月別アーカイブ: 3月 2018

脅迫男の身柄をスピード確保!

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金曜日に『銃で学校を襲う』という
脅迫めいたコメントを口にして手配されていた男が
月曜日に確保されたというニュースが入った。

市内の学校で警察の緊急配備体制が敷かれ、
娘の学校の校長からは
「無事に1日が終わりました」という
連絡がメールで届いた直後のことだ。

近隣のエリアの警察の協力で拘束されたというこの男、
「ふざけて言ったつもりだった」と
謝罪をしたらしいが、
住所不定で精神鑑定にすぐに回されたというから
薬物中毒のホームレスのような人物だったのかもしれない。

この事件を知らせる最初のメールには
書かれていなかったが、
実は、会話をした店員も警察に通報した人物も、
この男が本気で言っている可能性は低いとは思っていたらしい。

それでも警察に通報が行き、
警察が一斉に捜査に乗り出し、
学校で安全対策が採られるなど、
その連携は見事だった。

アメリカ国内のあちこちで
銃乱射事件が続発している中、
このような毅然とした態度を見せることにより
抑止力にもなるだろう。

この一件がスピード解決したことにもホッとしたが、
このコミュニティには
頼りになる大人たちがたくさんいるということが
分かったことの安心感は大きい。

これでまた安心して娘を学校へ送り出せそうだ。

「学校を襲う」との予告に市内の学校が厳戒態勢

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フロリダの高校での銃乱射事件から一ヶ月あまり。
銃規制の運動などが盛り上がる最中、
日曜日の夜だというのに教育委員会から
メールが入ってきた。

「金曜日の夕方、市内のスポーツ店から
『学校を襲いたいので銃を購入したい。
それと、その際に身に付けるシャツは
どんなものが適当かアドバイスも欲しい』
と、店員に話している客がいると
警察に通報がありました。

警察が数分で駆けつけましたが、
該当の男性客は発見できず、
現在、警察が男の行方を追っています。

男は35歳前後の白人、迷彩柄のパーカーに
ジーンズ姿、グレーの毛糸の帽子を着用。

これを受け、明日から警察官が市内の全ての学校に派遣され、
監視にあたります。
また、校門など全ての出入口は
登下校の時間以外は完全に施錠されますので
ご協力とご理解をお願いします。」

そして、そのスポーツ店のセキュリティカメラに映った
男の写真も添付されていた。

背中がゾクッとした。

問題の男が現れたというスポーツ店は
うちから車で5分ほど。
前にふらっと立ち寄った際に
銃器が売られているのを見て
思わず写真を撮ってしまった覚えがある(写真上)。

一般人が気軽に入れるスポーツショップで
銃が売られていることにかなりの違和感を感じたが、
それが実際に脅威となり得ることまでは
考えもしなかった。

一瞬、娘を学校に行かせたものか迷いもしたが、
その男は銃を購入せずに店を出たらしいので
娘には何も言わずにいつも通り学校に送って行った。

アメリカ全土で起こっている銃乱射事件のニュースについては、
小さい子どもの前ではふれないというのが
一般的な学校や家庭での対応だが、
うちも、それに従っている。
学校が怖いところだなんて思わせたくないからだ。

月曜日の今日、さっき校長から
「体育の授業を屋内で実施する以外は
全て通常通り授業を行うことができました」との
報告メールが入り、ホッとしたが、
一抹の不安を抱えながら
娘を学校に連れて行く日々はしばらく続くだろう。

銃規制への運動がこれまでになく盛り上がっているが、
もう他人ごとではない。
私にも何かできることがないか、考えてみたいと思う。

3年生の今年はアメリカ原住民(オローニ族)プロジェクト

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一年に一度、数週間かけて
テーマに沿ったリサーチや工作を行うプロジェクト
宿題が出ることは前にも書いた通りだが、
3年生の今年は『Native American(アメリカ原住民)』
についてがテーマだった。

アメリカの建国の歴史は
小学校に入る前後からサンクスギビングの祝日について
繰り返し聞かされることで自然と学んで行くのだが、
そのピルグリムたちがイギリスからやってくる
ずっと前からアメリカ大陸に住んでいた
アメリカ原住民について
きちんと教えている州は実はあまり多くない。

Montana, Idaho, Minnesota, New Mexico, Oklahoma,
Wisconsin, North Dakota, South Dakota などでは
アメリカ原住民についてのカリキュラムを
必須としているらしいが、
カリフォルニアの取り組みについては
調べてみてもどこにも資料が見当たらない。

ヨーロッパからやって来た移民たちが
先住民たちを押しのけて新しい国を建国、
少数民族となった彼らは
特別区のようなところに追いやられて居住し、
満足とはいえない生活や教育レベルにあることを考えると
取り扱いにくい問題であることがうかがえる。

そのせいか、娘のプロジェクトも
『Native American』という大きなくくりではなく
その中でも3000年ほど前からサンフランシスコ一帯に住んでいたと言われる
Ohlone Tribe(オローニ族)』について
その生活様式やその知恵などについて学ぶ、という
かなり的を絞ったテーマとなっていた。

あまり深読みせずに
「3000年前の人間がどんな生活をしていたか」という
シンプルな解釈で取り組めばいいらしい。

課題は3つのテーマから選ぶ。

・Ohlone Tribeの食事メニューを考案する(写真下)
・Ohlone Tribeの衣服を再現する
・Ohlone Tribeの家のミニチュアとジオラマを作る

娘はOhlone の家を作る、と最初から決めていた。

すでにそれぞれのテーマについて学習済みらしく、
娘は「Tule(トゥーリーというツリグサの一種)をかぶせた
ドームみたいな家なんだよ」とさらっと言うが、
Tule なんていう植物は聞いたこともないし、
調べてみると、もうこの辺りには生育していないようだ。

何か代わりになるものを探さないと。

スイセンのような細長い葉っぱを探して
近所の公園を2箇所ほど訪れてみたが、
そんな植物はどこにも見当たらない。

裏庭の畑にたくさんの植物や野菜を植えている
ご近所さんを思い出し、訪ねてみた。

「細長い葉っぱを探してるんだけど、お宅にない?」
「んー、草はないけどヤシの木だったらあるから葉っぱを取ってあげるよ」。

ゆうに50cm以上はある葉っぱが
団扇のひらのように広がって生えているフサを
2つほどもらって帰ると、
さっそくそれを細く手で裂く作業に入った。

作業をする娘と私の頭の中には
立派なTule House のイメージが描かれ
もう出来上がったかのような気分になっていたが、
実際はそう簡単にはいかなかった。

翌週末、裂いたヤシの葉っぱをかぶせるための
フレーム作りにとりかかった。
これが思いのほか大変だった。

本来なら太い木の枝を細く削ったものや
柳のようなよくしなう素材を使って
ドームのような形の骨組みを作るのだが
今度はその材料が見つからない。

仕方がないのでクリーニングハンガーを使うことにした。

いざ工作に使おうとすると
針金は意外と硬く、切ったり折り曲げたりして
滑らかなドーム型の骨組を作るのは
思ったより難しかった。
この日は骨組み作りだけで終わってしまった。

翌日、ようやく骨組みの上に
裂いたヤシの葉をかぶせていく作業にとりかかった。

水平にかけられた三層の針金に
それぞれ半分に折ったヤシの葉っぱをかぶせ
その上から紐で固定、
はみ出した端っこの部分を切りそろえればドームハウスの出来上がりだ。

私が体裁を整えている間に
娘は厚紙でジオラマの土台と
オローニ族の家族、家の中に必ずあったという囲炉裏などを作り始めた。

「オローニの人たちは鹿や熊の毛皮を着ていたんだよ」。
「ご飯はドングリや木ノ実をつぶして食べてたんだ」。
「家は必ず川の近くに作ってたから、川も描かないとね」。

娘はNative American の専門家気どりで講釈をしながら
サラサラと絵を描き、色を塗っている。

その土台にドームハウスを固定、
狩りに出かけるパパを見送るママと子供を
その入り口に立たせたら完成だ(写真上)。

私としては、もっとヤシの葉をたくさんかぶせればよかったな、とか
ハンガーの代わりにもっときれいなドームを作れる材料はなかったかな、とか
心残りがなくはなかったが、娘は大満足。

提出締切日当日、
学校に持っていくとクラスメートがいっせいに寄ってきた。
娘はドヤ顔で作品を見せている。

それを見ながら私は、
今年も無事、ホームプロジェクトを乗り切ったと
ホッと一息ついた。
お疲れ様でした。