月別アーカイブ: 2月 2017

お見事。クラスメートの『I will kill you.』発言への学校の対応

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先日、お迎えの車の中で娘がポロっと言った。

「(担任の)先生があんなに怒ったの、初めて見た」。

「どうして怒ったの?誰に?」

「隣の席に座っているY君が、私に
“I will kill you when I turn 10.” って言ったの。
それで先生がY君に怒ったの」。

勢いで、というよりは計画とも取れるこの発言に
冗談ではすまされないかも、と思った私。

ダンナともう一度、何が起こったのか
娘に聞いてみることにした。

「ケンカでもしたの?」

「ううん、何もしてない」

「急にY君がそうやって言ってきたの?」

「机に座って課題をやっていたら
横にY君が立っていてそうやって言った」

「もう一回、なんて言ったか教えて」

「だから(もうあまりその話には触れたくない様子)、
“I will kill you when I turn 10.
Pack up and run as soon as possible.
I can’t wait to turn 10.” って言ったんだってば」。

(10歳になったら殺すぞ。
すぐにでも荷物をまとめて逃げたほうがいいね。
10歳になるのが待ち遠しいよ)。

娘の話によると、
担任の先生はそのあと、厳しくY君をたしなめたようだが
子ども同士の小競り合いにしては
やはりその内容の過激さが気になる。

さっそくダンナが担任にメールを書いた
(クレームはダンナの仕事)。

「Y君の暴言について娘から報告を受けました。
冗談にしても度が過ぎるし、
本気だとしたら学校の安全性に疑問符がつく。
何か対処を考えておられますか?」

すると、担任からすぐに返信が来た。

「私も同感です。
このような暴言は許されることではありません。
Y君には教室で厳しく注意をしましたが、
内容が内容だけに、すでに校長に対応をお願いしてあります。
近日中に校長が当事者二人それぞれに話を聞き、
その内容や事後の対応について報告をしてもらう予定です。
また、Y君の保護者とも面談を行います」。

今年の担任は、保護者からの評判も良く
新学期の面談でもとても良い印象を受けていたが
問題にも毅然と対応してくれている。
しかもスピーディ。さすがだ。

日本では「殺すぞー」なんて
遊びの中でも言ったりするし、
所詮2年生なんだから、という私を尻目に
かなり動揺していたダンナも
これで少し落ち着いたようだった。

その翌々日、校長先生からの電話。

「今日、双方の子供から話を聞きました。
Y君はもちろん、本気でそんなことを言ったわけではなく
かなり反省しているようです。

お嬢さんにそんなことを言った理由は、
課題を終えてしまったお嬢さんが周りの女子たちと話を始めたため
彼は集中できなくてイライラしたようです。

英語が母国語でない彼は
(Y君はヒスパニック系だ)
いつもクラスメートたちがさっさと課題をやってしまうのを見て
歯がゆい思いをしているのだと思います。

また、なぜ10歳になったら、と言ったかについては、
彼が現在、4年生(10歳)の上級生にいじめられているようで
『自分も10歳になったら強くなれる』と
言い聞かせていたフシがあるようなのです。

Y君はお嬢さんに直接、謝りましたし、
『これまでのフレンドシップを台無しにしたくない』と
涙を流していました。

この涙は、私に叱られたという反発の涙ではなく
心から反省した涙だったと私には思えます。

この後、彼のご両親にも
通訳を交えて全ての経緯を伝える予定です」。

たまたま、病気で長期療養中の校長に代わって
来ている代理の校長が対応したのだが、
私たちの不安は一気に消し飛んだ。

いじめが背景にあったことや
本人から反省の気持ちをこれだけうまく引き出したのは
見事というしかない。
いじめについても別途、対応を考えているようだ。

この校長がずっといてくれればいいのに、と思ったぐらいだ(笑)。

アメリカの学校は、いじめや暴言(禁止用語などの使用も含む)には
厳しいと聞いていたが、それは本当だった。

いじめが深刻な問題になっている日本でも
そのぐらいの断固とした対応を
そろそろ始めるべきかもしれない。
芽は小さいうちに積むのがベターだ。

娘の問題は解決したが、一方で
英語を理解しない両親の元で育っている
ヒスパニック系の子ども達への指導の難しさ、という
別の問題も明らかになった。

小さな問題でも見過ごさずに声を上げることが
思いもかけなかった問題に気づき、
対応を考えるきっかけになることもある。

それを悟った出来事だった。

ファミリーにおすすめ!Bear Valley で週末スキー

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去年のお正月に続き、先月、Tahoe Donner
3家族でスキーに行ったばかりだが、
2月最初のこの週末も
4家族で別のスキーリゾートに行こうということになった。

今度は、Bear Valley といい、レイクタホの南にある
こじんまりとしたリゾート。

金曜日、娘の学校が終わる2時半に合わせて
仕事を繰り上げ、そのあと現地に向かった。

初めて訪れる場所のはずだったが、
ドライブしていると
見慣れた風景や地名のサインが目に入った。

「あれ、ここ夏にキャンプに来たところじゃない?」

一緒に来た友人家族とはぐれてしまい
彼女たちを探して行ったり来たりした
あのCalaveras Big Tree State Park 。
スキー場はこのちょっと先だったのだ。

なんだか急に常連になったような気になる。

スキーやキャンプの拠点となるこの街Arnold に
宿泊するレンタルハウスもある。

夕食を済ませてから行こう、とドライブしていると
夏のキャンプの時に気になっていた
地ビールのブルワリーレストランを発見。
カジュアルだが、ビールはもちろん、
巨大なステーキも美味しかった。

夕食を済ませ、レンタルハウスに到着すると、
先に来ていた2家族はもうベッドに入っていた。

彼らはその日、仕事も学校も休んで早朝に出発、
すでに丸一日スキーを楽しんでいたのだ。
お友達と遊ぶのを楽しみにしていた娘だが
お楽しみは翌日までお預けに。

土曜日の朝は、私たちよりも後に到着した家族も含め、
4家族が勢ぞろいで迎えた。
曇り空、午後から雪になるとの予報もあったので
朝食もそこそこに、早めに出かけることにした。

レンタルハウスからスキー場まではさらに車で約30ー40分ぐらい。
途中で友人家族が地元警察の車と(軽く)ぶつかってしまうという
トラブルもあったが、10時半にはリフトに乗ることができた。
(友人家族はもちろん、警察に数時間足止め、大目玉を食らったらしい)

ここも、Tahoe Donner同様、レイクタホなどの人気リゾートと違って
それほど混雑もしていないし、リフトの料金も半額に近い。
リフトでの待ち時間もほとんどなく、思う存分滑ることができる。

家族スキーをするようになってから、
こういう地味なスキー場を発掘することに
喜びを感じている自分にふと気づく。

傾斜の激しいチャレンジングな滑走コースがあるとか
滑走コースのバラエティが多いとか
そんなことは気にしなくなった。

これまでは毎回、娘をスクールに入れてきたが、
今回は、もうリフトにも乗れるようになった娘と
いわば本当の意味での家族スキーを楽しむことに。

リフトの乗り降りに不安を隠せない娘だったが、
斜面の上に立つと怖がる様子もなく
「早く行こうよ」と、さっさと滑り始める。

背が低く、斜面がそれほど急に見えないからだろうか?
体重が軽く、スピードがそれほど出ないからだろうか?

終始ボーゲンのままスルスルと緩いカーブを描きながら
ゆっくり、着実に降りてくる。
まったく転びもしない。

滑走コースは難易度別にGreen Circle(緑のラインと丸印)、
Blue Square(青のラインと四角印)、
Black Diamond(黒のラインとダイヤモンド印)に
分けて記されているが、娘はBlue Squareも難なく制覇。

ダンナと私も途中で数回、止まって娘を待つ以外に
手加減する必要がないぐらいだ。

気を良くした私たちは、
朝食後には自宅に戻るという友人たちの家族を尻目に
翌日の日曜日も丸一日、家族でスキーを満喫していくことにした。

雪が降り始める予報だったが、
終始、曇り空で天候もスキーにはもってこい。

ランチ以外はほぼ休みなしで滑ったため
さすがに最後は足に疲れが出てしまったが
こんなに思い切り滑ったのは何年ぶりだろう、というほど
滑りまくった。

娘が成長したということなのかもしれないが、
家族みんなが同じ土俵で楽しめる
新しいアクティビティがひとつできた。

カリフォルニアと聞いてスキーを想像する人は少ないと思うが、
実は、毎週のように週末スキーに出かけている家族も少なくない。

うちも毎週とは言わないが、
これから連休やバケーションにはスキーが定番になりそうだ。