Graduation パレード

標準

6月17日
新調したレモン柄のプリントの夏らしいドレスを着た娘は
ちょっと大人っぽく見える。

今日が彼女の小学校最後の日、卒業パレードが行われる。

家族3人でデコレーションをした車に乗り込み、
学校へ向かった。

久しぶりの学校の門の周りには
『2020年クラス、卒業おめでとう』
と書かれた垂れ幕や
青い風船で飾り立てられたアーチなどが用意されていて、
マスクをした先生やボランティアたちが
忙しく動き回っている。

パレードは、クラスごとにスタート地点と走行路が異なり、
それぞれのスタート地点に
11時に集合することになっていた。

開始時間の10分前だというのに
のんびりしたカリフォルニア・タイムのせいか
指定場所には私たち以外にまだ1家族しか来ていなかった。

派手に飾り立てた車の外で時間をつぶす私たちを見て
近所の人が
「これ、何の集まりなの?」
と聞いてきた。

「卒業パレードなんです」と言うと、
「おー、それは素敵なアイデアだね。
 外に出て見送ってあげるよ」
と言ってくれた。

そっか、学校の近所とはいえ、
みんながパレードのことを知っているわけじゃないんだ。
当たり前だけど。

などと考えているうちに、ようやく隊列が長くなってきた
(写真上)。

私たちは言われた通りに水性チョークで
車にコメントやイラストを精いっぱい散りばめたのだが、
ほかの車を見ると
車の上にユニコーンの形をした巨大な浮き輪を取り付けたり
「おめでとう」という文字をかたどった風船を浮かばせたり、
みんなそれぞれに工夫をして車に飾り付けをしていた。

さすがパーティー好きな国民だけある。
派手だと思っていたうちの車は
それほど目立たなかった。

娘のクラスはパレードの最後尾のため、
開始まで少し時間があった。

子どもたちは車を降りて、
マスクをしたまま微妙な距離を保ちつつ
久しぶりの再会を喜んでいた。

そして、トランシーバーを持った案内係の
「では出発です!」という合図をもとに
娘のクラスの隊列が移動し始めた。

卒業生は助手席にマスクをつけて乗り、
正門の前で校長先生から卒業証書とアルバム、記念品などを
受け取ることになっている。

娘のキンダーガーテン(1年生の前の学年)からの
担任の先生方が校門近くで
「おめでとう」などと書かれた看板を持って
パレードに手を振っているのが見えた(写真中)。

TK(キンダーガーテンの前の特別クラス)を含めると
7年もこの学校に通ったことになる。

お世話になったなあ。

私も、娘が入学して数年間は、
イベントのヘルプや担任のアシスタントとして
頻繁に教室に出入りしていたので
これが最後かと思うとちょっと寂しい。

スクールカラーのブルーのジャケットを着てマスクをつけた
校長先生が見えた。

窓越しに茶封筒に入った卒業の品を受け取ったら(写真下)
前進して同じくスクールカラーの
青い風船で飾られたアーチをくぐる。

そのあと、学校の周りを一回りしたらパレードは終了だ。

本当ならあちこちで先生やお友達、その保護者たちと
ハグのしっぱなしだったと思われる卒業式だが
そんな感動的な場面もなく
パレードはある意味、淡々と進んだ。

きっと、普通に卒業式をやるよりも
今回のパレードの準備の方が何倍も労力がかかったに違いない、と
思えるぐらいよく準備されていたが、
やっぱり娘は最後まで納得がいかないようで
「なんだ、これだけ?」とふてくされていた。

この不完全燃焼的な気持ちを
どうやって誰にぶつけたらいいのか分からないのだろう。

感傷的にならなくてすんだという意味では
私にとってはありがたかったが、
やっぱり最後にお友達や先生とゆっくり集うこともなく
小学校の思い出が尻切れとんぼのようになってしまったのは
かわいそうだった。

誰のせいでもないのだけど、
全世界で同じ気持ちを味わっている卒業生がいっぱいいるのだろうけど、
早くこの埋め合わせができる日が来ることを祈らずにはいられない。

こうして娘は歴史に残るパンデミックの中、
小学校を卒業した。

このブログのタイトルも〜娘はアメリカの中学生〜に
変える日が近い。。。

コメント大歓迎!

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください