月別アーカイブ: 5月 2016

豊富なメニュー、出費も$$$のサマーキャンプ

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夏休みまであと1ヶ月を切った。
この時期になると、ママ同士の会話はもっぱら
「夏休みはどうするの?どのキャンプに行かせるの?」だ。

夏休みなどの長期休暇になると
アートやスポーツ、サイエンスなどのいわば習い事の教室が
こぞって一日数時間〜一週間〜単位の
夏休み特別コースを用意する。

普段、なかなか習わせる時間のないアクティビティを
夏に集中してやらせてしまおう、という目的もあるが、
夏休み中のチャイルドケアとしてもキャンプの存在は欠かせない。

州によっては、一定の年齢に達しない子どもを
保護者なしで家にいさせることは違法というところもあり、
(実は、カリフォルニアではその規定は適応されていない)
共働きの家庭は、夏休み中も誰かに子どもを預けなくてはならない。

手っ取り早いのが、このあちこちで提供されている
サマーキャンプの中から時間や場所、費用などが都合にあっているものを
選ぶことだが、これだけメニューが豊富にあると
その中からいくつかを選ぶのもひと仕事だ。

そして、あれこれ見ているうちに
つい『どうせなら付加価値の高いものを』と考えてしまうのも
当然の成り行き。

子どもたちによるスタートアップ
ゲームプログラミング
コンピューターテクノロジー
ロボットデザイン
などシリコンバレーらしいコースも目白押しで
正直、ちょっと過熱気味にも思える。

対象年齢が6歳〜などと書かれていると、
ついうちの子にもプログラミングなどやらせてみようか、
などと思ってしまうのだが
そういったコースは費用の方もプラスαで
だいたい一日2〜3時間で一週間$200〜ぐらい。

早朝および夕方のケア料金を加えるとその倍ぐらいになってしまう。
しかも夏休みは8週間と長い。

うちはまだ7歳だし、本人が興味を示している
ミュージカルキャンプに入れたいと思っているのだが、
申し込んだ時にはときすでに遅く、
未だにキャンセル待ち。

ちなみに、こちらは9時から3時までの三週間で$715。
時間が少し短いこともあって
他のコースより手頃に感じるが、それでも一週間で2万円を超える感覚。

毎年、日本への帰省から戻った後に1〜2週間だけ通わせている
娘のアフタースクール主催のキャンプは
朝7時から夕方6時までで一週間$320。

こちらは、特別フォーカスしたアクティビティはなく
いわゆる学童のようにアートをしたり外で遊んだり、
週一で遠足に行ったりする『お遊び』的なキャンプで、
本来、これがもっとも子供らしい夏休みの過ごし方だとは思うのだが
こちらも去年は$300以下だったから10%ほど値上がりしている。

どこかに行っても、家に残っても、
お金がかかるというのがアメリカの夏休みの現実だ。

というわけで、夏休みのプランニングは
ママの腕の見せ所なのだが、
「(去年の日本での小学校体験のせいで)もう日本へのプチ留学はしたくない」
という娘のおかげで
恒例の日本帰国を含め、うちの夏休み計画はまだ未定。

今年はさらに実力が試されそうだ。

Tikki Tikki Tembo(英語版じゅげむ)の寸劇発表会

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『Tikki Tikki Tembo の劇の発表会を行います。
保護者もぜひ鑑賞にいらしてください』
というレターを数週間前に娘が持って帰った。

どうも、クラスで何らかの劇を練習しているらしい。

娘に劇の内容や娘のやる役のことを聞いてみたが、
「Tikki Tikki Tembo っていう男の子の話で、
私はナレーター13をやる」
ということぐらいしか聞けなかった。

ストーリーは当日のお楽しみだから、と言うし、
ナレーターの役も、13と番号が付いているからには
数なくとも13人がナレーターを代わり番こにやるのだろうが
詳細はわからない。

ナレーターの衣装は赤いTシャツと黒いパンツ。
自前で用意するように、これも数日前に連絡が来た。

火曜日の朝、学校へ行く車の中で何やらモソモソ言ってはいたが
家で練習をしたわけでもなかったので
まあ、大した発表会ではないのだろうと思いながらも
その午後、発表会の場である学校の講堂へ向かった。

学校には体育館がないので
イベントにはこの講堂がよく使われるのだが、
それも全校生徒を収容できるような代物ではなく
イベントはいつもクラスごと、学年ごと、などに分けて行われるのが常だ。

この日も、発表をするのは娘のクラスだけ。
観客は低学年の2クラスぐらいだったのだろうか、
40-50人の小さな子どもたちが
15cmほど高くなっているステージの真ん前に座っていた。

その後ろに保護者用の折りたたみ椅子が20個ほど置いてある。

平日の午後だから、仕事をしている保護者は来れない人も多いのだが
それでも仕事を半日休んで来ている親や
祖父母を連れてきている人もいて、
24人のクラスにしてはたくさんの家族が見にきていたようだった。

劇が始まった。

主役のTikki Tikki Tembo とその弟、母親を含めた6人以外は
みんなナレーター&掛け声役で、
役を持つ6人も、ほとんどがナレーターが読み上げるセリフを
そのまま繰り返すといったものだった。

そこではじめて理解したストーリーはこんなものだ。

『昔、中国にTikki Tikki Tembo-no Sa Rembo-chari Bari Ruchi-pip Peri Pembo
という長い名前の男の子がいた。
ある日、その子が、弟と遊んでいて井戸に落ちてしまったが
名前が長すぎて弟がそのことを母親に迅速に伝えることができず
Tikki Tikki Tembo は大変な目にあった。
それからというもの、中国では名前を短くするというのが習わしになった』。

なんだ、これ、日本の『じゅげむ』の中国版の英語版じゃん。

家に帰ってその話をしたら、娘もダンナも
じゅげむ(寿限無、寿限無 五劫の擦り切れ
海砂利水魚の水行末 雲来末 風来末
食う寝る処に住む処
藪ら柑子の藪柑子
パイポパイポ パイポのシューリンガン
シューリンガンのグーリンダイ
グーリンダイのポンポコピーのポンポコナーの長久命の長助)
のTikki Tikki Tembo どころではない名前の長さに驚いていた。

それにしても、アメリカの学校の発表会というのは
いつもとてもカジュアル。

日本の学習発表会や合唱祭、ひいては運動会などのように
数ヶ月間、放課後まで使って猛練習し、
ほとんど完璧を極めてから披露するという
学校のアクティビティは皆無だ。

娘が課外活動として参加したミュージカル
『Beauty and the Beast』はそれに近い気合の入れようだったが、
それもあくまでも課外活動。
希望者がレッスン料を払って参加するものだから、
学校で行うイベントとは異なる。

だから、学校からの案内もカジュアルだし、
クラス全員の保護者が発表を見に来るという盛り上がりもまずない。
申し訳ないが、(日本のそれに比べると)成果物もそれなりだ。

セリフを間違う子もいるし、
音響も、タイミングやボリュームがうまく調節できないことがしょっちゅう。

私からしてみればかなり物足りないのだが、
『音楽や芸術、演劇などはそもそも情操教育なのだから
完璧にやることが目的ではなく
子どもたちがそれに触れて楽しめる機会があればそれでよい』
というスタンスなのだろう。

そこまで気合を入れてイベントの指導をできる環境がない、というのもある。
安全のため、放課後は即下校しなくてはならないし、
教師の仕事内容や時間も厳密に決められているからだ。

どちらがよい、ということではないのだが、
運動会や学習発表会を見に行くたびに
自分が小中学生だった頃の昔をちょっと懐かしく思い出すのである。

BAD TOOTH FAIRY だったら。。。

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娘の六本目の歯が抜けた。
お友達のお誕生会でケーキを食べている時にポロっと。

なくさないように大事に家に持ち帰ったのはいいが、
事件は夕食の時に起こった。

食卓の上に、とりあえずナプキンを敷いて置いておいたその歯を
あろうことかダンナが食べてしまったのだ!

なぜそんなことが?

その経緯についてはナゾのままなのでここでの追求は避けるが、
ダンナが食事中に
「痛っ!なんだこの硬いものは!」
と言って、砂のかたまりのようなその白いものを吐き出した。

その手元にはさっき抜けた歯を置いておいたナプキン。
私は直感で、それが娘の歯であることが分かった。

「それ、さっき抜けた歯じゃない?」

「なんでそんなものがここにあるの?」

「だって、私が置いておいたから」。

「それがどうやって僕の口に?
それにしても、これ、歯にしては小さすぎるよね?
あ、半分に割れてる!」

それを聞いて、娘が急に声をあげて泣き始めた。

「歯が半分しかなかったら、Tooth Fairy が来てくれないよ」。

そう。アメリカでは子どもの歯が抜けるたびに
それを枕元に置いて寝るとTooth Fairy が来て
お小遣いを置いってくれるという言い伝えがある。

半分だけじゃ、お小遣いをもらえないと娘は思ったのだろう。

「大丈夫よ。半分でも置いておけばちゃんと来てくれるよ」。

「もしうちに来るTooth Fairy がBad Fairy (意地悪な妖精)だったら?」

「そんなことないって。きっといい妖精だって」。

「でも私、これまでにも歯をなくしたり
Tooth Fairy にあげないで取っておいたりしてるから
もう怒って来てくれないかもしれない」。

確かに、最初の歯は自分で宝石箱に入れて取っておいてあるし、
そのあと二本も抜けた歯をなくしている。
これじゃあ、Tooth Fairy もあきれてるかもしれない。

「じゃあ、ちゃんとお手紙に書いておこうね。
ママが事情を説明してあげるから」。

そう説得したら少し安心したようで
さっそくTooth Fairy への手紙を書き始めた。

「Tooth Fairy さん、歯を半分なくしてしまいました」。

その夜、娘がその手紙を枕の下に敷いて寝てしまうと
私はいつものように$1札を持ってきて手紙とすり替えておいた。

翌朝、ニヤニヤしながら娘が起きてきた。
$1札を目の前にかざしてヒラヒラさせている。

「ほうら、来てくれたじゃない。
うちのTooth Fairy はやっぱり優しいのよ」。

Tooth Fairy がコレクションしている娘の歯の三本目は、
そういうわけでちっちゃな半分サイズなのである。

セントラル・カリフォルニアの旅の最後はやっぱりハイキング(Point Lobos ~ Carmel ~ Pescadero Beach)

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セントラル・カリフォルニアの旅
いよいよ最終日の7日目。

前日の夜からずっと雨の予報だったが
ホテルをチェクアウトする時には雨は上がっていた。
どんより曇ってはいたが
そのまま帰るのももったいないので
車で20分ほどのPoint Lobos (State Natural Reserve) まで
行ってみようということになった。

着いてみると、荒削りの岩が波間から顔を出す
日本海の海岸を思わせるような光景が目の前にあった。
空も少し明るくなったように見える。

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「これはハイキングしないで帰る手はないでしょ」
と、海を臨むハイキングコースを行ってみることにした。

高低もそれほどなく比較的平坦なコースだから
子どもたちでも問題なく歩ける。

海が見えるたびにその迫力のある景色に歓声を上げ、
「これがカリフォルニアに住む醍醐味だよね」
と、改めてその贅沢さに感じ入った。

春はアザラシの繁殖期らしく、
入江の上から、生まれたばかりの赤ちゃんアザラシと
浅瀬で遊ぶ親子も見ることができた。

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ハイキングの後は、
「どうしてもカーメルの素敵なレストランに行きたい」
という友人の希望で、カーメルに立ち寄ることに。

おしゃれなショップやレストランの立ち並ぶダウンタウンと
リッチなカップルのリタイアメント・コミュニティで有名なカーメルは
Point Lobos とモンテレーのちょうど真ん中ぐらいにある。

彼女が目をつけていたフレンチレストランPatisserie Boissiere
優雅に食事を楽しむ落ち着いた年齢層のカップルでいっぱいだったが、
昼過ぎだったこともあり、15分ほどでテーブルが空いた。

コキーユ(貝殻の器に入ったグラタン)や
ブリオッシュのサンドイッチなど、
アメリカ化されていない本物のフレンチの味に魅了されて
自家製のケーキまでデザートにたのんでしまった。

これでいよいよ長い旅も終わり。

途中、休憩に立ち寄ったPescadero Beach(これでいくつのビーチに行ったんだろう?)は
もううちから日帰り圏内。

石のコレクションにまた夢中になっている娘たちをよそに
私はこのロードトリップを振り返って
ほっこりとした気持ちになっていた。

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もう九年も住んでいるのにまだまだ未知の魅力がいっぱいのカリフォルニア。
一緒に旅行しても気疲れすることのない友人たち。

そんな場所や人に囲まれた私たち家族は幸せだよね。

セントラル・カリフォルニアの魅力を満喫した春休み(Monterey)

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セントラル・カリフォルニアの旅
最終目的地のモントレーは、
17マイルドライブやペブルビーチのゴルフ場などでも有名な街。

5日目の夜にチェックインしたのはPortola Hotel & Spa
フィッシャーマンズワーフのすぐそば、ダウンタウンも目の前という
好立地の大型ホテルだ。

夜の8時になるというのに、Aちゃんの家族が到着すると
娘は大はしゃぎで「プールに行きたい」と言い始めた。
一日中、彼女と会えるのを楽しみにしていたんだからしょうがないか。

少しだけプールで遊ばせた後、ベッドに直行。

翌6日目。
モントレーといえば、巨大な水族館が有名。
子連れ旅行なら、ここを訪れない家族はいないと言っていいぐらいだ。
私たちも例にもれず、Monterey Bay Aquariumで一日を過ごすことにしていた。

ホテルからは2km弱と思われたが、
ビーチ沿いの遊歩道をのんびり散策するのもいいね、と
歩いて行くことにした。

期待通り、マリーナの船の間をぬって泳ぐラッコや
岩の上に寝そべっているアザラシを発見したり、
遊歩道沿いに植えられている色とりどりの花に見とれたりしているうちに
無事、水族館に到着。

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春休みのキャンプなのか学校の遠足なのか分からないが
水族館は小学生〜中学生ぐらいの子どもたちで混雑していた。
平日だから空いていると思ったのは間違いだった。

大きなクジラやイルカの曲芸などは見られないし
珍しい魚がいるというわけでもないのだが、
テラスに出ればその下には海が広がるという立地や
きれいにライトアップされた水槽などが人気の秘密なのだろう。

目玉は、2フロアを突き抜ける高さの巨大水槽で、
ゆらゆら揺れる巨大昆布、マンボウやサメ、ウミガメなどが悠々と泳ぎ周り迫力満点。

個人的にはイカ・タコのコーナーで見た
絶滅したと勘違いしていたオウムガイ(絶滅したのはアンモナイト)や
cuttlefish(甲イカ)、神秘的なクラゲたちが印象的だった。

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一緒に水族館に来た思い出にラッコのぬいぐるみを買いたいと
Aちゃんと娘が言い張るので、館内のお土産店でぬいぐるみを購入。
その後、観光名所のCannery Row のショップをのぞいたりビーチで遊んだりしながら
ゆっくりとホテルへ戻った。

夕食は、昨日まで一緒にいた友人がすすめてくれたシーフードレストラン
Monterey’s fish house” で。

電話をしたら「空いてます」というので
予約をせずに行ったらなんと45分待ち。
友人がすかさず「すぐに通してくれたらチップをあげるわよ」と言うと
「じゃ、10分で」と受付係。

こんな切り返しトークができる友人はすごい、と改めて思う。
いつも辛口トークの彼女だが、金にモノを言わせるのも上手なのだ。

テーブルに通してもらうと、彼女は受付係にそっと$20を渡していた。

モダンでもきれいでもない佇まいの店だが
混んでいるだけあって、料理は美味しかった。

Ventura で食べた牡蠣のグリルが忘れられず、ここでもまたオーダー。
生牡蠣はちょっと、という友人夫妻もどうやら気に入ったようだ。
ホタテのグリル・クリームソースや
仔蛸のグリルなどシーフード好きの私にはこたえられないメニューもたくさんある。

仔蛸が出てきた時に、Aちゃんが突然泣き出すというアクシデントがあった。
「タコは海の生物の中でも頭の良い生き物なのよ。
それを食べるなんてヒドイ」と言うのだ。

タコでもイカでも、その内臓でも
時にはもっと頭の良いイルカでも食べてしまう
日本人の私たちには理解しがたい発想だが、
日本の食習慣に馴染みのない人たちには
日本人は「ヒドイ」人種と映るのだろう。

Aちゃん家族はタコには手を出さなかった。

確かに、さっき水族館で見たばかりの生き物を食べちゃうなんて、
子どもにとってはショックだったかもね。

でも、人間は食物連鎖の一番上にいるんだから、仕方ない。
そういう意味では人間ってヒドイのだ。

次回に続く