月別アーカイブ: 6月 2016

長期休暇にやっておかなくてはならないことー健康診断(annual check-up)

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6月16日、長い夏休みが始まった。

学校が休みのうちにやっておかなくてはならないこと、
それは健康診断である。

日本の学校や職場のように
医師が来て全員の健康診断や予防接種をまとめてしてくれるような
気の利いた制度はないから、
自分でかかりつけの医師を訪問して
検診をしてもらうしかない。

しかも、普通、医師の営業時間は朝の8:30ぐらいからで
午後3時ごろには一般診療が終わってしまうところも多いので、
学期中は遅刻か早退をさせないと
健康診断もできないのである。

そんなわけで夏休みの小児科や小児歯科は混雑する。

だから、5月のうちに予約を入れ、
夏休みの初日に検診をしてしまうことにした。

朝イチは歯科検診。

幸い、虫歯は見つからなかったが
「永久歯がきちんと生えてくるスペースを確保するために
矯正を早めに始めた方がいいかもしれません」
と言われた。

アメリカでは13歳以下で60%、
ティーンエイジャーになると80%が
矯正をしているとも言われるが、
娘もその一人になりそうだ。

余談だが、この数字はアメリカ人がどれほど歯並びを気にするかをよく表している。

有名人になると矯正どころかインプラント
(自分の歯を抜いて人工の歯に入れ替えること)をしている人がほとんどだ。
みんな、不自然なぐらいに真っ白な歯が一糸の乱れもなく並んでいるのに
いつも違和感を感じるのは私だけだろうか?

八重歯が可愛い、なんていう日本人の嗜好や
明石家さんまの絶大な人気はアメリカ人には到底、理解できないだろう。

話がそれたが、ご褒美のガチャガチャのおもちゃや
歯磨き粉や歯ブラシのサンプルをもらってご機嫌の娘を連れて
午後には小児科へ。

身長や体重を計った後、
ナースが聴力検査や視力検査もしてくれた。

視力だが、日本とはそのスコアの表し方が全く異なるので
家に帰って調べなくてはならなかったが、
娘は片側が20/40 で
そのうち眼科にも行った方がいいかもしれないと言われた。

20/20 が基準らしく、20/40 ということは
『普通の人が40フィート先から見えるものが20フィートの距離からしか見えない』
ということだ。

20/40 といえば運転免許の視力の合格ラインだから
だいたい0.7 ぐらいと考えれば良いのだろう。

ダンナも私も視力は人さまに誇れるようなものではないので
仕方がないといえば仕方がない。

歯の矯正や眼科への通院も時間の問題のようだが、
とりあえずは一年に一回の検診が無事に終わってホッ。

この後は、心おきなく夏休みを満喫できるぞ!

End of the Year Party での「Most xxx Award(もっとも xxx だったで賞)」の授与

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夏休みまであと2日となった14日、
娘のクラスでEnd of the Year Party が行われた。

パーティといっても
Kindergarten やTK のときとは違って
子どもたちの歌やプレゼンテーションなどの出し物はなく
親としては少しがっかり。

Kindergarten(子どもの誕生日によってはその前の一年間のTK)は
『小学校の最初の一年』であり、
パフォーマンスなどで子どもたちの成長を見せることで
保護者からの信頼や安心感を得るというのが目的なのだろう。
一年生以上になると、もうそんな必要もないというわけか。。。。

パーティは、担任からの保護者への感謝状授与から始まった。

クラスの保護者を代表して
イベントの準備や備品の手配など
担任のアシスタント的な役割をするRoom Parent、
研修を受けてクラスで美術を教えるというボランティアプログラムArt in Action を受け持つママ、
コンピュータクラスのヘルプママ、
クラスに割り当てられた小さな畑で植物の世話を指導するガーデンママ、
宿題のコピー、日々の算数やリーディングの指導の手伝いをするママなど
定期的に担任をサポートしてきたママたちにギフトが用意されていた。

私も、毎週月曜日に一桁の足し算の暗唱や
家庭で英語を使わない子どもたちの英語の本読みの練習を手伝ってきたので、
クラスの子どもたちのサイン入りの鍋つかみと
担任の感謝の言葉が書かれたカード(写真)をいただいた。

実は、その前の週にも
ボランティアに参加した父兄たちに感謝を表す
教師主催の『ボランティア保護者のためのお茶会』というのが催され
軽食と飲み物でその労をねぎらってもらっていた。

学校の価値やその教育の質は
ボランティアの協力のレベルによって決まるとよく言われるが、
だからこそ学校側も感謝の気持ちを表すことを忘れない。

子どもたちも、何枚もの鍋つかみにサインをしながら
ボランティアのありがたさと感謝の気持ちを表すことの大切さを学ぶのだろう。

受け取ったママたちもみんな笑顔だ。

続いて、クラス全員への賞状授与が始まった。

『xx(君)はベストアスリートでした』

『xx(ちゃん)は誰よりも本読みが大好きでした』

『xx(君)はこの一年間で一番成長しました』

など、それぞれの子どもたちの
得意分野やがんばった項目を担任が読み上げ、一人一人に賞状(写真)を渡す。

娘は、
『クラスで一番みんなを笑わせました』
という賞だった。

家でもおふざけが過ぎることがよくあるが、
学校でも三枚目なのね。
賞をもらえたのだから、授業の邪魔にはなってないのだろうけど。

あとで、「どんなことして笑わせたの?」と聞いても
「別に何もしてないよ」としらばっくれている。

厳しさが足りないという保護者もいたが、
私はこうやって子どもの良いところを伸ばしてくれようとする
娘の担任の先生に感謝している。

そのあと、フルーツやクッキーのおやつ(もちろん、保護者の持ち込み)が振る舞われ
パーティは終了。

パーティとしてはあっけなかったが、
あと一日で娘も一年生を卒業するのだなあ、と
毎年のことながらちょっと感慨深い一日でもあった。

アメリカ人のカルシウム源は?(骨の健康についてお勉強)

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その日、娘は帰りの車の中で
得意げにこんな話を始めた。

「ママ、カルシウムって知ってる?
健康な骨を育てるにはカルシウムが必要なんだよ」。

「うん、知ってるよ。学校で習ったの?」

「ううん、アフタースクールで。
水泳バッグももらったよ」。

「え?誰かが来てその話をしたの?」

「うん、バックパックの中にプリントと
水泳バッグが入ってるよ。
私、これで水泳バッグが3つになっちゃった!」

そのプリントと水泳バッグには
アメリカン・ボーン・ヘルスという団体名が書かれていた。
どうやら骨の健康について教育をする非営利団体の人たちが
アフタースクールを訪れ、子どもたちに骨の話をしたらしい。

なぜ学校ではなく、アフタースクールで行われたのかは分からないが、
カルシウムを多く含む食物をしっかり覚えていて
食事のたびに
「これはカルシウム入ってる?」
と聞く娘を見るに、効果はそれなりにあったようだ。

配られたプリントの中には
カルシウムを含む食物のリスト(写真)が載っていたが、
これを見てすぐに気がついたのは
『小魚』とか『海藻』とかがまったくランクインしていないこと。

日本人ならカルシウム源といえば
すぐに『牛乳』か『小魚』を思い浮かべるが、
『牛乳』はともかく、『小魚』なんてものはアメリカのスーパーには売られていない。
日系のスーパーだけが頼りだ。

しらすをご飯にかけて食べたり、
小魚の入ったあられの小袋なんかをおやつに食べようものなら
「オエー、気持ち悪いー」
と言われるのがオチ。

アメリカの食文化において魚の影はそれだけ薄いのだ。

サーモンかシーバスのオーブン焼き
(オリーブオイルをかけてオーブンに突っ込むだけ)が
食卓に上がればまだ良い方で、
何の魚かわからないけど、白身の魚をフライにしたものを
フィッシュ&チップスで食べたことがある、というぐらいが
平均的なアメリカ人の子どもの感覚だろう。

サイズを問わず、目玉が残っているお頭付きの魚を
そのまま食べたり食卓に出すなんてことは
残酷で気持ち悪いらしく、もっとあり得ない。

幸い、静岡のおばあちゃん家に帰省した際、
毎日のようにしらすご飯を食べて育っている娘にはその感覚はない。

「あなたは牛乳も毎日飲んでるけど、
しらすのご飯とか小魚のスナックも時々食べるでしょ?
あれ、すごいたくさんカルシウムが入ってるのよ」
と言うと、娘は
「あれ大好き!じゃ、もっといっぱい食べなくちゃ」
と誇らしげだ。

『魚介類』の代わりにたくさんの項目が上がっていたのは
『栄養強化食品(Fortified Foods)』。

『カルシウム添加オレンジジュース』、
『カルシウム添加シリアル』、
『カルシウム添加食パン』などが載っていたが、
サプリメント文化のアメリカらしい、と
こんなところにも文化の違いを見たような気がした。

夜中までかかって仕上げた初めての研究課題、Habitat(=生態系)調査

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数週間前、娘が持って帰ってきたプリントに
『一年生の研究課題、Habitat(=生態系)』と書いてあった。

熱帯雨林、砂漠、ツンドラ、海、などの異なる生態系の中から
自分が割り当てられた生態系について
どのような生き物や植物が生息しているかを
ビジュアルな成果物にまとめてくるようにとのことだった。

ビジュアルな成果物?

そこにはちゃんと例も書かれていて
ジオラマ、ポスター、粘土を使った工作など
要は文章でのプレゼンではなく
視覚にうったえる展示物に仕上げてくるようにということらしい。

提出期限は3週間後。
夏休みの自由研究を学期中にやるようなものだ。

アメリカの学校では算数や英語の問題を解くような宿題だけでなく
理科(Science)や社会(Social Study)のプロジェクト的な宿題、
しかも、親のサポートが必要な規模のものが多いと聞いてはいたが、
これがまさしくそれだ。

娘は海の生態系を割り当てられていた。
「サメとかサンゴを自分で作りたい」というので
ジオラマ(生物やその周辺環境を小さな縮尺で立体的に表現したもの、博物館でよく見る)
にすることにした。

もちろん、リサーチも必須。
1週間後には作成物の内容の決定、
2週間後にはその生態系に生息する生き物や植物のリストも
提出しなくてはならない。

春休みに行ったMonterey Bay Aquarium のウェブサイトが
役に立った。
海の中にある異なったHabitat(Deep sea, Open water, Coral reef, Rocky shoreなど)と
そこに生息する代表的な生き物について詳しく書かれている。

このリストを提出するまでは良かったが、
そこからのジオラマ作成が大変だった。

オンラインショッピングで送られてきた
大きめの靴の箱のサイズの段ボールがあったので
それを土台にすることにした。

その上に、異なる色のフェルトでDeep sea, Open water, Coral reef, Rocky shoreの地層を表現し、
そこに住む生き物や植物は
考えつく限りの家にある材料を使って作ることに。

モール(英語ではパイプクリーナー)は
サンゴ礁やカニやイカの足を作るのに重宝したし、
クラゲやイカはてるてる坊主の要領でティッシュペーパーを使って作った。

あちこちから娘が拾い集めていた丸い石のコレクションも
岩場やサンゴ礁をリアルに見せるのに役立った。

ここまでは娘が頑張っていたが
そこで時間&エネルギー切れ。

地層や生息物を底面に固定したり上からヒモでぶら下げたり、
宛先ラベルに書き込んだそれぞれのHabitat や生き物の名前を貼り付けたりするのは
娘が寝た後の私の仕事となった。

ダンナが手伝っていたのでそれまで私はほとんど関わっていなかったが、
やってみるとつい(昔を思い出して?)夢中になってしまうもの。

深夜までかかってようやくジオラマが完成した。

手作り感満載だが、カラフルだし
イカやクラゲが揺れるのも雰囲気があっていい。

「(私も?)なかなかやるじゃん」と、
完成した海の生態系ジオラマをしばらく眺めてから
私もベッドに入った。

提出日にクラスへ持って行くと、
模型のような既成の材料や人形を使った作品がたくさん。

どうも、ダンナがフェルト布を買いに行った時に店で見たという
ジオラマセットを使ったものらしい。
動物たちも、Habitat ごとにセットで売られていたというから
きっとHabitat プロジェクトは
アメリカ中の一年生がやる課題なのに違いない。

見た目はきれいだけど
そんなセットを使うなんて何となくつまらない。
工作が目的じゃないから、それでもいいんだろうけど。。。

その日、娘が
「(娘がクラスで一番賢いと認める)xx 君がね、
私のジオラマが一番クールだって言ってたよ」
と言って帰ってきた。

やった。
深夜までかかって手作りした甲斐があった。

歩いて走ってFundraising、日曜日のWalk-a-Jog イベント

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年度末に隔年で行われているFundraising(PTAの資金集め)イベント、
Walk-a-Jog が行われた。

アメリカの学校のPTAのもっとも大きな役割は
Fundraising と言っても過言ではない。

毎年、新学期の初日にはPTAから寄付金募集の用紙が配られ
数百ドルから数千ドルの寄付をするよう強く依頼される。

州の予算の削減のおかげで削られがちな音楽や美術などの授業や
学校図書の充実、生徒が利用するコンピュータの購入などは
PTAが調達するお金に頼らざるを得ないのが現実なので
任意ではあるが、まずどこの家庭もいくらかは払っているだろう。

それに加えて、年中、工夫を凝らした
大小さまざまなFundraising イベントが行われている。

例えば、
・特定の日に特定のレストランで食事をすると飲食代のx %が学校へ寄付される
・毎週特定の日のランチの時間にスムージーの販売が行われ、売り上げのx %が学校へ寄付される
・父兄が自慢の料理を持ち寄りその腕を競う料理の鉄人イベント。テイスティング料$70-90はすべて寄付
などだ。

Walk-a-Jog もそのイベントの一つだが、
その仕組みはこうだ。

ガン撲滅のマラソンのように
生徒がそのイベント(学校の運動場のトラックを30分間歩く、または走る)への参加を表明し、
それに賛同してくれた人から寄付を集めるというもの。

本来は近所の人、親戚などに声をかけて
寄付を集めるものらしいが、
自分の子供がウオーキングイベントに参加するからといって
お金をもらいにはなかなか行けない。

せいぜい、おじいちゃん、おばあちゃんにちょっと出してもらうか
親が自腹で寄付をしているのが現実だ。

だから、そのイベントのことは知っていたが
実は、参加するつもりはあまりなかった。

だが、イベントが近づいていきたある日、
娘が聞いてきた。

「ママ、Walk-a-Jog 申し込んだ?」

「え、まだだけど、出たいの?」

「一番たくさんの参加者がいたクラスは
ピザパーティのごほうびがあるんだって。
うちのクラスもそれを目指してるから申し込まなきゃダメだよ」

「でも、歩かなきゃいけないの知ってるの?」

「知ってるよ。お友達と一緒に歩くことにしたから。
しかも、申し込んだらタダでTシャツとトートバッグがもらえるんだよ。
一番たくさん歩いた人にはiPad の賞品もあるんだって!」

「まあ、寄付金を払うことになってるからタダじゃないんだけどねえ、、、」

「とにかく、もうすぐ締め切りだから申し込んでよ、ママ!」

敵もさるもの。
Tシャツだのピザパーティだの、子どもを味方につける術を心得ている。
とりあえず$20を払って申し込んだ。

当日の日曜日、学校へ行ってみると
イベントはかなり盛況だった。

学年別に子どもたちが一斉にトラックを歩いたり走ったりするのだが
みんな意外と真面目にやっている。
ゆるいマラソン大会のような感じだ。

娘も、トラックを33周まわったと言ってかなり本気でiPad を期待していた。

結局、iPad にもピザパーティにも届かなかったが
娘はケロッとしている。
週末にたくさんの友達と会えただけで楽しかったのだろう。
週末に持て余し気味なエネルギーの発散にもちょうどよかった。

『寄付』と聞いただけでつい
「また?」と辟易とすることもあるが、
これだけ規模の大きなイベントとなると
企画・運営をするPTA役員もそれなりに大変だろう。

そういう人たちのおかげで
学校やコミュニティがうまく回っていくんだなと
改めて感じた週末でもあった。