月別アーカイブ: 8月 2012

信念と粘りとそれなりの妥協が必要な幼稚園選び

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娘の幼稚園選びにはあしかけ1年ほどかかりました。

みんなと一緒に近所の公立幼稚園に入園するのが普通、
という日本とは違って、
めぼしい施設にアポイントをとって訪問し、
直接園長と話をし(場合によってはいくつかかけもちで)、
Waiting list にお金を払って載せてもらい、
延々待ったあと枠に入れたら連絡が来る、
というのが一般的なプロセス。

なんでそこまでするかって?
公立の幼稚園だからといって
私立と比べて保育費が安いわけではないからです。

義務教育ではないからか、自治体の助成金なども少ないのでしょう。
うちのエリアの公立幼稚園の保育費は半日で$678/月、
3時までの延長保育付で$1,082/月、でした。

これ、年額ではなく月額!
こんなに払うんだったら
条件や教育方針にもっとこだわりたくなって当たり前。

そこで、私立の幼稚園も検討を始めるわけです。
延長保育は6時までとか、ランチが出るとか、
私立のほうが概してサービスのバラエティが広いのですが、
教育方針についてもそれはさまざま。
アカデミック重視とか遊びやアクティビティ重視とか、
流行りのモンテッソーリ方式だったりバイリンガル教育だったり。

私も、延長保育6時まで(6時以降はほぼ皆無)、
ランチオーダーの選択肢がある
(たまにはお弁当を作りたくない朝だってある!)、
日英バイリンガル教育、を3本柱にすえて探しました。

泣く泣くあきらめたのは、
うちの近所(300mぐらい)にあった日英中のトライリンガルの
モンテッソーリ幼稚園。

お昼もオーガニック食材のランチが出るようで
もうここしかない!と思ったのですが、
保育費が半端じゃない。
初年度納付金を含めると、年間$20,000超え!

『出せるか、出せないか』という議論もそうですが、
最終的に『本当にこんなに出すべきか』の
議論になったことを覚えています。
たかが幼稚園(されど幼稚園)。。。

結果、『出さない』ということになったのですが、
最後に一度、オープンハウスで保育の様子を実際に見たとき、
何かが違う、と感じたのも確か。

おりこうさんな子供たちが
静かに黙々と各自、好きなことをやっている、という印象。
先生たちも静かな声で(それぞれ違った言語で)
子供をガイドしてあげてはいるのですが、
泥んこまみれになって
時にはけんかをしながら大声を上げて遊ぶ、
という風景がまったくなく、
『うちの子(と私)には合わない』と直感したのです。

そういえば、教育熱心な中国人家庭のお子さんが多かったなあ。

そうやって10施設以上は訪問したでしょうか。

結果、選んだ幼稚園は
キリスト教系(先日『カトリック』と書いたのは間違いでした。
ダンナの指摘で気づきましたが、ここはプロテスタント!
キリスト教には違いありませんが、
違う教義に基づくのだそうです)の
遊び中心(とアカデミックも少し)ののびのびとした幼稚園。

ちなみに、まったく宗教色のないところ、と決め付けてしまうと
また選択肢が狭まってしまいます。

キリスト教だけでもいろいろ宗派があり、
さらにユダヤ教など、それに関係した施設の数は数知れず。
だからといって、園児を洗脳したり
教義を教え込んだりするところはあまりなく、
日本で言うなら『聖母マリア幼稚園(どこにでもありましたね)に入れる』
という感覚に近いかな。

結局、日英バイリンガルはあきらめたけど、
コンクリートで囲まれた小さな遊び場しかない施設も多い中、
砂場のある広ーい中庭があるのが気に入っています。

保育費は、先のモンテッソーリの半分ぐらい。
それでも日本に比べたらかなり高いけど。。。

Kindergarten=幼稚園、とシンプルに訳せないシステム

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中学校の英語の授業では
『Kindergarten = 幼稚園』と習ったはず。
でも、そのつもりで会話をしていると
どうもしっくりこないことがよくありました。

それもそのはず、アメリカの教育システムは
日本とは微妙に違うのです。

ご存知のように、アメリカでは
州ごとに法律や税金、教育システムなどが異なるので
ここではカリフォルニアに絞って話しましょう。

カリフォルニアの初等教育は
6年間と定められていますが、
それはKindergarten 1年間+小学校5年間から成ります
(6年生から中学校)。

Kindergarten にはだいたい5歳ぐらい
(カリフォルニアでは現在、基準日を4年に渡って
徐々に繰り上げ中のため)になったら入学できますが、
義務教育は、あくまでもこのあとの1年生(6歳)から。

年齢で見ると、日本の幼稚園の年長さんが
Kindergarten にあたりますが、
義務教育ではないといいながら
初等教育と位置づけられ、かつ小学校の中に併設されています。

では、うちの子が通う幼稚園とは?
それはPreschool と呼ばれている施設で、
Kindergarten の前の2年間(3&4歳向け)
のことを指すようです。

そういう意味では、うちの子は4歳になるので、
Preschool の2年目から始めたことになります。

じゃあ、来年はKindergartenなの?
それがまたややこしい。

先に触れた基準日の変更に
思いっきり引っかかるのがうちのケース。

来年のKindergarten 入学基準は
今年の11/1から早まって
『10/1までに5歳になっていること』。

10月11日生まれの娘は、Preschool を終わっているのに
Kindergarten に行けない、ということになってしまいます。

そこで時限措置として
Transitional Kindergarten というのが設けられました。

Kindergarten準備クラスとでもいっておきましょうか。
基準日の変更により、
『前の基準では進級できたのに、
新しい基準により進級できなくなった子供たち』
ばかりが通うクラスのようです。はは。

いずれにせよ、うちの子は
Preshool +Transitional Kindergarten +Kindergarten の3年間で
小学校に進む準備をすることになるというだけで、
今では3年保育が主流の
日本の幼稚園に通わせるのと同じようなもの。

そう納得してはいるのですが、
実は3年間の保育費はけっこうばかにならないのですよ(涙)。

というわけで、次回は保育費についてです。

入園式はなくても宿題は出た!これがアメリカ流?

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今日から、娘が幼稚園に通い始めます。

きっと入園式の通知とか来るんだろう、
と待っていたのですが、
結局、何の連絡もなし。

8:30に少し遅れて到着すると、
まず駐車場がいっぱいでイライラ。

園の入口で写真を撮っている親子連れや
先生と談笑する父兄がちらほらいたけれど
それ以外はごく普通の朝の風景。

良妻賢母風なワンピースを着た母と
真新しい制服と黄色い帽子を身につけた私が
『入園おめでとう』と書かれた
幼稚園の門の前で写っている古ーい写真を
ふと思い出しました。

「赤ちゃんだったうちの娘が、もうこんなに大きくなって」
と涙することもあるかと
多少は心の準備をしていたのに、
これじゃあ拍子抜け。

教室の前に貼り出された名簿を確認して中に入っても、
子供たちが勝手に遊んでいるだけで、特に案内もなし。

「あのー、お弁当と着替えはどこに?」と、
先生をつかまえて聞くと
「その棚に児童の名前がシールで貼ってありますから
お子さんのを見つけて置いておいてください。
そうそう、そこに持って帰っていただくものがありますので
それも忘れないでくださいね」とのこと。

持って帰るものとは、
なんと赤い大きな画用紙一枚。

父兄向けの説明のプリントがくっついていて
『児童の自己紹介ポスターを作ってきてください。
お子さんを紹介する写真やアートを貼ったり、
絵を描いたりして9/14までに持参のこと』
とあります。

小学校に上がる準備のために
宿題を出す幼稚園もあるとは聞いたことがあるけど、
初日からとは!

歌の時間が始まったようなので教室を出ると、
母体の教会の牧師という人が笑いかけてきました。

そうなのです。
いろいろあって(詳しくはのちほど)
私立のカトリック系の幼稚園に通わせることにしたので、
教会に隣接しているのです。

「アメリカの幼稚園は勝手が分からなくて」
と言うと、
「とにかく先生に任せきりにしないこと。
面談でも、自分から時間を作ってもらわないと
園側から段取りをしてくれる機会は限られているから」と。

「アメリカは自由の国だから
We are a country of freedom
出た、この決まり文句!
ちなみに私は最近、
『言ったもん、やったもん勝ち』という風に訳すことにしています)、
自分や子供の思いを通すには声を上げないとね」。

やっぱり基本はそこなんだ。

大きなイベントは何もなかったけれど、
いろいろなことを予感するのに十分な初日となりました。