月別アーカイブ: 9月 2020

やるべきなのか、やらなくてもいいのか、それが問題の算数の宿題

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小学校の夏休みは
宿題もゼロ、学校からの連絡もほぼゼロ、
新学期の直前まで
学校のことなんて何も考える必要がなかった。

でも今年は違った。

夏休みに入って1週間後に、
娘の進学する中学校の数学の教師から
いきなりウェルカムメールがきた。

娘は、中学校で数学のアドバンス・クラスに入ることになったのだが
どうもそのクラスの生徒だけがこのメールを受け取ったようだ。

「6年生の数学クラスへようこそ!
8月に会えることを楽しみにしています。
5年生で習ったことを忘れないように
オンラインで復習をしておいてくださいね」
と、リンクが貼られていた。

小学校の間ずっと学校で使っていた
馴染みのラーニングサイトということもあり、
娘は何日かはログインしていたようだが
その後、だんだんと頻度が減っていった。

それから1ヶ月経った7月の後半に、
またメールが来た。

「新学期までもう3週間となりましたね。
これまでに19人がサイトにログインしているようです。
うち、15人は昨日も勉強していましたね。
その調子で頑張ってください」。

そのメールを見て、娘は焦りまくった。

オプションの宿題だと思っていたから
(実際そうなのだが)
やってもやらなくても何てことはないだろう、
とたかをくくっていたのだ。

オプションでも
きちんとやっている人がいる、
見る人は見ている、
という事実を突きつけられ、
やらなかったことを後悔したようだ。

私も、いい意味でびっくりした。

隙があれば楽をしようとする子に
必要最低限以上のことをさせるのは至難の業。
あまり口うるさくするのも
『タイガー・マザー(Tiger Mom)』
(口うるさい教育ママで、アジア系の母親に多いと言われている)
といって嫌われるだけなので
勉強については本人の意志に任せてきた。

そんな私からすれば、
ガミガミ言うことなく
これだけのインパクトを与えられるなんて本当にスゴい。

それから娘は1日20分
(それでも20分だけなのだが)
と決めて、平日は
(それでも平日だけなのだが)
きちんとやっていたようだ。

新学期の直前、またメールが来た。

「50時間以上学習した人にはクリスピー・クリーム・ドーナツと
学校のロゴ入りボトル、
30-50時間の人には学校のロゴ入りボトルが贈られます。
教科書配布の日に取りに来てください」。

娘は、学校のロゴ入りボトルをもらえると
一応、喜んでみせたが
内心、クリスピー・クリーム・ドーナツがもらえなかったことに
ちょっとがっかりしていたようだった。

中学校の洗礼とまでは言わないが、
これまでぬるま湯の中で楽しく過ごしてきただけの
小学校のようにはいかないということを
娘に覚悟させるにはじゅうぶんの出来事だったようだ。

当たり前となったバーチャル・アクティビティ

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夏休みになって、しばらくお休みとなっていた
アクティビティ(習いごと)がオンラインで再開し始めた。

娘のお友達のピアノやボーカルレッスンが
バーチャルになったとは聞いていたが、
そのうち、パソコン画面を通してなんて無理、と思っていた
器械体操やバスケットボールまで
Zoom で練習を再開するという連絡があった。

どこまでできるのかと半信半疑で見ていたら、
器械体操は家の中で筋トレや柔軟、
バスケットボールは家の前のコンクリートスペースで
ドリブルなどの技を磨く練習、と
内容はかなり限られているが、
娘はそれなりに汗だくになって真面目にやっている。

コーチやインストラクターも
一人一人にきちんと指導してくれている。

途中で画面が固まったり、ネット接続が切れるなどのトラブルも時々あり、
娘は半泣きになったこともあったが、
レッスン料は通常の半額ぐらいだし
時間を持て余し、運動不足気味の子どものことを考えたら
とにかくクラスをやってもらえるだけありがたい。

もちろん、コーチやインストラクター側にとっては
長引きそうな気配のパンデミックの間、
なんらかの形でビジネスを継続することは死活問題だ。

こうして、仕事や学校がすべて在宅になったと思ったら
あっという間に習いごとまでバーチャルに移行してしまった。

パンデミックという状況がなければ
バーチャルで器械体操を習うなんて考えられない話だが
慣れてしまえばこんなものか、とも思える。

一部のテック企業などでは
長期的、または半永久的に在宅勤務を認める会社も出始めたが、
きっとバーチャル・アクティビティも
これを機に根付いていくに違いない。

この夏、唯一のイベントLake Tahoe 旅行

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Lake Tahoe(タホ湖)へ家族旅行、などというと
なんて不謹慎な、と思われそうだが、
バケーションなしの夏なんて
考えただけでも憂鬱だ。

背に腹は変えられない、と
7月中旬の週末を含めた4日間で
友達家族とLake Tahoe に行くことに決めた。

3月にShelter in Place が始まってから、
それまではほぼ毎週末のように
一緒にハイキングに行ったりボードゲームをしたりしていた
彼らとも2ヶ月以上、会うのを控えていた。

家族以外の誰にも会えない、
どこにも行けない、という生活に
そろそろ耐えきれなくなっていた私たちは
ソーシャル・バブルに挑戦しようということになった。

お互いの家族以外には誰とも会わないという
コミットメントを前提に
2つの家族が自分の家族のように行き来を再開することで、
子どもがいる家族を中心に
受け入れられつつあるコンセプトだ。

「他の家族とは会っちゃダメよ」という
固い約束をして始めたソーシャル・バブルだったが、
その中で夏休みの旅行計画が持ち上がったのである。

アウトドアなら感染の危険も少なく、
ホテルではなく貸別荘に2家族だけで宿泊、
食事はすべて別荘内で自炊すればバブルも保てる、
と、安全第一で考えた結果、計画実行が決まったのだ。

ベイエリアに住んで9年になるというのに
Lake Tahoe にはスキーのできる冬にしか行ったことがなかった。
初めての夏のLake Tahoe ということも重なって
私も家族もかなり楽しみにしていた。

結論から言うと、行って良かった!

Lake Tahoe は思いのほか混雑していて
ビーチで6フィートの距離を保つのはかなり苦労したし、
ビーチやハイキング・トレイルでマスクをしていない人々には
説教の一言でも言ってやりたいぐらいだったが、
透き通るようなきれいな水の湖でのボート遊びや
その湖を見下ろしながら歩くハイキングコース、
旦那たちがせっせと作ってくれたカクテルやBBQディナーは、
パンデミックという世界的危機の真っ只中にいるという現実を
忘れさせてくれるのには十分過ぎるぐらいだった。

娘と一緒に行った同い年のA ちゃんも、
久々にタブレットでのゲームやYouTube のことなど忘れて
大声をあげて水とたわむれていた。

パンデミック以前は
友達と遊んだりアウトドアで新鮮な空気を吸うなんてことを
特別なことと考えたことはなかったが、
今となってみるとぜいたくなことにすら思える。

一方で、
こんな人混みで、マスクもせずに浮かれ気分でウロウロしている輩がいるから
感染が拡大し続けるんだろう、と
(自分たちのことは棚に上げて)
パンデミックのコントロールの難しさも実感したのだった。