月別アーカイブ: 2月 2016

「子どもの個人情報が公開される」というPTA からの知らせにあたふたする保護者

標準

私が参加している『ベイエリアで働く日本人ママの会』のメンバーから
こんなメールが来た。

『学区や学校からすでに連絡が届いていてご存じの方もいらっしゃると思いますが、
カリフォルニア州で2008年以降に学籍を持つ生徒の個人情報が
近々非営利団体の手に渡ることになっているそうです。
この対象からお子さんを外すためには、リンク先のフォームに記入して
4月1日までに郵送する必要があります』。

普段なら、こういうメールのリンク先をいちいちたどったりすることもないのだが
娘の個人情報(そもそもどんな情報なんだろう?)が誰かに意図的に公開されるとなると
どういうことなのかちょっと気になる。

それでリンク先のサイトを開いてみた。

ローカル新聞のサイトが表示され、
州内のある小学校の保護者たちがカリフォルニア州の教育委員会を訴えたという
裁判の記事が載っていた。

趣旨は、『スペシャルケアの必要な子ども(自閉症など障がいのある子ども)に対し
そのニーズがあることを知りながら
適切なサポートを提供しないのは州の教育委員会の怠慢だ』というもの。

実際にそのようなケースがどのぐらいあるのかを調べるために、
すでに学校や州が持っている(州内の小学校に通う)生徒たちの個人記録
(ソーシャルセキュリティナンバー<マイナンバーのようなもの>や
成績、行動記録、担任の所見などが書かれた個人情報)を
裁判所が証拠として提出するよう要求したのだ。

普段だったら、この手の記事は読んでも軽く流してしまうのが常。

人種差別とかと同じで永遠の課題だよね、とか
またどこかの押しの強い保護者が行政に文句をつけてる、とか
ちょっと覚めた目線で見てしまうのだが
今回はちょっと違う。

横で車を運転しているダンナにその記事を読んで聞かせていたら
ダンナが大声を上げた。

「これ、まさに僕たちにも関係あるんじゃないの?
こないだ担任から聞いたことそのままだよね」。

実は、昨夏の日本留学で辛い思いをした娘は
自信をなくしたのか、こちらに戻ってからも
お友達との関係がうまくいかなかったりして
少しストレスをためていた時期があった。

幸い、担任の先生は
そのような娘の変化に気付き、心配してくれていた。
離婚経験者でもある彼女は、
離婚当時の自分の息子たちとの葛藤をオープンに話してくれ、
前向きにサポートしてくれようとするその姿勢は本当にありがたかった。

ところが、
「少しの間でも、定期的に娘と話をしたり
様子をモニターしてもらえるようなカウンセラーは学校にはいないのか?」
と聞くと、
「残念ながら、常駐でそのようなことをしてくれるスタッフを
雇える余裕がないんですよ。
もちろん、州に保護者の方からリクエストを上げれば
対応しなくてはいけないというルールは一応、あるみたいですけど」。

その時は、まあそこまでしなくても、ということで
そのままになっていたのだが、
この記事を読んでそのことを思い出したのだ。

さらに、ここ最近、娘のクラスの保護者の間で
話題になっているあることともつながりがありそうだ。

次回へ続く

冷たくて美味しいホームメードのレモネードはいかがですか?

標準

IMG_4348

プレジデントデー(月曜)に職員研修(火曜)が続き
学校が4連休となった先週末。
最終日は、ママがお仕事のAちゃんをうちで預かることに。

その日も初夏のような陽気で
二人は裏庭に敷物を敷いて
アメリカンドッグとブロッコリーのピクニックランチを楽しんでいたが、
そのうち、そこにあるレモンの木に気づいたのか
唐突にレモネードを作りたいと言い出した。

そして、それを家の前で売ろうと盛り上がり出した。

実は、子ども達が道ばたでレモネードを売っている風景は
アメリカでは珍しくもなんともない。

お小遣い稼ぎだけでなく
学校やコミュニティのイベントやサークルなどで
資金を集めたい時に手っ取り早い方法がこれだ。

とはいえ、うちはこれまでそれに参加する機会もなく
できればあまり関わりたくないと(個人的には)思っていたぐらいだが
娘とAちゃんは、意気揚々と準備に取り掛かっている。

ちなみに、レモンの木はどこの家にも一本はあるといってもいいぐらい
この辺りではポピュラー。
それをもぎ取って果汁搾り器で絞って
ちょっと砂糖を混ぜて紙コップに入れるだけ。

娘のアート用の丸テーブルにブランケットをかけて
即席の販売用テーブルもできた。
『レモネード $5』というサインを貼って準備完了だ。

2-3つの熟れたレモンを半分に切って絞っていたら
ご近所さんがやってきて
「うちにもレモンいっぱいなってるから少しあげるわ」
と、10個以上のレモンを寄付してくれた。

それでも絞るとジュースの量は意外と少なく
やっと10カップほどのレモネードができあがった。

「レモネード、いかがですか?$5だよ」
「暑い日には冷たいレモネードがぴったり。$5ですよ」
「今作ったばかりの新鮮なレモネードはいかが?」

セールスのトレーニングをしたのかと思うぐらい
うまいことを言っている。
二人で次は何と言おうかと相談していたが
私からひとつだけアドバイス。

「$5はちょっと高いんじゃない?
50セントぐらいが買いやすいと思うよ」

二人はすぐに納得して
「ホームメードの冷たいレモネード。50セントですよ」
と、歩いている人にも(あまりいないのだが)通りすがる車にも
もれなく声をかけている。

そのうち呼びかけだけではインパクトがないと思ったのか
オリジナルの歌を作って歌ったり踊ったりし始めた。

さすがに停まってくれる車はないが
だいたい手を振ってくれたり
「帰りに寄るよ」と声をかけてくれる。

そのうち、どこからか帰ってきた
隣の家の兄弟二人が
一旦、家の中に引っ込んでから
またお金を持って出てきた。

「レモネード、買うよ」
$1の売上なり。

「うちも昨日レモネード売ったのよ」
と、男の子を3人連れたお母さんも
立ち寄って3つ買ってくれた。

そのあと客足がぴったり止まってしまい、
二人は、近所の家を訪問セールスに出かけることに。

まさかそこまでやるとは。
まさに、経験や先入観がない子どもだからできるワザ。

ついていくのもちょっと抵抗があったので
遠くから見ていると、
反対側のお隣のおばあさんは、
「レモネードはいらないけど、$1あげるわ」
と、お金を寄付してくれた。

「何に使うの?」と聞かれて
娘は「新しいお家を買うために貯めるの」だって。

(そんなに苦労させてるか?)

そうして、1時間も経たないうちに
レモネードは完売した。
総売上4ドル50セント。

仲良く売上を半分にして満足げな二人。
こうやってたくましいアメリカ人になっていくんだなあ。。。

春の陽気で週末はお待ちかねのハイキング

標準

IMG_4298

ベイエリアでは、ここのところ春のような陽気が続いている。
暖かくなるのを待ちわびていた私たちは
さっそくAちゃん家族と週末ハイキングを計画。

太平洋に面したHalf Moon Bay ビーチのちょっと北側にある
Mori Point という海岸線沿いにあるハイキングコースに行くことにした。

毎週送られてくるベイエリアのファミリー向けイベントや
おすすめアクティビティ情報のメールニュースの中に
ここが『家族向けハイキングコース』として取り上げられていて
そのうち行こうと思っていたのだ。

ベイエリアに住む人たちはみんな健康志向。
しかも、車で5分〜30分も行けば
たくさんのハイキングコースや公園があるから
ハイキングは子連れファミリーにとっても
もっともポピュラーなアクティビティの一つだ。

うちも、娘が小さい頃から
ダンナがベビーキャリアに乗せた娘を背負って
ハイキングに出かけていたぐらいだが、
当の娘はハイキングよりも楽しい遊びがいっぱいあるらしく
最近は「ハイキングに行こう」と言うと
即答で「ヤダ」と言われることもたびたび。

そこで今回は
「Aちゃんとビーチに行こう」と声をかけた。

「やったー!ビーチ!」と無邪気に喜ぶ娘。

モノは言いようだ。

駐車場でAちゃんを見つけると
娘とAちゃんはさっそく二人の世界へ。
こちらが何も言わなくても
さっさと数100メートル先に見えるビーチの方へ歩き出した。

ダンナ同士、ママ同士、そして子ども同士が
会話を楽しみながらそれぞれのペースでハイキング。
こんなにリラックスできて健康的で、しかもお金のかからないレジャーはない。
私も自分からハイキングを企画するほどのハイキング好きではないが
歩き始めるとやっぱり清々しい気持ちになる。

しかも、娘はこれをハイキングとはちっとも思っていないようで、しめしめ。
ビーチで遊んだり、Aちゃんのお家の犬を散歩させてもらったりして上機嫌だ。

ランチをしに立ち寄ったカフェまで往復で1マイル(1.7km)もあっただろうか。

ダンナたちには少し物足りなかったようで、
のんびり歩く私たちを置いて
帰り道に海を見下ろす崖の上までの上級者コースを
あっという間に歩いて戻ってきた。

Aちゃんは、帰り道、少し不機嫌になり
「もう歩けないよ」と弱音を吐いていたが、
驚いたことに娘は文句も言わずに
Aちゃんのお家の犬を連れて最後まで歩き通した。

子ども向けの博物館などの施設が充実しているベイエリアだが、
こうして気軽に自然の中をハイキングできるというのも
ここで受けられる大きな恩恵の一つなのだ、と
あらためて感じる一日となった。

アート工房でガラス皿作りのプレイデート

標準

IMG_4281

ベイエリアにしては寒い日が続いている。
娘とお友達のAちゃんも鼻をズルズル言わせていて
こんな週末は室内でできるアクティビティが最適だ。

つい数週間前、娘のクラスメートのママたち数人と
子どもたちを送った後、ブレックファストをしようということになった。

その時にいたA君のママが
アート工房を経営していることを知った。

アート教室や夏休みや春休みのキャンプだけではなく、
普段でも思い立った時に立ち寄って
焼き物に絵を描いたり
ガラス細工をしたりできると聞いて
そのうち娘を連れて行こうと思っていた。

そこで、先週の日曜日の午後、二人を連れて
その工房へ出かけることにした。

パロアルトの人気ショッピングモールの中にあるスタジオ内には
所狭しと色を塗る前の素焼きのお皿や貯金箱、小物入れなどが並んでいる。
この中から好きなものを選んで模様付けをすると
そのあと、うわぐすりを塗って焼き上げてくれるという。

サイズによって値段が異なるが、貯金箱や小物入れなどは
だいたい$35〜$45ぐらいのものが多い。
これには材料費としての素焼きの値段はもちろん、
スタジオで模様を描く時間(時間制限なし)のレンタル料や
塗料、仕上げ作業料など全て込みだから、
分かりやすいしリーズナブルだろう。

最初、貯金箱を作る気になっていた娘だが、
ガラス工芸の作品を見て、気が変わった。
色を塗るだけではなく、自分で模様がデザインできるのが
気に入ったのだ。

丸や四角のベースのガラス板に
丸や四角のビーズやガラスのかけらのようなものを
ノリで貼って模様をデザインすれば、
それをフュージング(炉で焼いて溶かしてくっつけること)してくれる。

こちらはガラス板のサイズによって$35〜$100ぐらい。
板にのせるビーズの数や種類、作業時間の制限がないことを考えれば
やっぱり良心的。

観光地などにある陶芸やガラスの工房では
30分〜1時間ぐらいでさっさと作ってしまわなければいけないので落ち着かないが、
ここでは子どもでも大人でも
好きなだけ時間をかけて自分の納得のいくものが作れる。

案の定、7歳の娘たちは
作品が出来るまでに2時間もかかったが、
親の手出しなしで全部仕上げられて満足そうだ。

フュージングには1週間ほどかかるが
「完成品の方が絶対にいい味が出るから楽しみにしてて」
と、A君のママ。

そういえば、A君のママは娘のクラスのアートクラスを
ボランティアで教えている。

アートの学校を出ているわけでも
資格を持っているわけでもないというA君のママだが、
スタジオを訪れてみて
この人はちゃんとアートの楽しさを教えてくれるだろうな、という気がした。

出来上がったお皿は学校に持ってきてくれるという。
どんな作品になったかな。