月別アーカイブ: 4月 2016

セントラル・カリフォルニアの魅力を満喫した春休み(Avila Beach ~ Paso Robles)

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セントラル・カリフォルニアの旅
4日目はVentura から折り返して北上、
温泉とワインで知られるPaso Robles へ向かった。
その夜は、各部屋にプライベートジャグジーが付いているという
Paso Robles Inn に泊まることになっていた。

とはいえ、子どもを連れて一日中ワイナリー巡りをするわけにもいかないので
Ventura から西北に約2時間のAvila Beach に立ち寄ることに。

ここも娘が2歳のときに一度来たことがあるが、
今回は、その時には気づかなかった潮溜まりを発見。
海の生物がたくさん見られるかもしれないし、
何より干潮の間は安全なのがいい。

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ビーチ沿いにある小さな街のお店で
おそろいのシャベルを買った娘と友人の娘は
さっそく岩場で何かを見つけて一心に砂をかぶせ始めた。

近づいてみるとイソギンチャク。
しかも、一つや二つではなく、何百といっていいほどの大群が
ところ狭しと岩のくぼみから顔を出している。

水が引いてしまっているので触手を引っ込めているし
図鑑で見るようなピンクや黄色のような鮮やかな色ではなく
どんよりグレーのものばかりで、一瞬、ナマコかと思ってしまった。

娘たちはその口の部分に一生懸命砂をかけているのだ。

なんと残酷な。。。
イソギンチャクが窒息しやしないかと心配もしたが
潮が満ちてきたら全部流されてしまうはず、という回答に一致、
子どもたちのやりたいようにやらせておくことにした。

イソギンチャク以外にムール貝もぎっしりと
岩の表面にへばりついていて、
こんなにたくさんいるとかなりグロテスク。
大好きなムール貝も、しばらくは食べる気になれなさそうだ。

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気がついたらもう夕方。
潮溜まりでは存分に遊んだが、
Paso Robles へはそこからさらに1時間。
今日はワイナリーめぐりには行けそうもない。
ジャグジー付きホテルを堪能することにした。

チェックインの時にダンナが勝手にアップグレードした
ホテルの部屋はスイートで、
ジャグジーのあるバルコニーとベッドルームに加えて
リビングルームが付いていた。

ジャグジーは、よくホテルなどにあるプラスチックの浴槽で
日本でいう温泉というイメージからはかけ離れているが、
お湯を入れてみると
硫黄の匂いも、その少し黄緑がかった水の色も
間違いなく温泉である。

その臭いがダメというアメリカ人が多いのか
臭い消しの入浴剤のようなものが置かれていたのは面白かった。

効能や成分、源泉なども不明だし
プライベートなので温泉らしさには欠けるものの、
温泉というだけでくつろいだ気がするのはやっぱり日本人だ。

その後、Paso Robles の小さなダウンタウンまで散策に出かけた。

一緒にいた友人家族とはこれが最後の夜だったが、
この街にはファミリーで気軽に行けそうなレストランがあまり見当たらない。
ワインカントリーだから、子連れよりもカップルの街ということだろう。

ホテルのスイートにワインとつまみを買い込んで
飲み会形式の気楽なディナーをすることにした。

ダウンタウンではワインのテイスティングルームをたくさん見かける。
各ワイナリーが設けた出張所のようなもので
歩いて回れるほどの小さな街なのに、20軒ほどもあるらしい。

テイスティング料金はだいたい$10〜15が主流だが
おつまみや軽食などと一緒に楽しめ、
ボトルを購入するとテイスティングが無料になるところも多い。

あいにく、どこも6時には閉まってしまうので
私たちは体験できなかったが、
買い出しに立ち寄ったレストラン『Odyssey World Cafe』で
店主おススメの地元ワインを2本購入できた。

ほかにテイクアウトできそうな店を探していたら寿司屋を発見。
入ってみたら韓国人のお兄さんが出てきてちょっと心配だったが、
子どもには必須のカッパ巻をはじめ巻き寿司(ロール)は種類も多く
味もまあまあだった。

子どもたちはカッパ巻と餃子だけで満足。
二人でさっさとベッドに上がり、テレビを見ながらそのうち寝てしまった。

購入したワインは赤も白も同じワイナリーのものだったが、
私たちは全員、上品で味わい深いシャルドネが気に入ってしまった。

明日、このワイナリーに行ってみるのもいいね、などと話しながら
大人4人、水入らずの楽しい飲み会(?)は深夜まで続いた。

次回に続く

セントラル・カリフォルニアの魅力を満喫した春休み(Channel Islands National Park)

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セントラル・カリフォルニアの旅
3日目は、今回の目玉ともいえる
Channel Islands National Park への日帰りクルーズ。

私もセントラル・カリフォルニアの見どころを
インターネットでリサーチするまで
この国立公園の存在を知らなかった。

Ventura からLA にかけての沖合に点在する
8つの小島の総称がChannel Islands。
Ventura から船が出ているのはそのうちの5つ。

どれもホテルやレストランなどの施設がないばかりか
水道・電気もなくゴミの収集のサービスも提供されていないので
飲み物や食べ物はすべて持参、ゴミもすべて持ち帰るのがルールだ。

そんなところでキャンプなんて私には考えられないが
キャンプ場の数だけはたくさんある。
アメリカにはハードコアキャンパーがたくさんいるのだ。

今回は、最も大きく、かつ毎日船が出ている
Santa Cruz Island を訪れた。

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50-70人乗りぐらいの2階建ボートで
午前9時にVentura を出港、1.5時間ほどで到着したが
波に向かって進んでいるからか少し揺れた。

行きのハイライトは
何といってもイルカファミリーとの遭遇だ。
船内放送が入り、船もスピードを落とした。

20-30匹ぐらいのイルカの集団が船の周りを埋め尽くし、
ジャンプをしたり潜水をしたり、いろんな芸当を見せてくれる。

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もしかしたら、と思っていたクジラは見れなかったが
このイルカとの遭遇で船内はかなり盛り上がった。
しかし。。。

なんと子どもたちは二人ともお昼寝。
せっかくのイルカを見逃してしまったのだ!

『こんなの、そう滅多に見れるもんじゃないんだぞ。
まったく親の気持ちも知らないで、とはこのこと』
などと思っているうちに、船はSanta Cruz Island に到着。

ガイドについて1.5時間のハイキングの後、
午後3時までフリータイムとなっている。

真夏のような陽気の中、
子どもたちが最後までハイキングできるか心配だったが
「大きいカメラで写真を撮りたい」というので
旅行には必ず持参するキャノンのデジタル一眼レフを仕方なく持たせたら
グズグズ言っていた娘もすっかりご機嫌。

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今度は、写真撮影に夢中になって
グループから大幅に遅れ気味だったが
ガイドさんもペースを調整しながら最後まできちんと面倒を見てくれた。

ちなみに、こういう時はやっぱりチップをきちんと渡すのがマナー。
ダンナが$20札を渡したら、ガイドさんの表情が和らいだ。

この島々の魅力は、ほとんど人の手が入っていないワイルドな自然と
ここでしか見られないという鳥や動物だ。

私たちも運よく
藪の中に潜むアイランド・フォックスを見ることができたし、
咲き乱れる白や黄色の野生の植物も堪能できた。

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上陸した桟橋に戻るとランチの時間。
昨夜、買い出しに行き、保冷バッグに入れて持参した
サラミとチーズをフランスパンに挟んで即席サンドイッチの出来上がり。
友人家族は、自宅でおにぎりを作って凍らせてきていた。

子どもたちはランチもそこそこに
目の前のビーチへ駆け出した。
子どもって、プールでも海でも
水さえあればどこでもいいのか、と改めて思う。

ビーチは、茶色の泥のような細かい砂と
ゴロゴロした荒削りの石がたくさんで
あまり海水浴向きではないが、子どもたちは気にも留めない。

時間まで存分に水遊びして本土へ戻った。

まさに『何もない』『飾り気のない』無人島だったが
これもカリフォルニアの素顔のひとつなのだ。

夕食は、Ventura 界隈に新しくできて話題になっているという
シーフードレストラン『Lure』で。
アメリカ風レシピだが、日本人の私たちも満足の新鮮なシーフードがたくさん。
中でも、牡蠣の炭火焼は絶品で
「アメリカ人もやればできるじゃん!」と言いながら
アドベンチャーいっぱいの一日を締めくくった。

次回に続く

セントラル・カリフォルニアの魅力を満喫した春休み(Cambria ~ Ventura)

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セントラル・カリフォルニアの旅の2日目、
Cambria での朝はプール遊びから始まった。

これは過去の子連れ旅行体験から学んだことだが、
ホテルは必ずプールのあるところを選ぶこと。
これが鉄則だ。

アクティビティのアイデアに行き詰まった時の
手っ取り早い無料の解決策にもなるし、
観光に飽きた子どもに
「後でプールに連れてってあげるから」と
エサとして使うこともできる。

プールでお友達ができ、親をそっちのけで遊んでくれたりしようものなら
親にとってはその間、子どもから解放されたくつろぎの時間にもなる。

娘も朝から「プールに行こう」と大はしゃぎ。
ダンナが娘を連れてプールに行ってくれている間に
私はゆっくり荷造りや身繕いをすることができた。

その日はCambria にあるMoonstone beach へ出かけた。

野生の草花が咲き乱れる中に木道が整備され、
歩いていると時々、リスやトカゲが目の前を横切ったりする。
いつ行っても海風が強いのがタマニキズだが、
海沿いのお花畑の中を歩いているような感覚に浸れるこの遊歩道は
私のお気に入りだ。

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ビーチに降りてみると
そこにいる人たちが皆、下を向いて
何かを探している。

「このビーチには何かあるんですか?」
と聞くと、
「ここはその名の通りMoonstone という石で有名で
みんなそれを探しているんですよ」。

そう答えてくれた初老の女性は
偶然にも私たちの近所にお住まいで、
石などを使った手作りアクセサリーの教室を開いているという。

それから娘をはじめ私たちは
家族でMoonstone 探しに夢中になった。

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本物のMoonstone はインドやスリランカなどを中心に分布し、
ここにあるCambria Moonstone
成分も色も若干異なるということが後で分かったのだが、
その小指の爪ほどの大きさの薄い半透明のピンクの石は
ところどころ乳白色の模様が入ったようになっていて
ここでしか見つからない貴重な石であることは確かだ。

じゃあ、なぜMoonstone と呼ぶのかは分からないが
そこがまたミステリアスでいい。

娘は、いくつか石を拾っては
さっきの女性にMoonstone かどうか確認してもらうという
念の入れよう。

気がついたらもう2時過ぎ。
紙コップ半分ぐらいMoonstone が集まったところで
次の目的地、Ventura に向かって出発することにした。

高速を飛ばして3時間ちょっと、
スペイン風の街並みが素敵な観光地のSanta Barbara を通過して
さらに南に30分ほど下ったところにあるVentura 。

港町ではあるが観光地とはいえないこの街になぜ?

それは、翌日、Channel Islands という
沖合の島を尋ねるツアーの発着港があるからだ。

チェックインしたホテルでLA の友人家族と無事合流。
感動の再会シーンもそこそこに、
翌日のツアーに備えて早めに部屋に戻った。

次回に続く

知られざるセントラル・カリフォルニアの魅力を満喫した春休み(Santa Cruz ~ San Simeon)

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市内の小学校は3月末から4月頭の二週間、
ちょっと長めの春休みだった。

ダンナの家族のいる東海岸にでも遊びに行こうと思っていたが
娘のいとこたちとはこの時期、春休みではないことが判明。
どうしようかと思っていたところに
友達の二家族から声がかかった。

LA にいる友達家族からは
車で行ける2-3日の旅行先を探していると
行き先のアイデアを聞かれた。

「じゃあ、LA とSF の真ん中あたりで落ち合おうよ」
と、話はすぐにまとまった。

週末、よく家族で時間を一緒に過ごしているA ちゃんのママからも
「二泊三日でモンテレーに行こう」
と誘われ、即決でホテルを予約した。

「よし、全部まとめて行っちゃおう!」
こうして6泊7日のセントラル・カリフォルニアのロードトリップの計画が
出来上がった。

LA とSF があまりにもポピュラーなため
その真ん中、セントラル・カリフォルニアは
海外旅行客には見過ごされることが多いが、
実際は、可愛らしい小さな街やビーチが点在し、
カリフォルニアの魅力が満載。
地元民にはこよなく愛されているエリアなのだ。

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中でも、その海岸線の景色の美しさは息をのむほどで、
自動車メーカーのCMにも実はよく登場しているし
私も、ドライブするたびに感動して写真を撮りまくらずにはいられない。

旅の始まりは、娘のお気に入りの遊園地、
Santa Cruz Boardwalk(サンタクルズ)だ。

ビーチを臨む遊園地といえば
NY のコニーアイランドやLA のサンタモニカなどが有名だが、
サンタクルズは小さい子どもでも遊べる乗り物もたくさんあって
娘のお気に入り。ことあるごとに連れて行けと言われる。

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ほとんど乗り物には乗らない親を含めた人数分の入場券を買わされるのでなく、
カードに課金しておいて、乗り物に乗った分だけ
ポイントが引かれていくというシステムなのもいい。

3時頃まで遊んだら
宿泊予定のCambria まで
いよいよ風光明媚なカリフォルニアの海岸線を下ることに。

海沿いの1号線(またの名をPacific Coast Highway)
をひたすら南下するのだが
その途中には車を停めて記念撮影したくなるような
ビューポイントがたくさんある。

いちいち泊まっていると夕方までに目的地に着けなくなるので
3-5か所に一回ぐらいの割合で車を停めたが、
切り立った崖に打ち付ける荒々しい波や真っ青な海と空、
青々とした草木やこの時期、咲き乱れる黄色やピンクの花が満載の景色は
ため息が出るほどダイナミックで鮮やか。

Cambria に到着する直前のSan Simeon では
ゾウアザラシが見れる。

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3-4月にかけてそこにいるのは
皮膚の生え替わりを待つ若者とメスが中心のようだが、
私たちが訪れた時もものすごい数のゾウアザラシが海岸にたむろしていた。

大きいものになると4-5m、体重も1,500-2,000kg にもなるそうなので
『かわいい』という言葉は似合わないが、
海岸を埋め尽くす数千頭もの巨大アザラシの群れは圧巻だ。

ゾウアザラシを最後に初日のロードトリップは終了。
明日はさらに南下し、Ventura で友達家族と合流する予定だ。

次回に続く

手作り感たっぷり、でもなかなかの出来栄えだったミュージカル(美女と野獣2)

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小さい頃からディズニーとともに育った、
というわけではない私は
実は、最近まで『美女と野獣』のストーリーもよく知らなかった。

が、娘がミュージカルの練習を始めてから、
何度もビデオを見たり娘が口ずさむ歌を聞かされたりするうちに
私まで登場人物の特徴や背景の音楽にすっかり詳しくなってしまった。

その上で実際に見るミュージカルは
別の意味で面白かった。

主役のベルは中国系アメリカ人の5年生が務めた。
練習の時は娘たちが「憧れのベル!」と言ってまとわりつくと
恥ずかしそうにしているらしいが、
舞台では立派にたくさんのソロを歌い切った。

ちなみにその弟は、娘と一緒に村人と狼の役をやっている。

映画の中でのガストンはイケ好かないナルシストだが、
舞台でのガストンは娘が気に入るだけあって(?)かなり爽やかな好青年の4年生。
弟はヒビの入ったティーカップ(チップ)の役だ。

ル・フウはガストンのご機嫌ばかりをうかがうさえない男だが、
この役をやっている2年生は
去年のミュージカルでも目立っていたコミカルな男の子で、将来有望。

野獣の役をやっているのは
娘のクラスメートのお兄ちゃんで、
声も顔も弟とそっくり。
少し自信なさげな感じは野獣とは似ても似つかない。

こう書くと、男の子ばかりが目につくが、
実際は男子の人数は女子の半分ぐらい。
しかもその多くが1-2年生。

やっぱり男の子は少し大きくなると
ミュージカルよりもスポーツがいいのだろう。

そのせいで、娘を含めて男役をやらされる女子も大勢いたらしい。
その女子もやっぱり低学年が大半だ。

打ち上げの時に、ディレクターが
「リハーサル3日目までは、本当に本番ができるか不安だった」
と言うのもよく分かる。

やり遂げた子どもたちもあっぱれだが
それをまとめたディレクターは、さすがプロだ。

プロといえば、ディレクターだけでなく
美術・音響担当者も専門家がちゃんといたのにはびっくり。
衣装や舞台背景もそれなりにきちんとしたものだった。

一人当たり$100の参加費でどうやりくりするのかと
ずっと不思議に思っていたが、
本番を迎えてようやくそのカラクリが明らかになった。

大きいのは何と言っても興行収入だろう。
チケットは$7。
250名収容できるという会場は、3日間とも満席だった。

会場で販売するスナック菓子や出演者への花束などは
参加者(役者)の保護者から寄付を募っていたから、原価ゼロ。

会場は、昨年まで娘の小学校の校長だった女性が
今年から校長を務めている中学校の体育館だったから
きっと無料で借りられたのだろう
(ちなみにその校長の1年生の息子も村人と狼)。

もちろん、チケットやスナック菓子の販売も
参加者の親たちがボランティアでやっている。

本番を迎え、急に親も巻き込まれることになったが
普段からファンドレイジング(資金集め)活動やボランティアが
当たり前の文化だけあって、みんな慣れたものだ。

最終日の舞台の後には打ち上げも行われたが、
それも娘が学童に通っているレクリエーションセンターが会場。
ドリンクや立食形式の食事やデザートも
もちろんすべて保護者の手作りか寄付。

真面目な顔で観客席の私たちには目もくれずに演技をしている
娘の晴れの舞台を観客席から眺めて
親バカ気分を満喫できただけでなく、
娘の学校やそのコミュニティに
また少し愛着が湧いてきたような気がした。