月別アーカイブ: 1月 2019

お金持ちのリタイア世代だけじゃない、家族で盛り上がれるクルーズの魅力

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6月の8日間のアラスカクルーズを振り返り、
私の両親、9歳の娘を含む私の家族は皆、
いまだに「楽しかったね」と思い出話に花を咲かせる。

家族旅行といえば私が企画するのが常だが、
その私も今回の旅でクルーズの大ファンになった。
その理由をいくつか挙げてみよう。

・食事に行くレストランを決めたり
 料理をすることを考えずにすむ。
 寿司やフレンチなど、追加料金で
 スペシャルティ・レストランに行くことも可能だが、
 料金に含まれているメインダイニングでも
 ロブスターやアラスカサーモン、
 エスカルゴやステーキなどかなり豪華な食事が提供され
 メニューも日替わり。
 そのクオリティには大満足だった。
 私たちも、結局、一度もスペシャルティ・レストランに
 行くことはなかった。

・寄港地での行動は、オプショナルツアーも豊富だが
 お仕着せのツアーが嫌いというなら
 ガイドブックなどをもとに
 自分たちで計画を立てることも可能。
 私たちも4日間の寄港地での自由時間のうち
 3日間は、ツアーではなく自分たちの足で歩いたり
 ローカルの交通機関を使って現地の観光プランを立てた。
 ちなみに、碇泊中も船の上のレストランやサービス、
 エンターテイメント・プログラムは稼働しているので
 観光に行かずにプールやスパなどで
 のんびり過ごしている人もたくさん見かけた。
 また、わざわざ現地のレストランでお金を使わなくても
 お腹が空いたら船に戻って食事、というのもアリだ。

・年寄りと子どもが一緒の旅行は、みんなが楽しめる
 アクティビティを選ぶのに一苦労。
 ほぼ一日中、子どもを預かってくれる
 キッズプログラム(無料)では、
 年齢にあったアクティビティが
 スケジュールされているから
 子どもはそこにまかせて大人は別行動、なんてのもアリ。
 娘も、そのプログラムで一緒になった
 1〜2つ年上の女の子たちと仲良くなり、
 彼女たちの部屋を訪ねたりプールに行ったり、
 ご飯も一緒に食べるど
 ほとんどの時間を一緒に過ごしていた。
 迷子になったり事故にあうなどの心配もいらないし
 とにかく親に監視されずに子どもたちだけで
 自由に過ごした時間は貴重な体験となったようで、
 クルーズから数ヶ月経った現在でも
 ニュージャージーやオレゴン出身だというそのお友達とは
 メッセージや手紙のやり取りが続いている。

・船内アクティビティ(多くは無料)が毎日、
 時間ごとに豊富に用意されている。
 二階席まである立派なシアターでは
 音楽やダンスなどのショーはもちろん、
 船長や乗組員たちのトークショーまである。
 特に、冗談好きのギリシャ人の船長のトークは絶品で、
 ゲストはすぐに彼の大ファンになってしまった。
 「近くの部屋に泊まっていたゲストにハウスキーピングと間違われ、
  船室を出たところで氷を持ってきて、と頼まれちゃったんだ」
 などと笑わせる。
 ホールでは卓球大会や社交ダンス、ゴルフのチッピングコンテスト、
 バーやクラブではサイレント・ディスコ
 (ヘッドセットを着けて、好きなチャンネルの音楽を
  聴きながら各自で踊る)やカラオケなども開催され、夜は特に盛り上がる。
 うちの両親のように英語がわからなくても
 楽しめるアクティビティも豊富だし、
 そこにいるだけでもじゅうぶん華やかで朗らかな気分に浸れる。

・部屋ごとに2本までワインの持ち込みが許されているので、うちも4本(2部屋分)持込。
 天気のいい日は昼間から部屋のバルコニーでワイングラスを片手に海を眺め、
 クジラやイルカが見られることもあった。
 こうやってダウンタイムを静かに過ごすことも可能だ。

一言で言うと、あくせくしないのんびりリゾート型から
ぎっしり観光&アクティビティ型まで、
気分や参加者の希望に合わせて日々、違ったスタイルの楽しみ方ができるのが
最大の魅力と言えるかもしれない。

クルーズ会社やブランド、行き先や時期によって客層もかなり異なるようなので
(例えば大学生が大騒ぎすることで有名なメキシコ行きのクルーズなど)
ちょっとした下調べは必要だが、要望の多い家族やグループでの旅行には
ぜひクルーズがオススメだ。
 

アラスカを代表する名所寄港地での観光(2)

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6月26日:Skagway

アラスカ最後の寄港地はSkagway(スキャグウェイ)。
丸一日のフリータイムには、
山間を走りカナダ国境を越える
シーニック鉄道のオプショナルツアーに参加した。

スキャグウェイを出発するとすぐ、
列車は山頂に雪の残る山々やの大小さまざまな湖の間を抜け
なだらかな上り坂をぐんぐん上っていく。

1900年以前のこの線路を敷く工事が
いかに過酷なものだったかという
車掌のアナウンスを聞きながら
車窓の外に広がる絶景に惚れ惚れとする。

途中、カナダとの国境を越えるため、
パスポートのチェックなども行われ、
2時間半ほどで最初の駅
Lake Bennett(ベネット湖)に到着。

1時間ほどの停車時間に
山々の間を抜け、奥まで細長く広がる
ベネット湖までの往復ハイキングを楽しんだ。

ベネット湖を出て、
列車の中でターキー・サンドイッチのランチを済ますと、
1時間半ほどで終点のCarcross(カークロス)の町に到着。

カークロスは人口300人ほどという
小さな町だが、駅のすぐ近くには
トーテムポールのデザインをあしらった
山小屋風の建物が20ほど立ち並んでいた。
夏の間だけオープンしているという
アートやクラフト、ギフトショップで、
30分ほどしか時間がなかったのは
ちょっと物足りなかったぐらいだ。

復路はカークロスから観光バスに乗り換えて
スキャグウェイに戻るのだが、
その途中で、その名の通り
美しいエメラルドグリーンの色をした
Emerald Lake(エメラルド湖)に立ち寄った。

炭酸カルシウムの濃度が濃いために
水がエメラルド色に見えるのだというが
浅瀬から水深の深い中心部に向かって
徐々に変化していく青い水の色は本当に神秘的だった。

一人あたり$235と安くはないツアーだったが
見どころたくさん、ハイキングも楽しめ
十分に価値のあるツアーだった。

6月28日:Victoria Island

その後、船は丸一日かけて南へ下り、
28日の午後、最終寄港地であるバンクーバーの南にある
Victoria Island(ビクトリア島)に到着した。

ビクトリア島といえば必ず訪れたいのが
ブッチャートガーデン
色とりどりの花が咲き乱れる
夢のような庭園なのだが、
実は、私も大学生の頃、一度訪れたことがある。
ン10年ぶりの再訪だが、
そのおとぎ話の国のような庭園は
まだ健在だった。

33ヘクタールというとてつもなく広い敷地内には
ローズガーデンや日本庭園など
エリアごとに異なるテーマの植物が植えられ、
この世の花という花がすべて見られるのではないかと
思うほどで、
旅の終わりを飾るのにふさわしい華々しさだった。

初めてのクルーズ、初めてのアラスカ旅行だったが
親子3世代、それぞれに自然とリゾート気分を満喫できた
期待以上の8日間だった。

続く

アラスカを代表する名所寄港地での観光(1)

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6月24日:Ketchikan

シアトルを出港、丸一日半航海の後、
最初の寄港地、トーテムポールで有名な
Ketchikan(ケチカン)に到着。

その日は大降りの雨だったため
予定していたハイキングを中止、
無料シャトルバスで
トーテムポール・ヘリテージセンターを訪れた。

トーテムポールは
アラスカからバンクーバーに渡る北米北西海岸で
100〜150年以上も前にアメリカ原住民によって作られた
人間や動物を刻んだ彫刻で、
部族によって形や色などが異なるらしい。

トーテムポール・ヘリテージセンターは、
彫刻がところどころ破損したり
色があせてしまっている
当時のままのトーテムポールの
コレクション最大数を誇る。

天気が良ければ
街中に散見されるトーテムポールや
運河沿いのカラフルな建物を楽しみながら
ゆっくり散策できたのに残念!

その後は、ランバージャック(木こり)・ショーへ。

観光化された安っぽいショーかと思いきや、
木登りや丸太渡りの世界選手権の常連の
筋肉隆々のハンサムなアスリートたちが
コミカルなトーク混じりにその技をお披露目してくれる
エンターテイメント性たっぷりのショーで、
大人も子どももすぐにその魅力に引き込まれた。

ショーの後のアスリートたちとの記念写真は
絶対に欠かせない!

6月25日:Tracy Arm Fjord

翌日の朝には、クルーズ最大の見どころのひとつ、
トレーシー・アーム・フィヨルドに到着。
40km 以上にわたる切り立った峡谷の間を
抜けた先に広がる青いソーヤ氷河は圧巻。
船はその前をゆっくり360度回転しながら
あらゆる角度からその眺めを存分に楽しませてくれた。

6月25日:Juneau

トレーシー・アーム・フィヨルドを後に、
午後には2番目の寄港地、Juneau(ジュノー)に到着。
予約しておいたタクシーに乗って
Mendenhall Glacier(メンデンホール氷河)へ。

ビジターセンターから湖をはさんで
向こう側に見えるメンデンホール氷河に向かって
湖の周りを30分ほど歩くと
Nugget Falls(ナゲットの滝)に到着。
そこが歩いていける氷河への最接近地点だ。

70歳を超えた両親は、
「アラスカで氷河を見ながらハイキングができるなんて
生きていてよかった」と感動しまくっていた。

続く