カテゴリー別アーカイブ: 宗教

Pledge of Allegiance(忠誠の誓い)の宣誓

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毎朝の校内放送(参照:Morning Announcement(朝の校内放送)の晴れ舞台
のしめくくりは
『Pledge of Allegiance(=忠誠の誓い)』だ。
あちこちの教室から、子どもたちが大声で暗唱しているのが
聞こえてくる。

これまであまり注意を払ったことがなかったのだが、
娘の校内放送を機に調べてみた。
全文でも1分弱の短いもので
内容は下記の通りである。

“I pledge allegiance to the flag of the United States of America,
and to the republic for which it stands,
one nation under God, indivisible, with liberty and justice for all.”

(わたしは、アメリカ合衆国の国旗とその国旗が象徴する共和国、
神のもとに統一され、全ての人々に自由と正義が約束された
不可分の国に忠誠を誓います)

多くの子どもたちや先生は、胸に片手を当てて
神妙な顔をしてこの誓いを唱えている。

娘に聞くと、彼女もちゃんとやっているらしい。
(なぜか手は胸に当てていない、と言っていた。)

「その内容、学校で教わったの?」
と聞くと
「全然」。

「じゃあ、どうやって覚えたの?」
と聞くと
「毎日やってるからなんとなく」。

というわけで、ところどころ
間違って覚えている箇所もあるようだが
何も考えずにみんなと一緒にやっているらしい。

日本でもxx式とか運動会とかでは君が代を歌っているから
まあ似たようなものか、とも思ったが、
ダンナはどうも釈然としない様子。

「キリスト教国家じゃないんだから
神のもとに、なんてフレーズをいまどき全校生徒に言わせるなんて
ちょっと時代錯誤だよな。
言いたくなかったら黙って座っててもいいんだよ。
法律上は強制できないはずだからね」。

国への忠誠はともかく、宗教チックな内容が気に入らないらしい。

カトリックの家庭に育ったにも関わらず
今ではすっかりキリスト教に反発しているダンナ。
『神(God=Jesus Christ)』という言葉には特に敏感だ。

私も娘が特定の宗教の影響を受けることには抵抗があるが、
そもそも神をイエス・キリストに結びつけるという
思考自体が身についていないため、それほど気にはならなかった。

無宗教の国、日本で育った私たち日本人には
なかなか理解しにくいのが
こういった宗教がらみの微妙なニュアンスだ。

一方、当の娘は、
「神っていうのは、私たちのことを上から見ていて
守ってくれている目に見えない人のことだよ」
と、かなり健全な理解を示しているようだ。

今のところ、あまり目くじらを立てることもなさそうだ。

ロシア人のお友達の誕生パーティ

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サンクスギビングの週末のしめくくりは、
同じマンションに住み、
娘と名前が同じことから仲よくなったお友達の
お誕生会でした。

私たちのいるマンションにある
住民が多目的に利用できるコミュニティルームを
貸し切ってのパーティ。

10家族、20ー30人ぐらいが
お祝いに来ていたと思いますが、
ママがロシア人なので、
ほとんどのゲストはロシア人ファミリーでした。

ここ、サンフランシスコエリアに
引っ越して来て気がついたのは、ロシア人人口の高さ。

話を聞くまで知らなかったのですが、
ソビエト連邦が崩壊した91年前後を境に
元ソビエト領のユダヤ人に対する迫害が強まったことで、
その人たちをアメリカが政治難民として受け入れていたのだそうです。

70万人ともいわれるロシア系ユダヤ人のほとんどは
ニューヨーク、マサチューセッツとカリフォルニアを中心に
移って来たらしく、
ここでロシア人との遭遇率が高いのもうなずけます。

そういえば、3ヶ月前に引っ越していった
お隣のママもロシア人難民2世でした。

「アメリカに来たとき、私は高校生だったけど、
家族全員でトランクひとつと現金数百ドルしか
持って行くことが許されず、
英語も全く分からなくて大変だったわよ」
と、彼女が言っていたことを思い出します。

そんな思いをよそに、子どもたちは
プリンセスの衣装を着て登場した
エンターテイナーの女性を取り囲んで
大はしゃぎ。

手品から始まってフェイスペインティング、
バルーン細工、など
一人でいろいろな技を繰り出していきます。

このように、自宅やレンタルスペースに
エンターテイナーを呼んで行う
このようなお誕生会も珍しくないようですが、
実際にご招待されたのはこれが初めて。

お誕生会の新しいバリエーションを
体験することができました。

TKクラスのお友達も
11月末で晴れて全員5歳になったことだし、
(クラスメートは全員10月か11月生まれ。
参照:え?この幼稚園に2年間通わせるつもりが。。。?
お誕生会ラッシュもこれでしばらく落ち着きそう?

『割礼と豚肉』の争い

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サンフランシスコ ベイエリアの
日本人ママグループで
最近、盛り上がったのがコレ。

『割礼と豚肉』

割礼って?
そもそも、日本ではそのきちんとした意味すら知らない人も多いのでは?

(ここで微に入り細に入り説明するのもちょっと気が引けるので
定義についてはこちらをご参照ください。)
http://ja.wikipedia.org/wiki/割礼

割礼は、宗教的な理由から、または現在では慣習的な背景から
実施されていることが多く、驚く事なかれ
アメリカの男性の多くがそれを受けています(のだそうです)。

ある夫婦の間で、
息子さんへの割礼の実施についてと
豚肉を食べさせることをよしとするかどうかについて
妥協点が見いだせないというのです。

実は、うちも、娘が生まれる前に
割礼についてはかなり熱い議論を交わしています。

「男性なら、みんなやってるもの。
やっておかないと大きくなってから
友達にからかわれることになる」と主張するダンナと
「親からもらった体に傷をつけるなんて」と譲らない私とで
議論は平行線。

ダンナは、宗教的な理由ではなく
慣習的な理由からそう主張したのですが
(医学的な理由も加えようとしましたが)、
そういう意味では私の主張も
私の生まれ育った慣習をベースとしたもの。

幸い、生まれてくるのが娘だと分かったので
それ以上の論争にはなりませんでしたが、
息子だったらどうなっていたんだろう、と
考えることもしばしば。

また、ご主人がイスラム教徒やユダヤ教徒の場合、
豚肉を食べない方も多くいます。
寛大なダンナ様だったら、
奥さんだけが食べるならOKってこともあるでしょうが、
子どもが生まれると、
その子どもをどちらに合わせて育てるか、というのは大きな問題です。

(アメリカに来てから気付いたのですが
日本の食事って、豚肉を使うものがとても多いんです。
豚肉が家で食べられなかったら、私のクッキングライフも
相当ストレスフルなものになるはず!)

延々とメールでの応酬が続いたこのテーマ、
最終的には、本人同士で解決しようとすると
どちらかが不本意な結果に終わってしまうことが多いため、
マリッジカウンセラーなどの第三者に入ってもらっては?
ということで落ち着きました。

これもすごくアメリカ的。
善し悪しは別として、
感情論になってしまいがちな問題には
第三者を入れて話し合う、というのです。

結局、どちらが、何を、どうして妥協できないのか、
どこまでなら許せるのか、を
冷静に話し合う場を設けることが最大の目的でしょう。

行き交うメールを読みながら
他人ごとではない気持ちの数日間でした。

別れは突然に。お隣さんのお引っ越し

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このマンションに引っ越してきてから
ずーっと仲良くして(もらって)きた
お隣のZちゃんの家族が、今月でお引っ越しすることに。

前から、「長男がもうすぐ高校生だし、
子ども3人でこの間取りじゃ、もう狭すぎるのよね」
と、Zちゃんのママは口癖のように言っていましたが、
まさかこんなに急に、しかも本当に引っ越しちゃうなんて。

手狭といっても、平米に直すとゆうに100平米を超えるので
日本の感覚では広々としたおうち、となるのでしょうが
間取りとしては寝室が2つ(主寝室と子供部屋)と
大きなリビング/ダイニングだけなので
5人家族にはやっぱりちょっときびしいかもしれません。

同じ間取りのうちは娘一人なので
それでも十分使い勝手がありますが、
子供3人、しかも長男が来年高校生、長女が中学生、次女が幼稚園、
となると、いつまでも寝食ともに、というわけにもいきません。
特に、アメリカのティーンエージャー(だけではありませんが)にとって
『プライバシー』は、大事な権利ですから。。。

とはいっても、分譲、賃貸ともに値上がりのひどいシリコンバレーエリアで
今より広い家に引っ越すのは経済的にも大変、と
重い腰の上がらなかったお隣さんが本気にならざるを得なかったのが
長男の進学問題。

ユダヤ教を信仰するこの家族の子供3人は
すべてユダヤ系の私立校へ通っています。
独自のカレンダー(例えば、今日は彼らのお正月!)で、
年中行事や食文化(豚肉や甲殻類を食べない、ほか)など
すべてユダヤ教義にもとづくものを採用している
幼稚園〜中学までの一貫教育施設。

高校が併設されていないこと、
3人の子供を同時に私立に通わせるのは
さすがにもうギブアップ、ということで
公立を考え始めたらしいのです。

ところが、うちのエリアの公立高校の評判はイマイチ。
(何を基準にイマイチというかは議論の余地がありますが、
APIとよばれる全体テストスコアに基づくならこれを参照
http://www.greatschools.org/california/
満足のいくレベルの高校があるエリアに引っ越すしかない、
ということで、隣街に賃貸の一軒家を見つけたというのです。

うちは娘がまだ幼稚園生なので
まだまだそこまでは考えていませんが、
レベルの高いと言われる公立学校に通わせるために
お引っ越し、というのはよく聞く話。
決してこの家族が特殊なわけではないのです。

娘は、「もうこのおうちに帰ってこないの?どうして?
ここがZちゃんのおうちでしょ?」と、とても寂しそう。

車で15分ほどの距離とはいえ、
これまでのようにお互いの家を15分おきに行ったり来たりして
怪獣退治やプリンセスごっご、というわけには
もういきません。

このエリアに引っ越してきて初めての
家族ぐるみのお友達だったので、
私やダンナもちょっとショック。

ひとつの仕事の平均勤続年数が2年ともいわれるシリコンバレーでは、
親の仕事の都合もそうですが
子供の学校選びも考えなくてはいけないとなると
住んでいる場所やそこでのお友達などとの別れに
センチメンタルになってはいられないのかも。

Easter Sunday

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先日、ユダヤ教のお祝いをお隣と一緒にしたばかりですが
今日は、キリスト教におけるもっとも大事なお祝い事の日
とも言われているイースター(復活祭)の日。

イエスキリストが死刑になってから3日後に生き返ったことを
記念する日で、春分の日の直後の満月の日曜日が
イースターの日と定められています。

敬虔なクリスチャンであれば、午前中は教会へ礼拝に出かけ、
そのあと家族でブランチに行くらしいのですが
子供たちにとっては、クリスマスと同じく、
朝起きたらプレゼントをもらえる日でもあります。

イースター前夜にはイースターバニーと呼ばれるウサギが
卵を家のあちこちに隠しにやって来て、
プレゼントも置いて帰っていく、というのです。

ウサギや卵がどうイースターと関係するのかについては
定かではありませんが、
春が象徴する『生命の誕生』や『生命力(ウサギは多産なため』と
春のお祭りイースターを結び付けたという説が有力のようです。

娘の幼稚園でも、ウサギや卵の絵を描いたり、
エッグハント(ウサギが隠していった卵を探すこと)の
イベントをやったりして、先週はイースター一色の
一週間でした。

ちなみに、エッグハントで子供たちが見つけた卵は
プラスチック製で、中にチョコレートやキャンディ、ステッカーなどを
先生があらかじめ詰めておいたものです
(すべて保護者で手分けして持参したもの)。

このように、現在では本物の卵ではなく、
お菓子の詰まった卵の形をした入れ物だったり
卵形のチョコレートが使われることがほとんどです。

というわけで、当日の今日は
自宅で2回目のエッグハント。

朝、目を覚ました娘は、枕もとのイースターバスケットを
見つけて大興奮。

中にはキャンディや、集めている
大好きなアニメのキャラクターのフィギュアが入っていました。

家の中を見渡すと、あちこちにカラフルなプラスチックの卵が
転がっていて、これに全部キャンディが詰まっているのですから
普段、甘いものを制限されている娘にとっては
こんなにうれしいことはありません!

うちはブランチには行きませんでしたが
朝食でゆで卵を食べました。

カラフルな食紅で色付けしたり、ステッカーで
模様をつけたりしたこのゆで卵は、先週末、
ダンナと娘で作ったアート作品(写真↑)。

こんなことをやろうと言い出すなんて
ダンナも子供のころを思い出して
郷愁にかられたのかもしれません。

宗教上の意味はともかく、
イースターはクリスマスと同様、
子供のころの良い思い出のひとつとして
これから娘の記憶の中に残っていくのでしょう。

そのうちならではの伝統を作って行く、とは
こういうことなのかもしれませんね。