数週間前、娘が持って帰ってきたプリントに
『一年生の研究課題、Habitat(=生態系)』と書いてあった。
熱帯雨林、砂漠、ツンドラ、海、などの異なる生態系の中から
自分が割り当てられた生態系について
どのような生き物や植物が生息しているかを
ビジュアルな成果物にまとめてくるようにとのことだった。
ビジュアルな成果物?
そこにはちゃんと例も書かれていて
ジオラマ、ポスター、粘土を使った工作など
要は文章でのプレゼンではなく
視覚にうったえる展示物に仕上げてくるようにということらしい。
提出期限は3週間後。
夏休みの自由研究を学期中にやるようなものだ。
アメリカの学校では算数や英語の問題を解くような宿題だけでなく
理科(Science)や社会(Social Study)のプロジェクト的な宿題、
しかも、親のサポートが必要な規模のものが多いと聞いてはいたが、
これがまさしくそれだ。
娘は海の生態系を割り当てられていた。
「サメとかサンゴを自分で作りたい」というので
ジオラマ(生物やその周辺環境を小さな縮尺で立体的に表現したもの、博物館でよく見る)
にすることにした。
もちろん、リサーチも必須。
1週間後には作成物の内容の決定、
2週間後にはその生態系に生息する生き物や植物のリストも
提出しなくてはならない。
春休みに行ったMonterey Bay Aquarium のウェブサイトが
役に立った。
海の中にある異なったHabitat(Deep sea, Open water, Coral reef, Rocky shoreなど)と
そこに生息する代表的な生き物について詳しく書かれている。
このリストを提出するまでは良かったが、
そこからのジオラマ作成が大変だった。
オンラインショッピングで送られてきた
大きめの靴の箱のサイズの段ボールがあったので
それを土台にすることにした。
その上に、異なる色のフェルトでDeep sea, Open water, Coral reef, Rocky shoreの地層を表現し、
そこに住む生き物や植物は
考えつく限りの家にある材料を使って作ることに。
モール(英語ではパイプクリーナー)は
サンゴ礁やカニやイカの足を作るのに重宝したし、
クラゲやイカはてるてる坊主の要領でティッシュペーパーを使って作った。
あちこちから娘が拾い集めていた丸い石のコレクションも
岩場やサンゴ礁をリアルに見せるのに役立った。
ここまでは娘が頑張っていたが
そこで時間&エネルギー切れ。
地層や生息物を底面に固定したり上からヒモでぶら下げたり、
宛先ラベルに書き込んだそれぞれのHabitat や生き物の名前を貼り付けたりするのは
娘が寝た後の私の仕事となった。
ダンナが手伝っていたのでそれまで私はほとんど関わっていなかったが、
やってみるとつい(昔を思い出して?)夢中になってしまうもの。
深夜までかかってようやくジオラマが完成した。
手作り感満載だが、カラフルだし
イカやクラゲが揺れるのも雰囲気があっていい。
「(私も?)なかなかやるじゃん」と、
完成した海の生態系ジオラマをしばらく眺めてから
私もベッドに入った。
提出日にクラスへ持って行くと、
模型のような既成の材料や人形を使った作品がたくさん。
どうも、ダンナがフェルト布を買いに行った時に店で見たという
ジオラマセットを使ったものらしい。
動物たちも、Habitat ごとにセットで売られていたというから
きっとHabitat プロジェクトは
アメリカ中の一年生がやる課題なのに違いない。
見た目はきれいだけど
そんなセットを使うなんて何となくつまらない。
工作が目的じゃないから、それでもいいんだろうけど。。。
その日、娘が
「(娘がクラスで一番賢いと認める)xx 君がね、
私のジオラマが一番クールだって言ってたよ」
と言って帰ってきた。
やった。
深夜までかかって手作りした甲斐があった。