アメリカでは、11月の第四木曜日(今年は11月28日)は
サンクスギビングデー。
日本語では『感謝祭』といわれますが、
その昔、イギリスから渡って来たピルグリムたちが
数々の苦難を乗り越え
原住民インディアンたちの指導のもとに
トウモロコシなどの食物を栽培し、
その収穫を祝ったのが起源だといわれています。
サンクスギビングには、
ターキーやパンプキンパイなどの
ごちそう(=Feast)を用意して、
家族や親戚が集まって
盛大にお祝いするというのがならわしですが、
学校や幼稚園などでもそのミニバージョンを
行うところがたくさんあります。
娘の通っているTKでも、前日の昨日、
お祝いが行われました。
例にならって、ごちそうは保護者の持ち寄り、
当日の準備や片付けも
すべて保護者のボランティアによるもの。
さすがに、食事ではなく軽いスナック、と
但し書きがついていたので、
パイやクッキー、サンドイッチやチーズ、
フルーツや野菜スティックなどが主でしたが、
持ち寄りにしてはかなりのごちそうが並びました。
このお祝い、5クラスあるKindergarten(1年生の前の学年)が
主催するもので、
娘のTKクラスもその仲間に入れてもらったのだそう。
それより上の学年になると、お祝いするかどうかは
担任にまかされていて、
「3年生のお姉ちゃんは、今年はお祝いがないみたい」
「うちは、去年はなかったけど、今年はやることになったらしいわ」
など、必ずしもお祝いのイベントをやるクラスばかりでもないようです。
職員室がないことは前にも書きましたが、
(参照:〜保護者面談〜 先生は教育のパートナー)
学年や学校全体でイベントなどが企画されることは少なく、
いろんなことが個々の担任の責任において
決められ、実行されて行くんだなあ、と改めて感じました。
さて、お祝いですが、
10:30 になると、担任に先導されて
子どもたちが運動場にぞろぞろと出てきました。
全員がそろうと、先生が
「このあと、順番にお祝いのスナックが並んでいる
テーブルに行って、好きな物を取ってもらってください。
そのあとは、長廊下に行って端から順番に座り、
全員がそろうまで待っているように」
と、プロセスを説明。
おいしそうなスナックがずらりと並ぶテーブルに、
インディアンハットや昔のピルグリムたちの衣装に仮装した
子どもたちが数人ずつ先生に促されてやってきます。
各テーブルで待機している保護者が
「サンドイッチにする?パンプキンパイがいい?
クッキーもあるよ」など
子どもたちの希望を聞きながら、
好きな物をお皿に取ってあげるなど
とても微笑ましい光景。
お皿いっぱいのごちそうを持って
長廊下(校舎の端から端まで続く、屋根のある長い通路)に行くと、
そこには、大きな画用紙で作った
何十メートルもの長ーいテーブルクロスが敷かれています。
全員がそこに着席するまでには
ゆうに30分以上かかったと思いますが、
子どもたちは食べ物にも手をつけず、
きちんと待つことができました。
(もちろん、一番年少のTKの子どもたちは
最後にごちそうを取りに行き、
そのあとすぐに食べられるよう配慮されていましたが)
そうして、やっと、
「ごちそうを用意してくれたご両親に感謝しましょう」と、
感謝の言葉を大きな声で叫んだ後、
ごちそうにありつけたのでした。
みんなで給食を食べることすらない
子どもたちにとっては、
こんなに大勢でいっせいにごちそうをいただくなんて
とてもエキサイティングな経験になったはず。
100人以上の子どもたちがテーブル(?)を囲んで
ずらりと並んでいる姿は
まさに『宴(Feast)』そのもの。
明日のサンクスギビングデーに向けて
親たちの気持ちもますます盛り上がったことでしょう。