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6年生のプレイデートはBobaを片手にショッピング

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娘が中学生(6年生)になって変わったことの一つに
友達とのプレイデートがある。
 
小学生の頃は、遊びたい友達がいると
保護者同士が連絡を取り、
車でどちらかの家に送り迎えをするのが普通だったが、
中学生になった途端、遊び場所はショッピングモールに変わった。
 
送り迎えはもちろん親なのだが、
待ち合わせ場所で友達の顔を見ると
「もう帰っていいよ」と、親は邪魔者扱い。
 
そう言われても気になって
こっそりと子どもたちの後をそっとつける親もいる。
(うちも初回は後をつけたが、いつまでもやってられないと卒業)
 
モールでは、まず流行りのBoba Tea(タピオカティー)の店に直行、
ドリンクを片手にウィンドウショッピングをする。
 
そろそろ化粧品にも興味がわく年頃。
色とりどり、さまざまな香りのデオドラントやローション、ミストなど
日々のボディケア、フェイシャルケアに欠かせない
グッズが手頃な価格で手に入る必見ショップ。
 
アクセサリーは日本にも上陸しているClaire’s で。
 
ファッションは
Tween(9-12歳のティーン直前の世代)になると
HollisterHot TpicH&Mなどの
ちょっと大人っぽいスタイルを追いかけ始め、
キャラクター入り、リボンなどのついた明るい色のアイテムには
見向きもしなくなる。
 
それらがすべてそろった車で5分のショッピングモールに
友達と1〜2週間に一回ほど出かけては
10-30ドルぐらいの買い物をして帰ってくるのが
いつしか定番となった。
これをきっかけに
娘は、これまでは貯める一方だった月々5ドルのお小遣いで
ショッピングをするということを覚えた。
 
サングラスやTシャツ、ショルダーバッグなどの
戦利品を持ち帰っては
「これ、セールだったんだよ」と自慢げだ。
 
似たようなデザインのもの持ってるでしょ、
と言いたくなることもあるが
そこはじっと我慢だ。
 
後悔するような買い物をしてしまっても
それも勉強だし、
「xxちゃんは60ドルも使ったんだよ」
などと言うのを聞くと、
一応、それなりに考えてはいるみたいだからだ。
娘にとって
親はタクシーと銀行代わりでしかなくなってしまったように
思えることもしょっちゅうだが、
これも成長の大事な過程なんだと
自分に言い聞かせる日が続いている。
 
 
 
 
 
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1年遅れの思春期トーク(Puberty Talk)~2~

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思春期トークは1日1時間、6日間のカリキュラム。

1−2時間でざっと体の変化についてカバーしただけの

私が中学生の頃(かなり前のことだが。。。)の日本の授業に比べたら

かなり充実している。

 

毎回、特定のテーマについて親と会話をするという宿題も出た。

 

「(私たちは)いつ頃から思春期に入ったの?

その時、何がどんなふうに変わった?」

「自分の性の志向についていつ頃目覚めた?」

「子どもを授かるには自然妊娠以外にも人工授精や養子という方法があるけど

それについてはどう思う?」

など、かなり直球。

 

私は、娘が小さい頃から一緒にお風呂に入ったりしていたし

毎月の周期のことなども早くから教えていた。

 

ダンナも、保守的なカトリックの家庭に育ち

そのあたりの会話はタブーとされていたことに違和感があったらしく

オープンな会話ができる家庭にしたいと考えていたので、

うちでは普段から

男女の体の部分についてのジョークや

LGBT、私たちの昔の彼女や彼氏のことなどについての会話が

よく飛び交っている。

 

だから、ダンナも私も、トークの機会を

手ぐすね引いて待っていたのだが、

ただ今、思春期真っ只中の娘は

そんな話を面と向かって親とするなんてありえない、

と思っているようで、

私が毎回、興味津々に

「今日はどんな話だった?」

と聞くのに対しても

「ママ、なんでそんなに聞きたがるの?変だよ」

と、すっかり引いている様子。

 

この宿題についても

「もうじゅうぶんだよ」

と、早々に切り上げる。

 

それでも、クラスでは

感情の起伏(Mood Swing)や体毛(Body Hair)、体臭(Body Odor)、吹き出物(Pimples)

など、娘が今、一番気になっていることについても

ふれてくれたようだから、

『悩んでいるのは私だけじゃない』

と、ほっとするきっかけにはなったのではないかと思う。

 

敬虔なカトリックのママ友の一人は、

「こんな内容はまだうちの子には早いと思うんだけど」

と、授業に出させるかどうか迷っているようだったが、

友達や怪しいサイトからの間違った情報を真に受けたり

ノリで取り返しのつかないようなことに手を出してしまったりするよりは、

事前に正しい情報を頭に入れておいてもらった方がずっといい。

 

Distance Learning が始まってはや1年が過ぎ、

それまでは自分のタブレットなんて持っていなかった娘も

今ではすっかりYouTube やTikTok がメインのエンターテインメント。

 

残念ながら、想像していたよりかなり早く

頭でっかちなTween となってしまったから、

本質に戻るという意味でも

このカリキュラムの実施はありがたかった。

 

ちなみにこのトーク、7年生、8年生になっても継続するようで

トピックも避妊、タバコやVaping、ドラッグなどかなり過激。

 

アメリカではほとんどの女性が当たり前に使っている

経口避妊薬(ピル)をいつから始めさせるか、

という悩ましい問題についても

そろそろ真面目に考えなくてはならない。

 

思春期トークは、

移民である親の私にとっても

アメリカで娘を育てるという現実について

あらためて思い出すきっかけとなったことは確かだ。

 

1年遅れの思春期トーク(Puberty Talk)

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5年生の終わりに実施予定だった
思春期トーク(いわゆる性教育)。

コロナで在宅授業になってしまったため、
市内の学校すべてでこのカリキュラムが
延期になってしまっていた。

娘は、「気持ち悪いし、やらなくてすんでよかった!」
と喜んでいたが
学校でやってくれるならそれに越したことはない、
と思っていた私は
「いつになったらやってくれるんだろう」と
ずっと気になっていた。

12月になって、教育委員会からようやくメールが届いた。

『来学期に、在宅学習用にアレンジした思春期トークを実施します。
サイエンス授業の一環として行い、
7−8年生向けのティーントーク(Teen Talk)を念頭において
以下の内容をカバーします。

・思春期と心身の変化
・心身の健康の維持
・ボディ・イメージについて
・性の同一性
・同意について
・受精と妊娠
・AIDS/ HIV

カリキュラムの概要はこちら』
と、パワーポイント(写真)のリンクまでついていた。

プレゼンテーションは
イラストや写真を多用した300ページほどの
かなりボリュームのある内容で、
ディスカッション項目や
ケーススタディなどを取り入れ
かなりていねいに作り込まれている。

思春期と心身の変化や妊娠などに関する
サイエンス的な情報については予想した通りだったが、
『性の同一性』や『同意について』は
リベラルなこのエリアならではだろうな、と
ちょっと感心した。

性の同一性とは
あちこちでさかんに語られている
自分がどちらの性に属するか、という
アイデンティティの問題で、
同性愛のことについてまで広くカバーされている。

日本で性同一性障害などと
何かその人に問題があるように語られているのに比べると
かなり許容性があるといえるだろう。

(注:アメリカでも保守的な信条を持つ人や
そのような人の多いエリアでは、この限りではない)

娘も、小学校の頃から
「xx 君は、男の子が好きなんだって」とか
「○○ 君はね、女の子といつも一緒に遊んでて
しゃべり方も女の子みたいだし、マニキュアもよくしてる」とか
当たり前のように話していた。

私たちも
「あ、そうなんだ。そういうことは恥ずかしいことではないし
隠さずに言えることっていいことだよね」と
大げさなリアクションはしないように気をつけている。

テレビ番組やオンライン・コンテンツにも
そのようなキャラクターが頻繁に登場するようになった昨今、
少なくとも娘は、授業を受ける前からある程度の理解はあったようだ。

アメリカらしいな、と思ったのは
『同意について』だ。

これは、ハグなど相手の体に触れたり
相手との物理的な距離感(立ち位置)の保ち方について
相手の同意(Consent)を求めるように促す内容。

もちろん、近い将来に直面する
交際相手との関係を見据えてのことで、
相手に自分の意思をはっきり伝えることと
それを尊重することの重要さを強調している。

私が見ていても思うが、
アメリカの子どもは心身ともに成長が早い。

遺伝とか食習慣とか、理由はいろいろ語られているが、
12歳ともなると私より体格のいい女の子がザラにいる。

精神面でも、
自己責任において自由に行動させることを推奨するカルチャーとあわさって
男女交際の始まる時期は早く
その付き合い方も大人顔負けだ。

あまり考えたくはないものの、
無知なままそんな世界に飛び込ませるよりは
ある程度の知識と常識は持たせておくに越したことはない。

そういうわけで
対面授業が再開される前に
思春期トークがやっと実施されると聞き、
ほっとしたのだった。

(次回に続く)

Maltipoo(マルプー)がやってきた日は人生で最高の日

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ついに、うちにもペットがやってきた。
生後8週間のMaltipoo(マルプー)だ。

数年前から娘は犬が欲しくて
誕生日にもクリスマスにも
プレゼントの希望は犬だった。

でも、どうせ私が世話をすることになるんだし、と
ペットの話になるたび
私はのらりくらりとかわしてきた。

なのだが。。。

先週の金曜日、ダンナが
「この犬、どうかな?」
と、持ってきた
ペット売買のサイトに載っていたマルプーの写真(右)を見ると
さすがの私も
「かわいい。。。。」
と、目が釘付けになった。

娘も、この微妙なモカ色のくりくりの目をしたこの子は
絶対に彼女のものだといって聞かず、
あれよあれよという間に
その子の里親になる話がまとまり、
日曜日の受け渡しが決まってしまった。

それでも私は、引き取りに行く車の中で
「落ち着きのない子だったり、吠えまくったりしたら断れるよね」
などと、まだ100%納得していたわけではなかった。

そして、なぜか指定されたファストフードの駐車場で
ブリーダーに連れられてきた子犬と対面。

体調は20センチぐらいだろうか。
最近までお母さんのミルクを飲んでいたというその子は
かわいらしいその黒目がちな大きな目とは対象的に
少しおどおどした感じで、よく見ると小さく震えていた。

一目で私たちはその子のとりこになり、
「いざとなったら断れるよね」
なんていう考えもどこかに吹っ飛んでしまった。

それどころか、
「私たちが可愛がってあげなくちゃ」
という気持ちがむくむくと湧いてきた。

ブリーダーも
「この色のマルプーは人気で
あなたたちの後にも4人から問い合わせがあったんですよ。
ラッキーでしたね」と言っていたが、
そう言われると
ますますこの出会いは何か運命的なものだったような気がしてくる。

娘は、写真を見たときから
名前は『ピーナツ』、『モカ』、『ラテ』のどれかにすると決めていたが、
サイズも色も『ピーナツ』がピッタリ。
全員一致で『ピーナツ』に決まった。

ちなみに、『ピーナツ』は、
お腹の中にいる赤ちゃんや
小さい子どもの愛称としても使われていて、
その意味でもこの子にはピッタリの名前だ。

娘は、帰りの車の中で『ピーナツ』を抱っこしながら
「今日は、私の人生で最高の日!」
と、涙を流さんばかりに喜んでいた。

学校に通えなくなってはや一年。
お友達と自由に会うのもままならず
一人っ子でケンカをする相手もいない娘には
きっと『ピーナツ』が癒しになってくれるだろう。

こうして、我が家に新しいメンバーが加わった。

号外ポスト:大統領選挙で真のアメリカを見た!(2)

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先の記事を書いた翌日の7日、
ようやくバイデンの勝利がアナウンスされた。

その日の確定数字は覚えていないが、
今日11日現在の獲得選挙人数は右図の通りだ。

バイデン:290
トランプ:217

ちなみに、先に書いたような事情で、
開票率はまだ100%に達していないが
結果がひっくり返ることはないと推測されている。

この数字について簡単に触れておくと、
これは選挙人という、12月14日に最終的に大統領を選ぶ投票に参加する代理人の数で
週ごとに決まった数が割り当てられている。

実は、この仕組みがまた少し曲者で、
その割当がなんとも不公平なのである。

代表的な州の人口と選挙人の割当人数を見てみると、

・カリフォルニア:人口3950万人、割当選挙人55人
・オハイオ:人口1170万人、割当選挙人18人
・インディアナ:人口673万人、割当選挙人11人
・ミズーリ:人口614万人、割当選挙人10人
・サウスカロライナ:人口515万人、割当選挙人9人
・ケンタッキー:人口447万人、割当選挙人8人
となる。

カリフォルニアはバイデンの所属する民主党、
オハイオ以下はすべてトランプが所属する共和党の地盤であるが、
オハイオ〜ケンタッキーの人口の合計は3419万人と
カリフォルニアよりも500万人以上少ないにもかかわらず、
選挙人の合計数は57人とカリフォルニアのそれを上回っている。

カリフォルニアの住民からしたら
自分たちの民意が疎かにされているという感覚は否めない。

しかも、その州で最多数(実は、候補者は2人だけではない)を集めた候補者が
割り当てられた選挙人の数を総取りする仕組みのため、
獲得票数がどんなに拮抗していても
負けてしまっては選挙人獲得数はゼロとなる。
半分近い数の票が意味をなさないことになってしまうことも多々あるのだ。

これが『投票数の総計では勝ったのに、選挙人数では負けてしまう』
という、前回のクリントン vs. トランプ戦のような結果が出てしまう理由だ。

そんな事情もあって、投票日から4日間、
選挙結果を報じるニュース番組が表示する
中心部が共和党カラーの赤で塗りつぶされている
アメリカの地図を見るたびにヤキモキしたが、
どうやら今回はバイデンが選挙人数でも獲得票数でも
文句なしに勝利を収めたようだ。

なのに、、、、だ。

トランプはいまだに負けを認めるどころか
先に書いたように、不正をでっち上げて
あちこちの州を訴え始めた。

そして先ほど、そのうちの一つで
バイデンがリードするジョージア州が、
手動で票の数え直しを行う決定をしたという
ニュースが飛び込んできた。

所属政党とはいえ、
こんな独裁者をサポートし続ける共和党も共和党だ。
「そろそろ引き際でしょ」の一言をかける人が
誰もいないというのはどういうことなのだろうか?

この理由は、共和党の主な信条を改めて見てみるとよく分かる。

・税金のカット
・政府の関与の少ないフリーマーケット・資本主義
・移民の制限
・軍事力の強大化
・銃を持つ権利の保守
・中絶の禁止
・規制緩和と労働組合の規制

これを言い換えると、こうもとれる。

『規制も税金も減らし、お金持ちはよりお金持ちに。
 白人男性のキリスト教信者が世の中を牛耳るのが当たり前。
 これに異論を唱える奴は力づくでも黙らせろ』。

ちょっと乱暴だが、国内で起こっている事件や
共和党議員のコメントを見たり聞いたりしていると、
本気でそう思っている輩がいかに多いか分かってくる。

トランプはこの4年間で
もともとこんな思想を持っている人々の本性をあぶり出し、
それ以外の勢力や異なる思想を持つ人々との対立を深めてしまった。

そして、共和党は、トランプをうまく利用して
自分たちの主義主張をメインストリームに留めようとしたのだ。

バイデン指示の7700万人に対し、
トランプを支持した7200万人がそのような(またはそれに近い)思想を
持っているとしたら、これは恐ろしいことだ。

この4年間の破茶滅茶ぶりををもってしても
トランプにこれだけ票が集まっているというのは、
既得権者がその権利を何がなんでも守ろうとするあがきの現れなのだ。

そして、それがアメリカという国の現実なのだ。

きっと、女性かつアジア・南米系の副大統領候補
カマラ・ハリスが気に入らない、という有権者も多かっただろう。

バイデン大統領&ハリス副大統領新政権は
勝利を喜んでばかりはいられない。
これからの4年間は、いばらの道となることは間違いない。