カテゴリー別アーカイブ: 二年生(2nd grade)

またまた親の工作力が試される『コミュニティ・プロジェクト』

標準

『クラスでは現在、コミュニティについて学んでいます。
警察、消防署、学校、病院、スーパーなど
コミュニティを構成する施設を各生徒が作成し、
それを持ち寄って一つのコミュニティを作り上げます。
よって xxx(娘の名前)さんは xxx(施設の名前)を
作ってきてください。提出日は2週間後です』
というプリントを娘が持って帰ってきた。

あ〜、また工作プロジェクトだ。

去年は海の生態系を再現する理科のプロジェクトだったが、
今年は社会科のようだ。

娘が割り当てられたのは洋服屋さん。

「これ、あなたが希望してそうしてもらったの?」

「違うよ。先生が決めたんだよ」。

「洋服屋さんなら作りやすいよね」。

「うん、私の大好きなJustice のお店を作るって決めたんだ」。

Justice はプレティーンからローティーンまでの
女の子に大人気のブランド。
参考にするものが決まっていれば話は早い。

『施設の内装やそこに置いてあるものなどは
実際に行って観察してくること』
とあるが、これは省略できそうだ。
もうレイアウトがすべて頭の中に入っているぐらい
よく行っているから。

『縦横12インチ程度の靴のボックスを建物にして
そこにあるものや働いている人も含めて作成のこと』。

ほらね、こういう時のために
靴を買った時のボックスはとっておくものよ。

きっと、サイズがあまりにバラバラだと
最後にコミュニティを構成するのに都合が悪いからだろう。

娘は、すぐに商品のドレスやスカート、バッグなどを
作りたがったが、まずは洋服屋さんにどんなものを置くか
計画するところから始めた。

陳列棚、ドレスなどを掛けるハンガーラック、レジ、
それから洋服屋さんに欠かせない試着スペース。
それができたら個別の商品にとりかかる。
店員とお客さんも何人かいるよね。

さて、どうやって作ろう?

まず、靴の箱の上下を90度の角度で固定し、
片方を壁に、片方を床にする。
壁の方にダンボール紙で陳列棚を貼り付けたはいいが、
試着スペースはどうしよう?

そうだ、薄い布の端切れに針金を通して
壁に貼り付けよう。

商品を吊るすハンガーラックは?
工作用の木のスティック(アイスクリームの棒のようなもの)が
あったから、あれを組み合わせて作ろう。
粘土で土台を固めれば倒れずにすむ。

商品を吊るすハンガーは?
ちょっと大きめのゼムクリップを
捻じ曲げれば何とか作れそう。

バレンタインにもらったガムの小さな箱はレジに。

こんな風に頭の中はフル回転。

結局、商品のタンクトップ、ドレスやバッグ、
店員さんやお客さんを画用紙や折り紙で作るのは娘、
店舗デザインや内装はすべて私、ということになってしまった。

毎晩、少しずつ作業して
提出日の2日前にお店が出来上がった。
ほっ。少なくとも徹夜は免れた!

提出日に意気揚々と学校に持っていくと、
みんなも手の込んだ作品を持って来ていた。

「これ、歯医者さんでしょ。よくできてるね。
この診察台、どうやって作ったの?」

と、クラスメートの男の子に聞くと

「オンラインで注文したの」。

まただ。
去年の生態系の宿題のときもそうだったが、
出来合いのものを探せば必ずどこかで手に入る。

確かに、見渡してみると
多くの作品がプラスチックでできた
既製のおもちゃやブロックを使っている。

「よくできてるわね」
と声をかけてくれた担任に
「なるべく出来合いのものを使わないように自分たちで作ったんだけど」
と言うと、
「見ればどれだけ手をかけたか分かるわよ」
と言ってくれた。

娘も誇らしげに友達に自分の作品を見せている。

親の関心度を試すためにこんな宿題があるのでは、
と思いたくなるぐらいだが、
やらなきゃいけないことを右から左へ流すだけで精一杯の毎日、
年に一度ぐらい、こうやって童心に返って
子どもと一緒に工作をするのも悪くないか。

希望していた担任の先生で好スタートの二年生

標準

8月後半、新学期が始まった。
新しいクラスにはいつもドキドキだが、
娘は希望していた先生が担任になって大喜び。

アメリカの学校では、教師はほぼ毎年、
同じ学年を担任するのが当たり前のようなので
(そういう意味では専門性が高い)
次の学年の担任の顔ぶれは前々から分かっている。

「Ms. W のクラスになれたらいいのにな」
と言っていた娘だが、
その理由を聞いてみると
「Ms. W はいつも声をかけてくれて優しいし、
先生のクラスにはモルモットのペットがいるんだよ」
と言う。

アフタースクールで一緒になる
上級生からもいろいろと聞いているのだろうが、
一番の理由はモルモットか、と思っていた。

が、2週間後に行われた
“Back to School Night
(担任と保護者全員が初めて顔を合わせる新学期恒例のミーティング)”
に参加してから、ダンナと私も
Ms. W なら大丈夫、とすっかり信頼を寄せるようになった。

「私は2年生という学年が大好きで、
もう10年以上、2年生を担任し続けています。
物の分別が少しずつわかってきた年齢で
こちらが回答に困るような質問もしてくる一方で
まだ正直なフィーリングを口に出してくれるのがいい」のだという。

さらに、私たちをホッとさせてくれたのは
このコメントだ。

「2年生ぐらいになると、ハリー・ポッターなどのように
大人でも読むのが大変な大作をスラスラと読める、という子どももいますが、
それに惑わされないでください。
2年生でそのような作品の内容をきちんと把握して読んでいる子どもは皆無です。
英単語の綴りの規則性を覚えれば、声に出して読むこともできるようになりますが
だからといって意味がわかって読んでいるわけではありません。
難しい本を視覚だけで読むよりも、レベルに応じた本の内容を
きちんと理解しながら自分のペースで読むことの方がよっぽど大事です」。

あー、よかった。
娘の友達の中にもハリー・ポッターを読んでいる子は何人もいて、
『うちの子は大丈夫だろうか』と思っていたところだった。

2年生を担当して10年以上というだけあって
2年生の機微をよく理解している。

毎週月曜日には『今週の予定』として
イベントや学習内容をびっしり書き込んだ
ニュースレターも発行され、
毎日、学校で何が起こっているのかよく分かる。

宿題は、週替わりの英単語の綴りと算数のプリント、本読み20分が
毎日のメニューだが、
提出した翌日には必ず短いコメントを入れて返してくれるので
子どもたちもやりがいがあるだろう
(去年、一昨年は、先生がチェックしたかどうかも
分からないことが多かった。
実際、ボランティアの保護者が採点をさせられることも!)。

ほかの保護者も同じように感じているようだ。

娘は、モルモット『ソフィー』の飼育係になれる週を
指折り数えて楽しみにしているが、
私たちも、この一年間にはちょっと期待できそうだ。