12月22日から1月8日まで
2週間ちょっとの冬休み。
どこも行かないのにはちょっと長い。
久しぶりにLAにでも行ってみようということになった。
娘の6歳の誕生日に
ディズニーランドに訪れた際に立ち寄って以来、
3年ぶりだ。
結婚する前から娘が2歳になるまで住んでいたこともあり
友だちもそれなりにいて、
今回は3家族と旧交を温めることができた。
私とダンナとビジネススクール同期のMr.Kは、
LAに行くと声をかけると
『ちょうどよかった。二人目の子どもを紹介したかったんだ』
と即レスが来た。
彼の5歳になる長男L君は養子。
2歳の時に韓国からやってきた。
Mr.K自身が韓国系アメリカ人で養子として育ったことは知っていたから
L君の養子縁組(adoption)自体はそれほど驚くことでもないのだが、
よくある中国やアフリカではなく
韓国からの養子というのには『珍しいな』と思ったことを覚えている。
L君の時には交渉が完結するまでに1年半以上もかかったと言うから
二人目となると正直、びっくりした。
相当なコミットメントだ。
「前回は、彼の健康上の理由とかで時間がかかったけど
今回はスムーズにいって半年ぐらいですんだのよ」
と、同じく韓国系アメリカ人の奥さん。
「で、いつこっちに来たの?」
「3週間前かな」。
え!
Jちゃんというその女の子は一歳半。
人見知りをしない明るい子で、
3週間前に家族になったとは思えないぐらい
友人夫婦にもなついているようだった。
前に会った時には少し気弱な感じだったお兄ちゃんのL君も
今回はうちの娘ともすぐに仲良くなり、一緒に走り回っている。
家族の絆を深めるために
奥さんは仕事を一時的にパートタイムにしてもらっているという。
そんな制度があるぐらい
養子縁組というのはアメリカではよくある話だ。
娘のクラスにも中国からの養子の女の子が一人いるし、
担任の先生も養子が二人いると言っていた。
そんな話を聞くたびに、
実子じゃなくても家族の絆を深めることってできるんだな、と思ってしまうのだが、
Mr.K夫妻とその子どもたちを見ていると
あらためてそれを実感する。
一方で、LA らしいともいえる
フェイクニュース騒ぎに巻き込まれた友人もいた。
同じく同期のMr.M の奥さんから聞かされた話だ。
娘さんのLちゃんの通う小学校には
映画やエンターテイメント系の仕事をしている保護者がたくさんいるらしい。
秋に転校生がやって来たのだが、
その女の子、数週間もしないうちに
新しい学校でいじめられているとママにうったえた。
そのママはなんと、Lady Gaga のヘア・スタイリストをしているらしく
その話はすぐに彼女に伝わった。
いじめ撲滅運動にも熱心なLady Gaga は
ここぞとばかりに自身のフェイスブック(を含むいくつかのソーシャルメディア)に
こんなコメントを掲載。
『xx(実名)小学校のみなさん、
私の友達xx(実名)の娘のxx(実名)ちゃんが
いじめられていると聞き、とても悲しく思っています』と。
5千万人以上のフォロワーがいるLady Gaga だから
そのニュースはあっという間に広まった。
TV局のレポーターたちが学校に殺到、
保護者たちにインタビューを求めたり、
校長先生が教育委員会に呼ばれ
事情を説明させられるなどしたらしい。
しかし。。。
よくよく学校側が事情を調査をしてみると
いじめられていたはずの転校生こそが中心となって少人数のグループを形成、
グループ外の生徒との対立を招くような言動を助長していたことが分かった。
すぐにフェイスブックの記事も取り下げられたが、
いじめをしていたと非難された女子がストレスで登校できなくなるなど
学校や生徒たちは大きなダメージを受けたという。
真実を確かめもせずに、しかも実名入りでメディア投稿するなんて
セレブとしての意識が低すぎ。
これも立派なフェイクニュースの一つだ。
投稿する側も、読む側も、
情報の真偽やインパクトを見極められないと
簡単に騒動に巻き込まれてしまうことを
実感させられるストーリーだった。
こんなたわいもない話をしながら
ほとんど娘の記憶には残っていない懐かしい場所を訪れたり、
Mr.M のお宅でおせち料理をご馳走になったり、
普通の週末と錯覚しそうになるぐらいリラックスした3日間。
勢いで決めた旅行だったが、行ってよかった!