月別アーカイブ: 4月 2017

クラスメートから『今週のスター』へのお手紙

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『今週のスター(Star of the Week)』

娘が幼稚園の頃から毎年行われている
恒例のイベントだ。

週替わりでクラスの誰かが主役となり、
自己紹介や思い出の品などについてのプレゼンテーションを通じて
その子のことをよく知ろう、というものだ。

スターになる1ー2週間前には
自分の絵や写真、コメントなどを散りばめた
ポスターを作る大きな画用紙が配られ、
そのポスターを元にプレゼンや質疑応答を行うというのが基本だが、
学年が進むたびにそのプレゼンの内容は
少しずつグレードアップしている。

先週、娘の順番が回ってきたのだが、
今年はポスターだけでなく
自分が生まれた年から現在までの一年ごとに
その年のハイライトを書いてくるよう言われた。

そして、去年(1年生)ぐらいからは
その週のしめくくりとして
クラスメート全員が書いたスターへのレターを
最終日にもらって帰ってくるようになった。

手紙といっても、ほとんどは
「I like xx, too.」と、
スターの好きな食べ物や遊びに同意したり
自分の好きなものを一方的に書いたものが多い中、
今回、一通だけはっと目を引くものがあった。

You are a really good friend.
When I had the bloody nose you were the one that cared the most.
You are really fun and you are so nice.
You are a really good person.
I really like sitting next to you.
You are a really sweet person.
When I think of you I just laugh.
You are lucky to be you.
You have a lot of friends to play with while I only have two.

(君は僕の良いお友達です。
この間、鼻血を出した時に一番心配してくれたのが君だったね。
君はとても楽しいし優しい人だよね。
そしてとてもいい人です。
僕は君の隣に座れて嬉しいよ。
君はとてもかわいい性格だね。
君のことを考えると笑ってしまうよ。
君は君でいられてラッキーだね。
君は一緒に遊べる友達がたくさんいるよね。
僕は二人だけだけど。)

なんと心のこもった手紙なんだろう。
簡単な言葉ばかりだが
率直でところどころ繊細さものぞく。

遊べる友達が二人しかいない、という箇所は
解釈に困らなくもないが(笑)、
鼻血の事件のことなどはとてもリアルで
娘に気を遣ってうわべだけの言葉を並べたのではないことが
よくわかる。

娘は、「ああ、A君ね。仲良しだよ」と
あまり特別な反応はなかったが、
悪い気はしないようで、少し照れている。

娘がこうやって『優しい人』と言われることは
親としても自分のことのように嬉しかった。

『今週のスター』は
プレゼンテーションのトレーニングとしての
イベントだと思っていたが、
自分を客観的に見たり、友情を深めたり
自分に自信をつけるきっかけにもなるのかもしれない。

A君、ありがとう。

ピナクルズで約10kmの山登りハイキング

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ピナクルズ国立公園での2日目は、
コウモリの住む洞窟も見られる
約10kmほどの岩山ハイキングに出かけた。

勾配400ー500m、
気温も25度ぐらいはありそうな暑さの中、
子どもたちがどこまでついてこれるか心配もあったが
そんな時はやっぱりお友達の存在がありがたい。

娘は、同じく2年生の友人の娘さんと
出発地点からさっそくおしゃべりをしながら
親を振り返りもせずどんどん前に進んで行った。

、、、と、すぐに見どころの洞窟が見えてきた。

洞窟といっても
岩や土壌が水圧で削られて穴が開いたものではなく、
巨大な岩山が崩れ落ちる際に
途中で引っかかったり
他の岩の間に挟まって身動きが取れなくなったことにより
そこにそのままぶら下がったままになったり
蓋のようにかぶさってしまったもので、
時間の経過や大雨などによっては
また崩れてくることが容易に想像できるから
少しスリルがある。

そのためか、洞窟内も照明などの設置がない。
ヘッドライトや懐中電灯を持参しなければ
一寸先も見えないほど真っ暗だが
暗闇に目が慣れてくると
無数のコウモリたちがぶら下がっているのが見える。

洞窟内の細い歩道を20-30分ほどかけて登り
開けたところに出たら、
ここからがいよいよ本当のハイキングだ。

砂漠植物が生えているので
それなりに緑があり、
乾いた土と突き出した赤っぽい岩とのコントラストがきれいだ。

などと風景を楽しむ余裕があったのも最初だけ。

真夏並みの暑さと直射日光の中、
延々と続くなだらかな登りコースは大人でも大変だ。

「まだなのー?」
「お腹すいたー」
と、娘たちが不機嫌になり、
いつの間にか大人たちも会話がなくなり
ただ黙々と歩き続けていたその時、
「もうちょっとでコンドルが見えるよ」
と、降りてきた夫婦が教えてくれた。

ピナクルズはコンドルが見れることでも有名らしい。

そこから3分ほど行くと
大勢の人が立ち止まって双眼鏡を手に歓声を上げている。

娘も、数年前にサンタクロースにもらった双眼鏡を
自慢げに取り出した。

家族なのか、3羽のコンドルが代わる代わる
優雅な姿で大きな円を描いて飛んでいる
(まあ、それがコンドルか鷹なのか私には区別がつかないのだが)。

これで少し元気を取り戻し、
頂上にはそれから10分ほどで着いた。

これまで歩いて来たルートと
これから行くさらに切り立った岩肌がよく見える。

景色を楽しむのもそこそこに、まずは腹ごしらえだ。
持って来たサンドイッチを食べながら
この後のことについて作戦会議。

「まだ3分の1しか来てないのに
もう2時間半かかってる。けっこうスローペースだね」。

「あと5時間は子どもにはきついんじゃない?」

「でも、後半は下りの方が多いはずだし、
そんなにかからないでしょ」。

「いや、ガイドはこれからのちょっとした登りが
一番大変だって言ってたよ」

「でもさー、そういう大変だった記憶が
一番のいい思い出になると思うよー」。

「だね、じゃ、一か八かこの先、行ってみるか!」

というわけで、ランチもそこそこに先へ進むことに。

それから30分ほどは
岩に打ち付けられた手すりを伝ったり
階段状に削られた岩を登ったり降りたりしながらの難所。

ゆっくり落ち着いて歩けば
落ちたりケガをすることはまずなさそうだが
高所恐怖症の人にはつらいコースだった。

友達のご主人はその高所恐怖症。
急にペースが落ち、
「先に行ってて」という始末。

それとは逆に、
「障害物競走みたいでおもしろーい!」
と、急に元気が出て来た娘たち。

「頭を屈めて!」
「手すりをちゃんと握って!」
「走っちゃダメ!ゆっくり歩くの!」
と、少しハラハラしたが、
私も平坦なコースよりスリル満点のこちらの方が
ずっと楽しめた。

ここを通らずに引き返さなくてよかった。。

そのあとはほぼずっと下りということもあり、
娘たちがまた機嫌よくグループを先導してくれ、
無事に全行程を歩ききることができた。

そのあとは、キャンプ場に戻り
アイスクリームで火照る体を冷やしてから
2つしかないシャワーに駆け込んだ。

気分爽快とはこのこと。
心地よい疲労と達成感に浸りながら
ステーキとワインでその日をしめくくった。

ハイキング&キャンプ通の友人も
この場所は気に入ったようで、
来年も来ようと言っている。

またあの10kmを歩くのには
しばらくのリカバリー期間が必要だけど、
変化のある景色や地形が楽しめる
このハイキングコースは
これまで歩いた数々のコースに比べても
確かに記憶に残るユニークなものだった。

都会派を自称する私だが、
アウトドア派に片足以上は十分突っ込んでしまったような
気になる春休みだった。

春休みはピナクルズ国立公園で二度目のキャンプ

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4月の第一週は娘の春休み。
去年の秋に初めてのキャンプに誘ってくれた家族と一緒に
ピナクルズ国立公園へ出かけることになった。

ピナクルズは、2013年にオバマ大統領によって
国立公園に昇格した歴史の新しい観光地で
近いうちに行きたいと思っていた。

私たちの住んでいるSFベイエリアから南へ
混んでいなければ2時間ぐらいで行けるのだが、
少し内陸にあり砂漠に近い気候ということもあり
出かけるなら今しかない。
夏は暑すぎ、冬は寒すぎるという場所だ。

前回は、私と娘の寝袋を除いたキャンプ道具は
すべて借りものだったが、
今回はサンタからもらった娘の大きなテント
(中に仕切りがあり、娘が独占できる小さなスペースがあるので
娘のものということになっている)があり、
娘はそれを早く使いたがっていた。

それにダンナの寝袋と、その下に敷く全員分のマット
(寝袋だけでは地面が固くて冷たくて寝られない)を
買い足し、最低限のものは確保した。

前回の失敗から、現地では携帯電話が通じないであろうことも考慮して
今回は出発時から頻繁に連絡を取り合い、
友人家族とほぼ同時にピナクルズ国立公園に到着。

キャンプ場は公園内にある。
予約が遅かったので、隣同士にテントサイトを予約できなかったのだが、
キャンセルが出たのかチェックインの際に隣同士に変更してもらえた。
スタートはまずまずだ。

湿気はないが、日差しが強くかなり暑い。
まずは子どもたちのガス抜きにプールへ、
、、、とはいえ国立公園。
温水プールなどという贅沢なものはなく
真水の質素なプールだ。

「日本の小学校のプールとどっちが冷たい?」
などと冗談を言いながら30分ほど遊んでいたが
やっぱりちょっと寒かったらしい。

さっそくプールから出て、テント設営にかかった。

友人家族は3人用の小さなテントだし、なにしろ手慣れているので
すぐに設営が終わったが、うちのは6人用だから
開けてみたらかなりデカかった。

「中に入ってもいい?」と
興奮してしきりに聞く娘や
夕方とはいえ、まだまだ強い日差しに
少しイライラしながら汗だくでテントを設営するダンナ。

でも、張り終えてみるとなかなか立派なテントだ。
娘もさっそく寝袋とマット、ぬいぐるみなどを持ち込み
お友達に自分の小部屋を自慢している。

テント設営が終わったらディナーの準備だ。
ここからはまたすっかり友人にお世話になってしまった。

近所のおいしいお肉屋さんで調達したというラム肉が
初日のごちそうだ。

私がお肉を切っている間に
友人は炭火焼用の小さなグリル網をセット、
炭火を起こし、サラダまで作ってしまった。

やっぱりキャンプはプロ(?)と出かけるのがいい。

そうこうしているうちに日が落ち、急に寒くなった。

暗くなるとS’more (スモア)の時間だ。
マシュマロに火がついて真っ黒になったり
溶けてキャンプファイヤーの中に落っこちてしまったりするのも
また楽しい。

すっかり満足した娘たちは
そのあとすぐにテントに入って寝てしまった。

明日はメインイベントのハイキング。
洞窟や切り立った岩山で有名なピナクルズ国立公園を
終日かけて歩く。

どんな絶景が見られるか、楽しみだ。

続く