月別アーカイブ: 9月 2014

日本語学校の昔なつかし秋の大運動会

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秋晴れの日曜日。
娘が毎週土曜日に通う
日本語学校の運動会が行われた。

去年まではクラスに生徒が4ー5人という
小さな日本語クラスに通っていたが
今年から全校生徒150名という
かなり規模の大きな学校に通うことにした。

幼稚園から高校生まで
息の長い日本語学習ができるのと
運動会や書道、華道など
日本語以外に日本文化を学べる
イベントがたくさん用意されているのが魅力だった
(もちろん、自宅から車で5分というロケーションも決め手のひとつだったが)。

運動会というと血が騒ぐ私としては
市内の大きな公園の一部を借り切って行われる
この運動会をけっこう楽しみにしていた。

娘はというと
まだそれらしい経験をしたことがないこともあり、
「運動会って何をするの?」
と不思議顔。

「みんなでピクニックをして
走ったりかごに球を投げ入れたりするのよ」
と説明しておいた。

こちらではよくあるスタイルの
ポットラック(potluck=持ち寄りパーティ)形式で
一人一品、何かを持参することになっている。

この日ばかりは、とママが腕をふるって
重箱にお弁当を詰めていくスタイルではないが
日本人のママはそれなりに気合いを入れるはず。

、、、が実際、並んでいる食事を見ると
明らかにケータリングの焼きそばや
冷凍の餃子などもたくさんあり、
「日本人ママでない家庭や、日系2世以上の家庭も多そうだな」
と、失礼ながら思ってしまった。
(これって間違った思い込みだろうか?)

これまでの日本語クラスでは
1st generation(初めてアメリカに永住した世代)の
ママばかりだったが、
実際、ここでは生徒の家庭環境もいろいろのようだ。

でも、運動会そのものはかなり伝統的な日本式。

校長先生のあいさつに始まり、
PTA会長、理事長のあいさつ、
賞品などを提供してくれたスポンサーの紹介、
校歌斉唱(校歌があること自体がすごい!)、
選手宣誓、しかもどれも日英2カ国語で、と
(その上、ラジオ体操まで)
競技が始まるまでが長かった。

うちのダンナには新鮮なことも多かったようで
「え、またあいさつ?」
「校歌まであるの?
アメリカでは校歌なんてせいぜい私立の学校か
大学ぐらいだよ」
と、少しウンザリ気味。

確かに、日本人はセレモニー好きかも。
始業式、終業式、月曜日の朝礼なんて
こちらの学校にはないし、
イベントでも
司会者からせいぜいルールの説明か
スポンサーの紹介があるぐらい。

選手宣誓にいたっては
「あの右手の上げ方はまずいでしょ。
ヒトラーの宣誓みたいじゃん」。

そんなの考えたことなかったけど
やっぱりところ違えば、、、だ。

とはいえ、競技が始まると
みんな夢中になって楽しんでいた。

年齢別の二人三脚、徒競走、
紅白チーム対抗の玉入れ、綱引きなど
おなじみの競技ばかり。

多くの競技には保護者も参加し、
徒競走では転倒するお父さんも続出。
うちのダンナも最後には
「楽しかったね」と言っていた。

終わったあとは
(ずーっと)昔の運動会のときと同じ
爽快感でいっぱいだった。
娘にもこの感じが伝わったかな。

Johnny Appleseed って誰?

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『今週の金曜日は、Johnny Appleseedの
生誕240周年記念日です。
リンゴを使ったアクティビティをしますので
各自、ひとつずつリンゴを持たせてください』
と、担任からのレター。

「Johnny Appleseedっていったい誰なんだ?」
こういうとき、『私は外国人なんだなあ』
と思う。

ダンナに聞いたところ、
「ああ、アメリカ中にリンゴの栽培方法を
広めたと言われている人だよ」

「Appleseed(リンゴの種)なんて
偶然みたいな苗字だけど、本名?」

「、、、なわけないじゃん。
本名はJohn Chapman じゃなかったっけ」

その功績によってニックネームまでついてしまったのだ。

ちょっと調べてみたところ、
『アメリカ開拓時代の有名な農業技師。
ペンシルバニアやオハイオなどを中心に
リンゴの栽培技術を広めたことから
有名になった』という。
http://www.biography.com/people/johnny-appleseed-38103#early-life

意外かもしれないが、
アメリカ人はリンゴをよく食べる。
どちらかというと
日本のリンゴのように大きく立派なものでなく
小さめの少しすっぱいものが
年中出回っていて、
スナックにデザートに、皮ごと丸かじりする。

リンゴの栽培を広めた彼が
アメリカ人に語り継がれるような
有名人になったのも、
そういう意味では分からなくもないか。

で、金曜日。
娘のクラスでは何をしたのだろう?

Johnny Appleseed の伝記を
ビデオで見て、
みんなが持ってきたリンゴを
ちょっとずつ味見をしたという。

そして、どのタイプのリンゴ
(種類としてはGala, Pink lady, Granny Smith, などが主流)
が好きだったか統計を取ったのだとか。
来週、その結果をグラフにするんだって。

味見をしたあとは
プラスチックナイフで
リンゴをみんなで小さくカットし、
アップルソース(アップルジャムのようなもの)を
作るために先生が自宅に持ち帰ったのだそう。

それにしても、Johnny Appleseed だけをテーマに
これだけいろんな切り口で学んだというのには
ちょっと感心。
“Integrated Learning” スタイルを
多く取り入れると
期初に説明があったのはこのことなのだ。

その言葉どおり、
ひとつのテーマを
『社会』や『算数』、さらには『家庭科』的な
側面から掘り下げている。

結論:
Johnny Appleseed は
やっぱり偉大なのだ。

今年はReading Helper のボランティア

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新学期になると
どのクラスも保護者のボランティアの
募集に躍起になる。

アメリカの学校では
保護者のボランティアを想定して
組まれているイベントやカリキュラムが
たくさんあるのだ。
(参照:父兄ボランティア一日目

今年のクラスでも
去年と変わらない役割がほとんどだったが
目新しいものに『Reading Helper』があった。

『毎日、朝の30分間は個人のReading の時間にあてます。
子どもたちと一対一でReading の練習を手伝ってください』
とある。

『Kindergarten の子どもは
まだ”読書” ができるほどの力はないはず。
どんなReading をするんだろう?』
という個人的な興味もあって
この役に手を挙げた。

そして初日の今日。
教室に入ると、担任が説明をしてくれた。

「今日は5人を予定しています。
それぞれレベルに応じたファイルが用意してあるので
一人5分間程度で読めるところまで
声を出して読ませてください。
そうそう、一対一でやるので
気が散らないように廊下でやります」。

廊下には小さなデスクと椅子が二つ用意してある。

最初の二人の課題は
アルファベットだった。

AからZまでの文字が
一ページごとに大文字と小文字で書かれ、
その文字で始まる単語の絵も描いてある。
(写真右側)

それぞれの文字を書き順どおりになぞって
発音させる、それが私の役割。

『そうだよね。
Reading の前にまずアルファベットを覚えなきゃね』。

ところが、この二人、
アルファベットがほとんど分からない。
「ABCの次は何だっけ?」
と聞いても反応がない。

『もしかしてABCの歌を知らない?』

きっとそうなのだ。
この子たちは二人ともヒスパニック。
家庭ではスペイン語を話している子どもたちだ。
確かに、ABCの歌のスペイン語バージョンは聞いたことがない。

「T で始まるこの動物は?」
と、タイガーの絵を見ながら聞いても
「ライオン」
と答える始末。

うちの娘は、大文字と小文字はときどき区別がつかなくなるけど
アルファベットと、その音で始まる単語は
きちんと言える。
去年のTKのおかげだ。

この子たちもこの一年でそうなるかな?
なんとなく責任重大だ。

その次の3人の課題は
『I see you.
You see 2 swings.』
など、少しずつ内容が違うセンテンスが
ずらりと書かれたプリントを
音読すること。
(写真左側)

前の二人と比べると
あまりの差にちょっとびっくり。

sidewalk、playground などの
複雑な単語も読めるので
「すごいね。本読むの好きなの?」
と聞いたら
「お姉ちゃんがKindergarten のとき
読んでたから覚えてるの」
と答えた子もいた。

うちの娘はこんなには読めないだろうなあ、と
今度は少し心配になった。

それにしても、これだけレベルの差がある子どもたちを
一人で教える先生も大変だろう。

これから毎週のReading。
一人一人の子どもたちの成長が見られそうで
楽しみでもある。

Physics Show(物理ショー)

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この週末、あるコミュニティカレッジ
(生涯学習や2年制大学にあたる専門学位を目的とした
教育機関)で行われた
子ども向けPhysics Show(物理ショー)に出かけてきた。

一ヶ月ほど前にこのショーのことを聞いたとき、
迷わずすぐ家族全員分のチケットを買った。

手品を見に行く感覚で楽しめるサイエンスショーなんて
シリコンバレーならでは。
娘がある程度の年齢になったら
こんなショーに行ってみたいとは思っていた。
しかも一人$5(!)なんてタダみたいなもの。

「実験(experiment)をやってくれるよ」
と5歳の娘に言うと、
「爆発とかするのかな」
と心配と期待が入り交じった微妙な反応ながら
何となくそれなりのイメージはついているみたい。

日曜日の朝10時、
珍しく20分ほど前に到着すると
すでに50人ぐらいの人が並んでいる。
みんな小学生ぐらいの子ども連れ。

早く行った甲斐あって
前から3列目に席を取ることができたが
会場のカレッジの講堂はすぐに満席になった。

開始時間を少し過ぎたころ、
白衣を着た男性が2人登場し、
ショーの内容を説明し始めた。

2人はカレッジの物理講師で、演目は
『Inertia(慣性)』、
『Thermal expansion(熱膨張)』など4項目に関する実験。

ボーリングボールを乗せたワゴンを押し、
急に止めてもボールは前に動き続ける様子を
おもしろおかしく実演するところからショーは始まった。

そのあとは、ガリレオでおなじみの振り子の実験。
ひもの長さが同じ振り子なら
大きく揺らしても小さく揺らしても
戻ってくるのにかかる時間が同じことを再確認。

逆に、長さが少しずつ違う振り子を並べて、
それぞれが異なった周期で揺れ
一定の時間を経てまったく同じ位置に戻ってくる様子を
蛍光色のおもりを使って暗がりの中で観察。
レーザーショーを見ているような気分になる。

熱膨張の実験では、
『モノは低温では縮こまり、温度が上がると膨張する』
ということを視覚的に見せるため
膨らんだ風船を液体窒素の入った
煙のあふれるビンに次々と詰め込んでいく。

「もう入らないでしょう」という観客の予測を裏切り、
10個以上の風船が花瓶ほどの大きさのビンにどんどん入っていく。
、、、と思ったら、次々と取り出され、
シワシワに小さくなった風船が
あっという間にもとの大きさにふくれあがる。

子どもたちは、あちこちで歓声を上げながら
次々と披露される実験を楽しく見ている。

そして、最後の実験は、
このショーの人気演目という『釘ベッド』。

簡単に言えば、
『1本の釘の上にヒトが乗っかると、
体重が一点に集中し強い圧力がかかるためにケガをするが、
数百本の釘が打たれたベッドの上に寝転がっても
体重が分散し、圧力がそれほどかからないためにケガをしない』
ということを証明するもの。

文字通りの『釘ベッド』に
講師の一人が寝っ転がっただけでも大歓声なのに、
その理論を強調するため+ちょっとしたサービス精神(?)からか、
男性の上に釘ベッドを上からもかぶせ
さらに、その上に置いたセメントのブロックを
工事用ハンマーで叩き割るという。

理論的には『大丈夫』と分かっていても
やっぱりひやひやする。

見事、ブロックが粉々に叩き割られたところで
ショーは終了。
会場内は大歓声となった。

5歳の娘に物理の論理が理解できたとは思わないが、
物理がおもしろいものだと思うきっかけにはなったかもしれない。

私も幼少期にこんなショーを見てたら
理系に進んだかもしれないな(言い訳)。

実験(演技?)をしたのは
カレッジの講師と生徒たちで
演技については素人のはずだが、
いつもながらアメリカ人の演技力には感心する。
いや、演技というか
地であんな楽しいショーをやってしまうのだ。

大いに楽しんだた私たちは、
年に二回行われるというこのショーの
おなじみさんになってしまいそう。

ちなみに、『釘ベッド』のショーの様子はこちらからご覧あれ!
https://www.youtube.com/watch?v=ipM6BDElPFo

早くも宿題が始まった!

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Back to school night の懇談会でも
言われていたとおり
月曜日、娘は宿題のフォルダーを持って帰ってきた。

フォルダーの表紙には
きれいにカラープリントされた
図形や1から100までの数字の表や
Sight Wordsのリストが載っている。

フォルダーの中には
算数3枚、国語(英語)3枚の
プリントが入っていた。

<算数>
1)丸、三角、四角、長方形のそれぞれを
 指定された色で塗り分けなさい
2)枠の中にあるモノがいくつあるか
 数えて正しい数字を切り抜いて貼りなさい
3)表示された数字の数だけ
 マスの目を塗りなさい

数字を書くだけでなく、
色塗りや切り貼りと組み合わされているのが
Kならではだろう。

この年齢ではFine motor skill といって
細かい手作業などをつかさどる
運動神経をきたえるのも大事だからだ。

<国語(英語)>
1)表示されたアルファベットと同じ音で始まる
 モノに色を塗りなさい
2)大文字で表示された文字の小文字を探して
 それを四角の中に貼りなさい
3)表示されたサイトワード(Sight word)を
 たくさんの単語の中から探して色を塗りなさい

1)と3)はネイティブならではの英語の学習の仕方。
1)も3)も、つづりを覚えさせようとしているわけではない。

1)は音で単語を見分ける作業、
3)は視覚(2〜3文字の組み合わせ)で見分ける作業で、
共にアメリカの英語教育の基礎となっている。

特に、3)のSight Wordsは
『a, the, in, my, and』などの単純なものから
『there, shall, would』などまで
難易度別に分けられたリストがあり
220語が指定されている。
これを小学校低学年ぐらいまでで
一気に覚えてしまうのだ。

これれらは別名『頻出単語』。
子どもたちが接する本に使われている単語全体の
75%をも占めると言われ、
見ただけで瞬時に理解できないと
将来の読解力に支障をきたす。

だから、とにかく何度も見て発音して覚えさせる。

このことを初めて聞いたときは
「ロジック優先のアメリカでも丸暗記するんだ!」
と、妙な感動を覚えたものだが、
動詞や名詞などを一生懸命覚えて
これらの『あまり大事に思えない』単語はそれなりに、
という日本の英語教育との違いもおもしろい。

宿題は毎週月曜日にまとめて出され、
金曜日の朝に全部提出する。

上の学年でもそうだが、
宿題は「明日まで」とか「次の授業まで」ではなく
一週間ぐらいの期間を置いて提出するのが恒例。

Kindergarten は、小学校へあがる準備の学年と
位置づけられているだけあって、
宿題も、内容はともかく
毎日少しずつ自宅学習のクセをつけることが
一番の目的とか。

「お子さんが飽きてしまったり
できなかったら無理強いしないで」
と言われている。

幸い、週末に通っていた日本語クラスで
宿題には慣れていたため、
娘は初日から意気揚々とプリントをこなしている。

これからどんな宿題が出るのか、
学年末にはどのぐらいのレベルになっているのか、
個人的にも興味津々の私である。