの住んでいるエリアで組織された
ボランティアプログラムで、
Kindergarten から小学校3年生までのクラスを教える
音楽の先生を無料でトレーニングして派遣する、というもの。
カリフォルニアでは、教育に対する
州の予算が大幅にカットされてきたことから
音楽や美術の授業を削減する動きが加速。
これに危機感をもった教育者や
音楽の専門家たちが立ち上げたのがMFMだというのです。
アメリカではボランティアで成り立っているものがたくさんあります。
幼稚園の運営にしても、
スペシャルアクティビティは
必ず親のボランティアを募っているし、
まだまだ時間やお金を犠牲にして
参加するにはかなりの覚悟と手続きが必要な
日本のそれとは隔世の感があります。
私も、学校で音楽を教えるなんて考えたこともなかったけど、
今日の見学を機会に
MFMのボランティアを考えてみようかな、
と思い始めたところです。