日本の一年生なら今頃、
曜日や人の体の部分に関する漢字などを
習っている頃だろうか?
アメリカの一年生の国語(=英語)では
毎週10個ずつ、英単語を覚えさせるための宿題が出ているが
これが日本で英語を習った私たちには
ちょっと想像がつかない内容なのでご紹介しよう。
まず、その10個ずつの単語は、
意味ごとにグループになっているわけでも
教科書のストーリーなどに使われているものを
抜粋しているわけでもない。
発音に共通性があるものごとにまとめられている。
発音は、プリスクールの頃からフォニックス方式で
学んできているが、
去年のKindergarten までに
個別のアルファベット文字の発音を習い終え、
今年は母音の例外発音や組み合わせのパターンについて学習している。
例えば、今週は『oo』のパターン。
ご存知のように、『o』が単独で使われる時と発音が異なる。
同じ発音をするものが10個並んでいる。
『cool』『tooth』『school』『choose』『goose』などである。
これらを月〜木曜の毎日(金曜日は宿題がない)、
遊び心の効いたテーマ(指示)の中から
自分で一つずつやり方を選んで練習するのである。
遊び心の効いたテーマとはこんな感じだ。
ー課題の10個の単語を答にして、身近な大人とジェスチャーゲームをしなさい。
(『school』とか『choose』とかをジェスチャーで表現し、相手に当ててもらう)
ー課題の10個の単語について、それぞれを絵で説明しなさい。
ー課題の10個の単語を書き出したら、
それと同じ発音ルールが用いられている単語を追加で10個、書きなさい。
ー課題の10個の単語の中から2つずつ使って文章を5つ作成しなさい。
ー雑誌や広告などから文字を切り取って課題の10個の単語を完成させなさい。
などなど。
暗記するのにどれだけこの遊び心が役に立つのかは分からないが、
少なくとも娘は毎日、楽しそうにテーマを選んでせっせと作業をしている。
娘がお気に入りのテーマは
『コンピュータを使って、課題の10個の単語をそれぞれ異なるフォントでタイプし
プリントしなさい』というものだ。
もちろん、一年生にはこのテーマ自体を読み解くほどの単語力も
読解力もないので、あくまでも大人(=親)のサポートが前提なのだが。
面白いのは、これはあくまで綴り(spelling)と発音(pronunciation)を
覚えるのが目的で、その単語の意味については触れていないことだ。
というよりも、意味については既に知っているというのが前提なのだろう。
『scoot』とか『stool』などは、日本の学校ではまず教えないので
私たちにとっては比較的馴染みの薄い単語だが、
『scoot』は『素早く動く』という意味で
「ちょっとどいて」などというときによく使うし、
『stool』は『背もたれや手すりのない椅子』なので
学校などでも見かけるはずである。
先週は『ea』のパターンで
『teach』『peach』『please』などをやっていた。
当たり前だが日本式の教え方とは大きく異なり、
これがネイティブの英語の習い方なんだなあ、と
毎日、一年生の英語の宿題を感慨深く眺めている。