カテゴリー別アーカイブ: K(kindergarten)

“Oh my Gosh! 成績をつけ間違えてゴメンなさい”

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6月11日、Kindergarten 最後の日。

娘は、たくさんのアート作品や
父の日のプレゼントなどと一緒に
恒例の通信簿(レポートカード)を持って帰ってきた。

ざっと見たところ、多くの項目のポイントが
1学期や2学期に比べて上がっている。

『生徒のスキルの進歩が教師の評価基準となる』
らしいため、恣意的な部分もないとは言い切れないが、
1学期にできなかったことが
3学期にかけてできるようになっているというのは
それなりに安心する。

まあ、こんなもんか。
と思った時、4段階で”1”の評価がついている項目を発見。

『100までを10の単位ごとに数えることができる』
というもの。
しかも、前学期は”3”だった。

できないのなら”1”でも仕方ないが、
前にできていたものが今になってできなくなったというのも変。
明らかに記入ミスかとは思ったが
念のため確認してみることに。

「ちょっと100まで10ごとに数えてみて」
と娘に言うと
「10、20、30、、、、100」
と、スラスラと数え上げた。

やっぱり間違いみたい。
でもどうしよう?

まあ、算数(Math)全体の総合評価が
”よくできました(Excellent)”になっているのだから
ひとつひとつの項目に目くじらをたてなくてもいいか、
と思いかけたとき
「担任に問い合わせすべきだよ」
と、ダンナの一声。

やっぱ、そうだよね。

というわけで、その夜、メールを書いた。
『”1”が付いたことそのものを気にしているわけではありませんが、
先ほど家で言わせてみたらきちんと言えたので、
学校で評価をする際になにか気になることなどがあったのなら教えて欲しい』。

担任の間違いだと頭ごなしに指摘するのでもなく、
とにかく成績が上がればよいという教育ママ、というニュアンスでもなく
さりげなくこのような内容のメールを書くのは難しいが、
今回はそこそこの出来だったと思う。

すぐに担任からこんな返事が来た。
『Oh my Gosh! もちろんそれは”4”の間違いです。
訂正した成績表を用意しておくよう事務局に伝えておきます』

あっけなく成績が改訂された。
やっぱり言ってみるものだ。

週明けに訂正された成績表を取りに
学校に立ち寄ったら、事務員がこう言った。

「よく気がついたわね。
担任に問い合わせたのはあっぱれだったと思うわよ」。

どういう意味なのかはよく分からなかったが、
成績表でさえ絶対ではない、
納得がいかないならとことん突き詰めるべき、
ということなのだろう。

一瞬、そのまま引き下がろうと思ったが、
思い切って問い合わせてよかったとつくづく思った。

”1”のついた成績表が一生記録に残るよりは
「最初は”1”がついてたのよ」
と笑える思い出が残る方が
娘にとってもプラスだろうから。

30分ぽっきりのPromotion Ceremony(進級セレモニー)

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登校最終日の前日は、
保護者も招待されてのPromotion Ceremony
(=進級セレモニー)。

これまで暑いぐらいの好天が続いていたのに
この日に限って雨がしとしと降っている。
セレモニーの後は、運動場でピザパーティの予定なのに
どうするのだろう?

8時半になり、保護者がいっせいに各教室へ。
早速セレモニーが始まる。

最初は『Kindergarten 卒業の歌』。
誰が作った歌なのかは分からないが、
YouTube にも投稿されているから
そこそこ歌われているのだろう。

『Kindergarten にさよならをして、1年生に進むときが来ました』
のようなことを歌っている。

もう1曲、歌の披露があった後は
終了証書授与セレモニー。

証書といっても、担任がプリントした
『Kindergarten 卒業おめでとう』のようなことが書かれた紙が
赤い画用紙に貼り付けてある簡易なもの。
一人一人、名前を呼ばれては証書を受け取り、
頭をさげる代わりに先生とハグをする。

そのあとは感謝状授与。
クラスのイベントやアート、コンピューターの授業、リーディングの練習などに
ボランティアとして関わった保護者たちが
次々と名前を呼ばれ、感謝状を贈られた。

私もリーディングヘルプの一人として感謝状をもらった。
クラス写真とその台紙に子どもたちが一人一人名前をサインしたものが
リボンで飾られた額に入っている。

こういうところはさすがだ。
少しは感謝されてるのかな、という気持になる。

と、感慨にふけっていると
「どうも雨が止んでいないようですので、予定していたピザパーティは中止にします。
教室の中で、あとで子どもたちだけでこじんまりと行いますので、
保護者は退出していただいてけっこうです」。

招待状には、けっこう大々的なパーティみたいに書いてあったけど
簡単に中止になっちゃうのね。

めったに雨の降らないカリフォルニアでは
雨天の場合のプランが考えられていないことも多いが、
まさに今日がそのパターン。

うちを含め、パパとママの両方そろって見に来ていた家族もけっこういたのに
なんだか拍子抜けだ。

そんなわけで、30分ほどであっけなく進級式は終了。
Kindergarten もあと一日を残すのみとなった。

Pledge of Allegiance(忠誠の誓い)の宣誓

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毎朝の校内放送(参照:Morning Announcement(朝の校内放送)の晴れ舞台
のしめくくりは
『Pledge of Allegiance(=忠誠の誓い)』だ。
あちこちの教室から、子どもたちが大声で暗唱しているのが
聞こえてくる。

これまであまり注意を払ったことがなかったのだが、
娘の校内放送を機に調べてみた。
全文でも1分弱の短いもので
内容は下記の通りである。

“I pledge allegiance to the flag of the United States of America,
and to the republic for which it stands,
one nation under God, indivisible, with liberty and justice for all.”

(わたしは、アメリカ合衆国の国旗とその国旗が象徴する共和国、
神のもとに統一され、全ての人々に自由と正義が約束された
不可分の国に忠誠を誓います)

多くの子どもたちや先生は、胸に片手を当てて
神妙な顔をしてこの誓いを唱えている。

娘に聞くと、彼女もちゃんとやっているらしい。
(なぜか手は胸に当てていない、と言っていた。)

「その内容、学校で教わったの?」
と聞くと
「全然」。

「じゃあ、どうやって覚えたの?」
と聞くと
「毎日やってるからなんとなく」。

というわけで、ところどころ
間違って覚えている箇所もあるようだが
何も考えずにみんなと一緒にやっているらしい。

日本でもxx式とか運動会とかでは君が代を歌っているから
まあ似たようなものか、とも思ったが、
ダンナはどうも釈然としない様子。

「キリスト教国家じゃないんだから
神のもとに、なんてフレーズをいまどき全校生徒に言わせるなんて
ちょっと時代錯誤だよな。
言いたくなかったら黙って座っててもいいんだよ。
法律上は強制できないはずだからね」。

国への忠誠はともかく、宗教チックな内容が気に入らないらしい。

カトリックの家庭に育ったにも関わらず
今ではすっかりキリスト教に反発しているダンナ。
『神(God=Jesus Christ)』という言葉には特に敏感だ。

私も娘が特定の宗教の影響を受けることには抵抗があるが、
そもそも神をイエス・キリストに結びつけるという
思考自体が身についていないため、それほど気にはならなかった。

無宗教の国、日本で育った私たち日本人には
なかなか理解しにくいのが
こういった宗教がらみの微妙なニュアンスだ。

一方、当の娘は、
「神っていうのは、私たちのことを上から見ていて
守ってくれている目に見えない人のことだよ」
と、かなり健全な理解を示しているようだ。

今のところ、あまり目くじらを立てることもなさそうだ。

Crazy Day(変な格好をしてくる日)

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先週の金曜日はCrazy day。
『変な格好をしてくる日』だった。

変な格好、と言われてもねえ。。。。

娘は、
「どんな格好してもいいんだよ。
パンツを頭にかぶって行ってもいいんだよ」
と、冗談とも本気とも取れないことを言っている。

さすがにそれはお咎めにあうだろうと思っていたら
PTAからのウィークリーメールに
変な格好の例が書かれていた。

『右と左が違うペアの靴や靴下、
上下がミスマッチの洋服、
風変わりなサングラス、
変な髪型、など』

とある。

ちょっと前にダンナが
「ハラジュクの女の子って
今、こんな髪の毛してるらしいよ」
と、頭がカッチン留めだらけの女の子たちの写真を
得意げに見せてくれたことを思い出し、
(本当に流行ってる?)
その日はクレイジーヘアで登校させることにした。

その写真を興味津々で見ていた娘も大賛成。

その朝、まず一度も使ったことのなかった
カラフルなヘアエクステを付けてポニーテールを作り、
ありったけのカッチン留めを
頭じゅうに散りばめて完成。

意外と時間もかからなかった。

意気揚々と登校した娘に
あちこちからすぐに声がかかった。

「xxちゃんの髪の毛、見てー」
「クレイジー」

子どもたちだけでなく
ママたちからもお褒めの言葉。

「あらかわいい!Good job, mom!」
「何時に起きたの?時間かかったでしょ?」
「女の子はいいわねー。男の子はやりがいがないわ」

見回すと、靴や靴下のミスマッチ、
ハート形や星型のサングラス、というのがポピュラーで
カッチン留めだらけのヘアスタイルは見当たらなかった。

たまにはダンナもためになる情報を持ってきてくれるものだ、と感謝。

ちなみにこの企画、どうも生徒会の発案らしい。
私などは、何の目的があってこんなイベントをやるんだろうと
つい考えてしまうが、
もともとどんな格好をしても怒られないアメリカでは
個性を表現するため、なんて目的ではないだろう。

きっと、学校での一日を楽しく過ごすため、
とかなんだろうな。

「私の格好が一番クレイジーだって言われた」
と、うれしそうに帰ってきた娘を見ると
その目的は十分に達成されたようだ。

Morning Announcement(朝の校内放送)の晴れ舞台

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『朝の校内放送の順番が回ってきました。
毎朝5人ずつ、全校生徒へのメッセージを
校内放送で読み上げます。
渡された原稿の内容を言えるように
自宅でも練習してください』
と、担任からのレター。

毎週金曜日の朝、
娘のクラスの子どもたちの
リーディングの練習の手伝いをしていると、
校内放送で子どもたちが入れ替わり立ち替わり
何かをしゃべっているのが聞こえる。

何をしゃべっているのか
きちんと聞いたこともなかったが、
渡された原稿を見て
ようやくその意味が分かった。

娘の原稿はざっとこんな内容だ。
『xxクラスの⚪️⚪️です。
今日は、ライフスキルのひとつ
‘正直であること’について話します。
‘正直である’とは、自分や他人の気持ちに素直であることや
嘘をつかないことを言います』。

『xxクラスの▫️▫️です。
僕は、この間、弟を蹴っ飛ばしたのに
蹴っ飛ばしていないと嘘をつきました。
あとで父親に本当のことを言った時には
怒られましたが、スッとした気持ちになりました。
これが’正直であること’です』
と、実例が続く。

へえ、あの校内放送では
こんな高尚なことをしゃべってたんだ。

娘は毎日おもちゃのマイクを握って
練習していたが、
本番の金曜日がやってきた。

リーディングの練習のために残っていた私は
たまたま娘の放送の様子を見ることができた。

ちなみに、学校には放送室なんて上等なモノはない。
どこでアナウンスをするのかと思ったらなんと事務室。
机ひとつが置かれているだけの小さな校長室も
その横に地味にくっついている。

そこから校長(30代後半ぐらいのさっそうとした女性の校長である)
が出てきて、事務室の電話の受話器を取った。

『おはようございます。
今日のアナウンスメントは
xxクラスの皆さんです』
と、受話器に向かって話し始めると
全校にその声が響き渡った。

立派な校長室や職員室、保健室や放送室まである
日本の学校とは違って、
こんな小さな事務室でコトが済まされているのにも驚きだが
電話機が全校放送の機材というのにも驚いた。

驚いている間もなく、
マイク(受話器)は娘に渡され、
いよいよアナウンスメントが始まった。

『xxクラスの⚪️⚪️です。……』

娘はミスもせず、練習をした原稿を
きちんと読み上げて
次の男の子にマイク(受話器)を渡す。

横で見守っていた校長先生に助けてもらった子もいたが、
5人とも見事にアナウンスメントをやりとげた。

私が小学生だった頃、
放送委員は5〜6年生の生徒にしか
やらせてもらえなかったことを考えると、
短い文章とはいえ
全校生徒に向かって
メッセージを発信できるなんて、
Kindergarten の子どもたちにとっては
とてもエキサイティングな経験だったにちがいない。

終わったあと、教室に向かって
全力で走っていく子どもたちの後ろ姿から
その誇らしい気分が伝わってきた気がした。