月別アーカイブ: 10月 2017

今年のハロウィーンは手作りコスチュームに挑戦!

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またハロウィーンが近づいてきた。

娘は、今年は”Super Hero High” という
テレビ漫画のキャラクター”Harley Quinn(写真上)”
にするという。

“Super Hero High” とは、
スーパーウーマンやワンダーウーマン、
バットガール(バットマンの女子版)などの
スーパーパワーを持つ女子高生が通う学校を舞台にした
コメディ番組なのだが、その中で
いたずらばかりしているハチャメチャなキャラクターが
“Harley Quinn(ハーレクイン)” だ。

なぜスーパーガールなどのスーパーヒーローではなく
“Harley Quinn” なのか?

“Harley Quinn” といえば、
バットマンの映画に登場するジョーカーの
右腕として描かれているいわゆる『悪者(Villain)』
がモデルだ。

そういえばお友達のSちゃんも
“Corpse Bride” になる予定だという。

“Corpse Bride” は、ゾンビとなって蘇ってきた花嫁と
死の国で結婚する羽目になってしまった
花婿のストーリーを描いた映画で、
その花嫁は白い花嫁衣装を着たミイラのような出で立ちだ。

正義の味方は卒業、悪者がカッコいい、という
少し斜に構えた年齢になったのだろうか。

振り返ってみると、
物心つく前の3歳ぐらいまでは
ひよこやてんとう虫など、罪のない衣装を親が選んでいたが、
幼稚園に通い始めてからしばらくはプリンセス一色だった。

小学校に入るとスーパーヒーロー時代が続いたが、
3年生の今年は悪者(Villain)だ。

毎年、何になりたいと言うのか楽しみでもあるが、
特定のキャラクターを指定されると
困るのが衣装の調達だ。

人気のキャラクターは、$25ー$50ぐらいで
コスチュームが売られているが
中途半端なキャラクターはサイズも考慮すると
そう簡単には見つからない。

“Harley Quinn” も、オンラインでは売られているようだったが
ハロウィーン当日に着るだけのコスチュームなのに、と
決めかねていると、娘が
「ママと一緒に作りたい」と言い出した。

毎年、手作りのコスチュームを着てくる子もいれば
一ヶ月ぐらい前から家族ぐるみで
小物も含めた大掛かりな舞台セットのような作品を
作り上げる家庭も珍しくないので、
その選択肢も唐突ではないのだが。。。

オンラインでそのコスチュームをよくよく見てみると
確かに作れないことはなさそうだ。
赤白と白黒のチェックの布を買ってきて
縫い合わせ、ジーンズの短パンを合わせれば出来上がりだ。

「分かった。じゃあ、今日、布を買っておくからね」
と約束し、昼間に手芸ショップに出かけた。

だが、残念ながら、マッチするチェックの布は見つからなかった。
やっぱりオンラインか???

考えながら店中を歩き回っていると、
赤と黒のフェルト布が目に入った。

赤と黒のダイヤモンド型をたくさん切り取って
手持ちの白いポロシャツに縫い付ければ何とかなるかもしれない、と
計画変更、さっそく赤と黒のフェルトを2枚ずつ買ってきた(写真下)。

ダイヤモンド型をシャツに縫い付けるだけなら
娘にも教えられそうだし、手芸のいい練習にもなる。

ハロウィーンまであと数日。
親子手芸プロジェクトでまた忙しくなりそうだ。

どんなものに仕上がるか乞うご期待!

涙から笑顔の水泳競技会

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今年の一月の初参加から
娘はほぼ月一ペースで水泳競技会に参加してきたが、
9月16日は、2ヶ月の夏休みが開けて初めての大会だった。

もう何度目かの参加で少し気を抜いたのがよくなかった。

集合時間に15分ほど遅れて会場入り。
通常、ウォームアップが1時間ほど取られているため
少し遅れても大丈夫、とゆっくり出かけたのだが
チェックインの時にいきなりこう言われた。

「出場45分前までにチェックインしなければ
棄権とみなされます。
午後の第一種目にサインアップされていますが
この種目はたった今、受付を締め切ったところです」。

しまった、、、。

そんなルールがあるとは初耳だった。
でも、遅れたのは事実。
ここで揉めても仕方ない。
気持ちを切り替えて残りの2種目に集中させようと
娘を促して会場に入った。

その途端、娘が大声で泣き始めた。

「ごめんね、ちょっとのんびりし過ぎちゃったね」
と、平謝りの私。

競技会前の緊張と恐怖心を自分なりにコントロールして
やっと気持ちの準備を整えた娘に申し訳ない気持ちでいっぱいだったが
どうしようもない。

そうこうしているうちに第一種目が始まった。

娘が棄権させられた100m個人メドレーかと思いきや、
チーム対抗100mリレーが始まった。

それを見たダンナは
「100mリレーが先にあるんだったら
45分前までのチェックインに間に合ってるじゃん。
これは主催者側のミスだ。掛け合ってくる」
と、憤慨して受付の方に消えていった。

言ったもん勝ち、がモットーのダンナには
「そんなことでことを荒立てなくても」と
面倒くさく思うことも多いが、
今回は祈るような気持ちでその姿を見送った。

しばらくして帰って来たダンナは
「100m個人メドレー、出れることになったぞ。
スタート台に行って並んでおいで」
と、娘の背中を押した。

100mリレーはアメリカ水泳連盟の正式競技でないため
(一人25m x 4人では距離が短すぎる)
当日の正式種目リストから除外されていたらしく、
そのために次の100m個人メドレーが
第一種目として扱われていたらしいのだ。

娘は満面の笑みを浮かべて小走りにスタート台に向かった。

100m個人メドレーを泳ぎ切っただけでも
よく考えたらすごいのだが
(私はバタフライができないので参加すらできない)、
今回は、参加させてもらえただけで本当にありがたかった。

そして、言ったもん勝ち、のダンナにも大いに感謝した。

ホッとしていると、そこへ
次の種目に出る予定の娘の仲良しSちゃんが
泣きながらスタート台の方から戻って来た。

「やっぱり出たくない」。

実は、Sちゃんにとっては今日が初めての競技会。
家を出る時も「行きたくない」とかなり泣いたらしい。

いつもはちょっぴり態度の大きいSちゃんなのだが
やっぱりうちの娘と変わらない臆病な面もあるのね、
などと変に安心しながら
私もSちゃんのママと一緒に元気付けようとしたが、
Sちゃんは「いやだ。帰りたい」の一点張り。

「じゃあ、コーチのところに行っておいで。
コーチが一緒にどうするか考えてくれるよ」。

ここは信頼の厚いコーチに任せるしかない、と
ちょうどレースから戻って来た娘に付き添わせ、
コーチのもとに送り出した。

さっきはレースに出れないと大泣きした娘も
少し先輩顔でSちゃんの手を引っ張って行った。

いよいよSちゃんのレースの番だ。

「1コースのSさん、いませんか?
至急、スタート台に来てください」
と放送が流れる。

やっぱり無理か、と思った時、
Sちゃんがコーチと一緒にスタート台に現れた。

すぐにスタートの電子音が鳴り、
Sちゃんもみんなと一緒にプールに飛び込んだ。

よかった!

どんな話をしたか知らないが、やっぱりさすがコーチだ。

娘も、毎回、すべての種目の前と後に
コーチの元に行って指示を仰いだり
結果を報告をしたりしている。

記録が目的ではなく、
正しいフォームで心身の成長に伴った
無理のない泳ぎを身につけさせることが大事だと
いつも言っているコーチだが、
それが特に低学年の子どもたちからの信頼に
結びついているのかもしれない。

記録だけを目標にスパルタで特訓する
鬼コーチとは違うのだ、と
子どもながらに感じるのだろう。

思いもよらずたくさんの涙が流れた競技会だったが、
最後にはみんな笑顔で会場を後にした。

思い出に残る競技会になったなあ。。

ドタバタ秘話:学校をあげてのソーラー・エクリプス(皆既日食)鑑賞会

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8月21日の月曜日、アメリカで
皆既日食現象が見られる、というのは
知り合いの天体オタク(!)から聞いて知っていたが、
カリフォルニアでは部分日食しか見られないこともあり
私たちには縁のないイベントだと思っていた。

ところが。。。

新学期が始まって3日後の金曜日、
校長からの緊急メールで
日食観察が学校をあげてのイベントに
なっていることを知った。

「保護者の皆さんへ。
月曜日に日食を観察すべく
鑑賞用のメガネを全校生徒分発注していましたが、
業者のミスにより
品物が発送されていないことが発覚しました。
残念ですが、月曜日の鑑賞会は
教室でのライブ中継鑑賞に変更となります。
なお、個人で所有しているメガネを持参した生徒には
外での鑑賞を許可しますが、そうでない生徒については
安全性の観点(裸眼で鑑賞すると危険)から
その時間帯に校外に出ることは原則として禁止します」。

学校がそんな準備をしてくれていたことも知らなかったが、
見ることができないとなると
見たくなるのが人間の心理というもの。

その観賞用メガネとやらを購入するべく、
オンラインで業者探しにかかった。

が。。。

『観賞用メガネは売り切れです』という表示ばかりで
メガネの購入は絶望的。

こんなに大騒ぎになるんだったら
先回りして購入しておけばよかった、と反省しきり。

そこへ奇跡が起こった。

家族ぐるみで仲良くしているA ちゃんたちと
その週末もハイキングに出かけた。
日食の話をすると、

「うち、家族の人数分、メガネ買ってあるのよ。
ダンナも会社を休んで一緒に見ることにしてたから。
でも、ないんだったら一つあげるわ」。
あっさりとそのママが言う。

え、そんなに簡単に、いいの?
友達とはいえ、その懐の深さに大感謝。
もう日食は見れないと諦めていた娘も大喜び。

厚紙でできたフレームに
銀色の遮光フィルムを貼っただけの
3Dメガネを思い出させるような安っぽいメガネなのだが、
まるで当たりの宝くじ券のように思えるぐらいありがたかった。

こうして月曜日、娘は、その貴重なメガネを持って
意気揚々と学校へ向かった。

帰ってきた娘に聞くと
「私は自分のメガネで見たけど、
他の子たちもメガネを貸してもらって見れたんだよ。
最初に教室で練習して(写真上)、そのあと、
クラスごとに順番に外に出て見たの(写真下)」と言う。

後日、PTA の副会長をやっている
仲良しのママに聞くと、
「金曜日、メガネが届かないことを知った校長が
市内の小中学校に電話をかけまくって
メガネが余っていないか調べたんだって。
そしたら、xx 中学校で80個余ってるというのが分かって
それを自らもらってきてくれたのよ。
その80個を順番に使いまわして
全校生徒に見せることができたってわけ」。

結局、メガネを持っていかなくても
娘は日食を見ることができたのだろうが、
そんなことよりも
最後まであきらめずにメガネを探し回ってくれた
校長がまた好きになった。

というのもこの校長、前校長が体調を崩して入院していた昨年の冬に
ピンチヒッターとして来ていた女性で、
前校長の退職にあたって今年から正式に着任している。

普通なら校長などとはあまり関わり合いになることもないのだが、
娘がクラスメートの男子に暴言を吐かれた事件がきっかけで
私は彼女のファンになっていたのだ。

その数日後、イベントで顔を合わせた際に
日食鑑賞会の話を持ち出すと、
「あれは、本当にどうなるかと思ったけど
子どもたちに一生ものの体験をさせてあげられて本当に良かった。
クラスごとに外に連れてったり教室に戻らせたり、
そのオペレーションは大変だったけど
これもPTA と保護者ボランティアのおかげ。
この学校はみんな協力的でとってもいい学校ね」
と返ってきた。

あっけらかんと笑う校長を見ながら
私もこの数日間のドタバタを思い出していた。

思いがけなく印象に残る日食イベントになったなあ。

「え?担任が二人?」ー3年生の新学期

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8月15日、新学期が始まった。
娘は3年生になったが、TK(Transitional Kindergarten)、
K(Kindergarten)、1-2年生を終えて
この学校に通うのもなんと5年目になる。

この辺りでは6年生から中学校に行くので
小学校も今年を入れてあと3年。。。
早いものだ。

毎年恒例のクラス発表を
前日に学校に見に行くと
娘のクラスは担任の先生がなんと2人もいる。

2人の先生が担任となっているクラスは
これまでの学年でも何度かあったが
娘がそのクラスになったのは初めてだ。

「うまく業務分担できる相手を自分で見つけられれば
パートタイムで担任を持つことも可能なんだって」
と誰かが言っていたが、
そんな勤務形態も許されるなんて
さすがいろんな働き方が認められているアメリカらしい、と
労働者の立場としては前向きに評価したい一方で、
親の立場からすると
「そんなのでちゃんと担任が務まるの?」
という漠然とした不安もよぎる。

登校初日、娘を送って行くと
先生たちが外に出ていて、その前にクラス別に子どもたちが並んでいる。

始業式も何もないので
ベルが鳴ると子どもたちは先生に引率されて
そのままゾロゾロと教室に入って行き、
保護者たちは手を振りながら見送るだけだ。

相変わらず新学期だからといってなんの特別感もない。
担任の先生の顔は分かったが、素性は分からないままだ。

その日、娘は先生2人からもらったというギフトバッグ(写真)を
持って帰ってきた。

「3年生へようこそ!
たくさんのことを学ぶ一年にしましょうね」
というメッセージの後に、二人の担任の名前が書かれている。

袋の中には、
PTAから全校生徒に毎年配られるスクールTシャツと
先生が用意してくれたと思われる小袋に入ったキャンディが
入っていた。

わざわざこんな演出をしてくれるぐらいだから
とても熱心な先生で、二人の息もあっているのだろう、
と少し安心したが、
二週間後に行われたBack to School Night
(先生と保護者が教室に集まる初めての懇談会)で
それは確信と大きな期待に変わった。

F 先生はなんと今年が教師50周年目の70代の女性。
PCでプレゼンテーションを操りながら
大声で豪快に話す。

「K 先生とのコンビは5年目になりますが
私たちはもう親友といってもいいぐらい。
基本は、毎日交互に担当しますが、
一日2ー3回は電話で連絡を取り合っているので
クラスで起こったことはすべて共有できています。ご心配なく」。

「もう毎日の連絡帳はご覧になりましたか?
毎週月曜日の欄に小さな英語の詩(ポエム)の紙が貼られているのに
気がついてますか?
詩は、いろんなことを学ぶのにとても役立つのです。
Facts fade, songs stay.
(事実を暗記しても忘れちゃうけどは歌は忘れませんからね)」。

「今年は、足し算、引き算、掛け算、割り算を徹底的にやります。
私の主人はスタンフォード大学の物理学の教授ですが
彼がいつも私にこう言っています。
『これが確実に早くできるようにならないと
この先の数学には手も足も出ないぞ』。
私が教師を始めた頃から使っている、この計算カード、
今の時代でもこれがやっぱり活躍するんです
(と言って、四則演算が書かれ、答えの部分に穴が空いている
厚紙でできたボロボロになった計算カードを見せてくれた)。
家でも、どんな方法でもいいので暗算を鍛えてやってください」。

「私はこんな感じで、細かいことは苦手なんですが、
そこはK 先生がいてくれますから大丈夫。
この教室の展示を見てください。素晴らしいでしょ。
彼女、こういうのがとっても上手なんですよ」。

うちの母と同じぐらいの年齢なんだろうけど
比較にならないぐらい元気だ。
(定年退職という概念はアメリカにはそもそもないが)リタイヤもせず
未だに教職を続けているのは
教育に情熱があるからなんだ、と一目でわかる。

そんな先生(たち)が担任なら
2人だって3人だってかまわない。

今年も大船に乗った気分でいられそうだ。
ダンナと二人、よかったね、とうなずき合った。