昨日、日本から遊びにきている友人と会いました。
東京で仕事をしていたときの同期で
中学校を卒業したばかりの息子さんと
今度、4年生になる娘さんを連れて
短期ホームステイに来ているのです。
日本の暗記中心のつめこみ教育に
常日頃から不満を口にしている彼女が、
突然、こんなことを言い出しました。
「娘を中学受験させようかと思っているの」
彼女たちの住む東京近郊のエリアの
公立学校の体たらくに
私立中学を考え始めたのだとか。
「それって塾に通うってことだよね?」
「そうなんだよね、それが気乗りしなくて」
「もう来年から週末も夏休みも遊べないじゃない」
「毎年、夏休みはハワイに行くことにしているんだけど、
来年、講習を休めるか塾に聞いてみたら
けっこう鼻で笑われたの。
”もちろん、ご家庭の希望であれば仕方ないですが
夏期講習をミスるなんて受講生はまずいませんよ。
去年、一人、二泊三日で旅行に行かれたお子さんがいましたが
そりゃあ、後から追いつくのが大変で” だって」
この会話、つい最近、うちの妹ともした。
親の70歳の誕生日を祝うために
三世代で夏休みのハワイ旅行を計画していたのですが
妹家族がやっぱり行けないと言う・・・。
「え?一週間ぐらい、いいじゃん。
たかが塾でしょ?」
「とは言ってもねえ、あとから後悔したくないしね。
しかも、本人たちが休みたくないって」
ハワイ旅行と夏期講習を天秤にかけて
夏期講習をとる子どもがいるのかと
信じがたい思いだったのですが、
友人にはじゅうぶん理解できると言う。
「なんだか脅されているみたいな
気持ちになるの。
子どもの将来とひとときの快楽と
どちらが大事ですか、みたいな、ね。
子どもの受験は親の受験なのよ」
っていうか、
『ひとときの快楽(夏休みの家族旅行)=人生の失敗(中学受験の失敗)』
っていう公式が盲目的に信じられていることが怖い。
ふと、私がアメリカにいる理由が
頭をよぎりました。
『娘はアメリカで育てたい』。
子どもの進路や将来の幸せについての定義が
あまりにも画一的で、
それに向かってみんがが猛進してる日本。。。
それに抗う人にはとても生きにくい社会。
ちょっと大げさだけど、
アメリカで生活を始めてから
そう思うようになりました。
日本にいるときは、
その画一的な『幸せや成功』の定義を信じて
敷かれたレールの上を歩いてきたし、
それ以外のオプションなんてそもそも考えもしなかったけど、
アメリカに来てそれは変わりました。
万人に通用する『幸せや成功』なんてものはないんだな、と。
『自分で幸せになれる力をつけてあげることが
親の役目』という考え方が浸透しているアメリカでは、
選択肢もたくさんあるし、決まった進路なんてない。
敷かれたレールがないって
実は意外と大変だけど
(まさに実感中!)、
娘にはそんな中でハッピーになる力を養ってほしい。
あらためてそんなことを考えた
友人との再会でした。