月別アーカイブ: 12月 2016

登校最終日はRead Around the Clock Day(一日中、本を読みふける日)

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日本では、学期の最後といえば終業式→半日で帰宅
というのが恒例だが、
アメリカでは終業式などというものは行わない。

代わりに、クラスで何らかのパーティをやることが多い。

今年(2年生)は、一日中本を読んで過ごすという
Read Around the Clock Day だった。

自分の好きな本を2冊持って行き、
パジャマで一日中過ごす、ということで
前夜は娘も本選びやパジャマ選びでエキサイトしていた。
寝袋や毛布、ぬいぐるみなどもお気に入りのものを
持って行ってよいことになっている。

プレゼント交換用に
自分が読み終わった本を一冊選んで
包装して持っていくことにもなっている。

「その本は2年生には簡単すぎるから他のにしたら?」

「ディズニーは読み物としてはちょっとねえ。。。」

「うーん、その本は他の子もあまり好きそうじゃないね」

などと言いながらようやく一冊を厳選して
クリスマス用の包装紙で包んでリボンをつけた。

朝は、教室でみんなで一緒にブレックファストを食べるというのだから
パーティのエッセンスも十分だ。

もちろん、材料の提供や教室内で配膳のお手伝いをするのは
保護者のボランティアだ。

・ワッフル
・ペーストリー
・ソーセージ
・スクランブルエッグ
・フルーツ
・ジュース

などの提供をクラスのオンライン掲示板で募っていたが、
今年、あまりボランティアができなかった私は
思い切ってスクランブルエッグに手を挙げた。

「え?ママがスクランブルエッグやってくれるの?やったー」
と、娘も喜んでいる。

人前に出すのだから、この際、
正しいスクランブルエッグの作り方を学んでみよう、と
ウェブサイトを探すと、
『ホテルのスクランブルエッグの作り方』というのがあった。

これこれ。

普段は、卵に塩、胡椒を混ぜて
フライパンでかき混ぜるだけだが、
それではホテルのスクランブルエッグはできないはずだ。

・フライパンではなく深さのある鍋を使う
・卵とミルクを最初に混ぜておく
・鍋にバター(溶かす必要なし)と卵を入れ、低音で加熱する
・卵が固まるまでゆっくり混ぜる

一気に火を通しちゃダメなのね。

クラスの人数が24人だから
2ダースの卵を使って、
3回に分けてこのやり方で作ってみた。

卵が固まるまでけっこう時間がかかるが、
なんと、ふわふわ、ツヤツヤ、きれいな黄色の
まさにホテルのスクランブルエッグが出来上がった。

(私は)意気揚々とそれを持って登校。

始業のベルが鳴り、
先生のお話が終わるとさっそくブレックファストタイム。

子どもたちが紙皿を持って好きなものを取っていく。

スクランブルエッグは大人気で、
「この卵おいしい」
と、おかわりに来てくれる子どもも何人かいた。

味見をしたボランティアのママたちも
「これ、本格的じゃない!どうやって作ったの?
私がやるとパサパサになっちゃうのよね」
とほめてくれる。

スクランブルエッグはあっという間になくなった。

そのあとは、先生がみんなに本を読み聞かせる時間となったが
その後も、お友達と本を交換して読む、
グループで本を読みながらディスカッションする、
上級生のクラスへ行ってペアになって本を読む、
一人で静かに本を読む、、、、
など、読書メニューが満載だ。

アメリカの教育においては
何と言ってもReading の力がキーだ。

小学校高学年にもなると
小さな文字でぎっしり書かれた分厚い教科書
(日本の教科書の5-10倍ぐらいの文章量)を使うようになるし
それ以外に参考書や副読本もある。

大量の情報を読みこなし
内容を把握する力を早いうちに養っておかなくてはならない。

残念ながらうちの娘はあまり読書が好きではないようなので
こうやって学校で読書の機会をたくさん作ってくれるのはありがたい。

それにしても、パジャマで登校、床に寝っ転がって本を読む、
なんていう発想はアメリカらしい。
日本の学校ではあり得ないだろう。

娘も、私が作ったスクランブルエッグで(?)、
パジャマパーティで、
読書が少しでも好きになってくれるたらいいのだが。。。

「生徒が学校から逃走しました」の電話

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冬休みまであと数日、というある日の午前11時ごろ、
携帯電話が鳴った。

娘の学校からだ。

昼間に学校からかかってくる電話にはロクなものがない。
だいたいは、
「娘さんの体調が良くないようなので迎えに来てください」
というものだ。

困ったなあ、と思いながら電話に出ると
録音された校長からのメッセージが流れた。

『今朝、登校時に生徒の一人が学校から逃げ出しました。
現在、保護者と警察で生徒の行方を捜しています。
それ以外の生徒は平常通り、教室で授業を受けています。
しばらくの間、捜索活動のため
学校周辺では警察などの出入りが激しくなりますが、
ご心配のないようお願いします』。

最初、このメッセージの趣旨がよく分からなかった。

「生徒が逃げ出した(ran off from school)ってどういう意味?」

本人の意思で学校から抜け出したのなら
なんでそんなに大騒ぎをするのだろう、と思ったのだ。

警察がウロウロしているから何事かと
学校への問合せが殺到するのを防ぎたいのかな、とも。

そうこうしているうちに、午後2時ごろ、
学校からメールが届いた。

Dear Parents,

This morning before school, a 4th grade student left campus.
It was immediately reported to the office by the parent and a search began.
When the student was not found in the immediate vicinity of the school,
the San Mateo County Sheriff was called.
The family worked with the school and Sheriff to locate the student.
The student was found safe and unharmed near the school.
The length of the search was extended because the student was afraid to get in trouble and was hiding.

Our safety protocols and procedures were followed which led to the quick notification that a student had left campus.
Again, we wish to thank the San Mateo County Sheriff for their assistance today.

If you should have any additional questions about the incident, please feel free to contact the San Mateo County Sheriff.

Thank you,
Principal

どうやらその生徒は無事、保護され、
事件は解決したらしい。

何だったのだろうと、学校帰りの車の中で
娘に聞いてみた。

「今朝、誰か学校からいなくなったの?」

「うん、4年生の女の子が、朝、学校に着いた時、
車の中でお母さんと宿題のことでケンカして
車を降りていなくなっちゃったんだよ」。

「何だ、そういうことだったんだ。
警察もいっぱい来たんでしょ?」

「うん。いっぱいでもないけどね。
その子、どこにいたと思う?」

「学校の近くの林の中とか?」

「ううん、校舎の中にあるリサイクルのボックスの中。
怒られると思ってずーっと隠れてたんだって」。

「見つかってよかったね。
ところで、何でそんなに詳しく知ってるの?」

「アフタースクールにその子のクラスメートがいて
その子から聞いたの」。

娘のおかげでストーリーの背景はよく分かったが、
この一件は、平和ボケしている私にとって
アメリカに住んでいることを改めて思い出させられるエピソードとなった。

そして、朝から車の中で親子ゲンカすることも珍しくない私には
ちょっと耳の痛い事件でもあった。

気をつけよう。。。

Elf on the shelf(サンタのお使いエルフ)がやってきた!

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サンクスギビングの週末、早い家庭では
さっそくクリスマスの準備が始まる。

それまで家中に飾られていた
ターキーやかぼちゃの飾り物は
全てクリスマスの飾り付けに取って代わられる。

クリスマスの飾り付けとともにやってくるのが
Elf on the shelf(棚の上のエルフ・写真)だ。

普段はサンタの元でおもちゃを作ったりしているが
12月になると子どもたちの様子うかがいに
各家庭に派遣されてくるのだ。

日中、子どもたちが悪いことをしていないかチェックしては
毎晩、サンタのところに報告に行って帰ってくる。

だから、毎朝、子どもが起きる頃には
エルフは前の日とは違った場所にいる。

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「ママ、エルフがいなくなった!」

「あ、エルフがトイレにいる!」

「パパ、エルフ、どこにいるか知ってる?」

だから、子どものいる家庭では毎日エルフ探しで騒がしい。

ちなみに、この伝統には2つのルールがあるらしい。

・子どもはエルフに触ってはいけない
(触ったらサンタに謝らないと来てくれないのだとか)
・子どもが起きている間、エルフは
 決してしゃべったり動いたりしない

エルフはいつも高いところから
ニッコリと微笑みをたたえて子どもたちを見下ろしているのだ。

うちのエルフは、時々サンタの元に帰るのを忘れて
同じ場所に2日間も座っていることがある。
パパとママがうっかりした日だ。

でも、パパとママに気合が入ると
エルフの隠れ場所はそう簡単に見つからなかったりする。

そう、大人たちもけっこうこの伝統を楽しんでいるのだ。
子どもたちには見せられない
エルフの悪行をスクープしたサイトなどもあるぐらいだ。

クリスマスまであとx日。
今夜もエルフの引越先を探して寝よう。

一羽で三度も美味しい(?) Tur-duck-en のThanksgiving

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またこの季節がやってきた。
11月の第四木曜日はThanksgiving だ。

仲良しの友人家族たちも
この日は彼らの家族や親戚とお祝いをするため、
私たちは家族3人+ここ数年、招待し続けている
離婚独身の友人と
こじんまりと晩餐を催すことになった。

今年は何を作ろう?

ダンナはともかく、アメリカで育ったわけではない私には
あまりThanksgiving に対する思い入れがない(失礼)。
xx家に伝わるThanksgiving 料理などというものもない。

だから、毎年、料理のことで悩むのだ。
さらに私はThanksgiving につきもののターキーが
あまり好きではないときている。

前日に、娘のお迎えがてら家族全員で立ち寄った
スーパー(ちょっと高級)で
今年のメインコースは何にしようかと物色していると、
ダンナが声をあげた。

「Tur-duck-en がある!
聞いたことはあったけど、見るのは初めて」。

「Tur-duck-en ?何それ?」

「その名の通り、Turkey の中にDuckとChicken の詰め物がしてある
お肉のことだよ」。

「へえ。Turkey とChicken はともかく
私はDuck が入っているならそれでいい」と私。

「もうマリネもしてあるから
オーブンでじっくりローストするだけで簡単だし」とダンナ。

というわけであっさりとお肉料理が決まった。

副菜は、どうせ私が作ることになるのだから、と
ちょっと前からネットでリサーチし、
これも手間があまりかからず、季節の野菜を使った
Thanksgiving らしい色や味わいのメニューを二つ頭に入れてあった。

ここに、今年のうちのThanksgiving の
晩餐のメニューご紹介!

<Tur-duck-en(写真下がその切り口)>
= 材料 =
-下準備済みのTur-duck-en 丸ごと一羽
(12ポンド/ 5.5kgぐらい。詰め物をしてあるので骨なし、全てお肉!約$80もした)

= 調理手順 =
-低めの温度(摂氏100度)のオーブンで8時間加熱

たったこれだけ。
8時間もオーブンを占領されたら
他のものが料理できないということに後で気付いたのだが。。。

<芽キャベツとベーコンのロースト(写真上、手前左)>
= 材料 =
-芽キャベツ(Brussel Sprout という)
-ブロックベーコン
-ローズマリー
-オリーブオイル、塩、胡椒

= 調理手順 =
-芽キャベツは洗って半分に切っておく
-ブロックベーコンを適当な大きさに切る
-天板に芽キャベツとベーコンをバラバラに広げ
 ローズマリー、塩、胡椒をふりかける
-オリーブオイルをたっぷりかけて200度で30-45分ローストする

<根菜のハーブロースト(写真上、右中)>
= 材料 =
-スイートポテト(日本のサツマイモより中がオレンジっぽい)
-ビーツ
-人参(赤、黄、オレンジの三色人参を使うと色がきれい)
-ローズマリー
-オリーブオイル、塩、胡椒

= 調理手順 =
-スイートポテト、ビーツ、人参の皮をむいて大きめの角切りにする
-ボールに野菜を入れ、ローズマリー、塩、胡椒、オリーブオイルを
 かけてよくミックスする
-上記を天板に広げ、200度で45分ぐらいローストする
 (途中で上下を返して焼き加減が偏らないようにする)

以上。

オーブン料理は手間がかからないのがいい。
切って、まぶして、オーブンに入れればおしまい。

副菜は、Tur-duck-en が焼けるのを待ってから
ローストすることになってしまったが、
ワインとチーズの前菜を楽しんでいるうちに無事、出来上がった。

単純な味付けでも、ハーブがちょっと豪華な香りを出してくれて
なかなかイケてる。

Tur-duck-en のお味?

マリネしてあるので、それほどドライではなかったし、
中のチキンソーセージはスパイスがきいていて
味に変化があるのは良かったが、
残念ながら私の大好きなダックは
ほかの鳥たちに圧倒されたのか、あまりその味が際立たなかった。

残念。
やっぱり来年はまた一種類のお肉を
ちゃんと料理してもらおう(これはいつもダンナの担当)!