月別アーカイブ: 3月 2017

昨年に続き2回目のスクールミュージカル。今年は『Aladdin』

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小学校が主催の年に一度のミュージカル、
今年の演目は
『Aladdin Jr.(アラジンと魔法のランプ)』。

昨年の『美女と野獣』で
ミュージカルデビューをした娘だが、
相変わらず、ソロのセリフや歌のある役は嫌だと言って
オーディションなしのベリーダンサーの役をもらった。

年明けから週三回の放課後の練習が始まったが、
一ヶ月も経たないうちにもうすべての音楽と歌詞を
覚えてしまっている。
自分のパートだけではなくストーリー全体のである。
子どもの記憶力の良さには改めて驚かされる。

娘が毎日のように家でも歌いまくるので
私も気がつくとその歌を口ずさむようになったほどだ。

本番直前の一週間は
毎日、6ー7時ごろまで会場(学区内の中学校の体育館)でリハーサル。
ビーズがジャラジャラついた
アラビアンな衣装も配られた。

金曜夜・土・日の3日間の舞台の日には
保護者もボランティアとしてお手伝いをすることが求められる。
売店で売るドリンクやスナック菓子の寄付、
売店の売り子、チケットセールス、楽屋や舞台裏での進行係、
最終日に行われるキャストパーティ(打ち上げ)の準備などだ。

私もボトル水6ダースの寄付と進行係の手伝いをした。

本番を迎えて興奮している子どもたちを落ち着かせ、
衣装や小物を確認して舞台に送り出す進行係は意外と大変。
(会場に座ってミュージカルを観ることができないということにも後で気づいた。。。)

女の子同士のケンカを仲裁したり
小物をどこかに置き忘れてそのまま送り出さざるを得なかったり
舞台裏ならではのドラマやハプニングもあった。

観客席に座ってパフォーマンスを観れた日もあるが、
投げられたパンをアラジンが受け取り損ねて舞台の下に落としてしまったり、
娘も、隣のダンサーと衣装のビーズがこんがらがってほどけなくなってしまったり、
やっぱりハラハラさせられた。

それでも、「何があっても歌い続けること」と
言い聞かせられていた子どもたちは
動揺をうまく隠して見事に役になりきっていた。

去年に比べて随分完成度が高いと
指導するディレクターも言っていたが、
「たかが小学生のお遊びのミュージカルと思って来たけど
けっこうよくできてるね。
来年はうちの子にもやらせようかな」
と、クラスメートのパパ。

会場の音響も今回の方がずっとよかったこともあり
確かに落ち着いて観られたような気がする。

現在や歴代の担任の先生たちも駆けつけてくれ、
水泳のコーチやアフタースクールプログラムの
インストラクターたちも観に来てくれていた。

最終日にはダンナと私からも
スターの娘にバラの花束が贈られた。

その時は打ち上げパーティのことで頭がいっぱいだった娘も、
パーティから戻ると
「もう明日から練習ないんだね」と、少し寂しそう。

また来年もやる気満々のようだが、
チームで何かを成し遂げた時の達成感と
音楽(とダンス)の楽しさを体感してくれたのなら御の字だ。

でも、来年は。。。。

今度こそ、何か役をもらってソロをやってくれるかな、、、。
と、密かに期待を抱いている私なのであった。

お誕生会のドレスコードは『ママのドレスを着てくること』

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仲良しのクラスメートMちゃんのお誕生会を
数日後に控えて、娘がこう言った。

「パーティのテーマはね、
ママのお洋服でティーパーティをするの」。

「え?ティーパーティはいいけど
ママの洋服ってどういうこと?
あなたが勝手に思ってるだけじゃない?」

「ううん。全員がおしゃれなドレスを着てくることになってるの。
でもブラとハイヒールはなしってことで。
フローリングが傷つくからヒールはダメなんだって」。

んー、どうやら本当らしい
(それにしてもブラもNGにしてるところは芸が細かい)。

さて、私の服で娘でもそれなりに着れそうな
小さめのものって。。。

クローゼットを見回すと、あった。
薄い水色のシルクのスリーピース
ータンクトップとミニスカート、ボレロのセットー
で、ずっと前に友人の結婚式に来て以来だ。

「これでどう?」
と聞くと、
「わー、かわいい!ママ、こんなドレス持ってたの?
これがいい!」
と即答。

あー、あっさり片がついてよかった。

当日、そのドレスを着せ、髪を上げて
Mちゃんのうちに連れて行くと、
本当にみんなマダム風のドレスを着ている。

ママたちが上手に裾を上げたり
背中をつまんだりしてくれているので
よく見ないと分からないが、
どれも大人のものだ。

リビングのテーブルには
お茶会の用意もできている。

「最後にファッションショーをやるから
少し早めに迎えに来てね」
とMちゃんのママ。

パーティの終了時間30分前に迎えに行くと
子どもたちは着てきたドレスに合う
サングラスやファーのスカーフ、アクセサリーなどを
選んでいる最中だった。

「ファッションショーというよりは
仮装大会って感じ?」
と思わなくもなかったが、本人たちはいたって真剣。
歩き方もマリリン・モンローのようになっている。

間もなくショーが始まった。

自他共に認めるトム・ボーイ(男の子っぽい外見や遊びを好む女子)の
女の子がMCだ。

レッドカーペットが敷かれ
ファッションショーの舞台に見せかけた玄関を抜けて、
ジャラジャラと着飾った女の子たちが
次々と近所に繰り出していく。

「このパーティ、誰のアイデア?」
と聞くと、Mちゃんのママが
「実はね、私の美容サロンのお客さんのアイデアでね、
とても大盛り上がりだったって言うから真似しちゃった」。

美容サロンを経営するだけあって
パーティの手みやげも、
化粧ポーチに入ったマニキュア、香水サンプル、
リップグロスのセットだった。

子ども用の似非化粧品ではなく
大人が使う本物の化粧品だ。

本来なら『そんなもの子どもにあげるなんて』と
眉をひそめられる可能性もあるが、
そこはママも子どもも顔見知りの
仲良しグループだけのパーティだからご愛敬だろう。

子ども用の化粧品セットを買って、と
誕生日やクリスマスにせがんでも
それだけはダメ、と言われ続けてきた娘は大喜び。

大人への憧れをくすぐるこんなお誕生会もありかと
納得する一方で、
こうやってアメリカの子どもは早く大人になってしまうんだな、
と少し複雑な気分にもなるのだった。

『I will kill you.』事件のトラウマ?!

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昨日、娘を迎えに行くと、
私を見るなり娘がこう言った。

「ママ、怒らないでくれる?」

「何したの?」

「何でもいいから怒らないで」

「まあ、怒らないようにするから言ってみて」

「I will kill you. って言っちゃったの」

「え?」

先日、クラスメートにそう言われたショックの反動か、
娘もそんな問題児になってしまったのか。

「何でそんなこと言ったの?
本気で言ったわけじゃないでしょ?」

「言いたくない。
私も校長先生に怒られるかな?」

「誰か聞いていた人がいるの?
どうしてそんなこと言ったか教えて」

「ほら、ママ、怒ってるじゃん」

そうして娘はその話を打ち切ってしまった。

家に帰って、どうにかしてその話を聞き出さないと、
と思っていると
しばらくして娘が紙に何かを書いて持ってきた。

娘は、怒られた後の謝罪文や
口で言いにくいことを
こうやってよく紙に書いてくる。

『木登りをしていたら、E君が後ろから登ってきた。
降りたくなったから”どいて”って言ったのにどいてくれないから
”そこにいたら私が落っこちたらE君も死んじゃうよ
(I will kill you.)”って言ったの』。

な〜んだ、そういうことか。

爆笑してしまいたいぐらいだったが
思い悩んでいる娘を傷つけるわけにもいかないので
笑わないように気をつけながらこう言った。

「これなら脅しや意地悪で言っているわけじゃないから
気にしなくていいんだよ。
危ないからどいて、という意味で言ったんよね。
でもちゃんと言ってくれてありがとうね」。

娘の顔が急に明るくなり
「ママ、だ〜い好き!」と抱きついてきた。

先日の『I will kill you.』事件がなければ
そんなに思い悩むこともなかっただろうに。。。

トラウマにならずに
言葉は時と場所を選んで使うのだということを
実体験で理解してくれたのであれば良いのだが、
と願うばかりだ。