娘がインフルエンザに(アメリカの医療システムはこうなっている-1)!

標準

ダンナが風邪で数日前から寝込んでいたその日曜日の夜、
娘も熱を出した。

月曜日の朝、熱を測るとなんと104度(華氏)。
摂氏では40度だ。
風邪だろうと放っておくにはちょっと危険な高熱。
ダンナの様子を見ても、インフルエンザ感染の可能性が高そう。

すぐに小児科に電話をした。

そう、アメリカの病院は基本、全予約制。
体調が悪いといって、ふらっと病院に立ち寄っても見てもらえない。
電話をしても、当日の空きがなければ診察は翌日以降となる。

しかも、かかりつけの医者をあらかじめ決めておく必要があり
それ以外の医者に一見さんで見てもらうことはもっと不可能だ。
『現在、新規患者は受け付けておりません』
なんて医者もざらにいる。

じゃあ、かかりつけの医者に診てもらえない時は
どうしたらいいの?

急患専門のUrgent care クリニック(命に関わるほどではない急患向け)か
Emergency Room(命に関わるような救急患者専用。TVでも有名なERですね)に
行くしかない。

これらは通常、ひどい混雑ぶりで何時間も待たされるのが普通。
それなのに救急料金が加算されて膨大な治療費となるため
($100〜数百ドルは覚悟)、ちょっと我慢すればすむことなら
やっぱりかかりつけの医師に相談するのが一番なのだ。

というわけで、「どうか今日、診てもらえますように」と祈りながら
かかりつけの小児科に電話をしたのである。

「2時半なら空いてますよ」と、当日に診てもらえることになった。
ラッキーだ。

「インフルエンザの感染テストをしますか?
保険適応になるか分かりませんが」と、顔なじみの女医先生。

「もちろんです」
「結果が出るのに20分ぐらいかかりますので、
結果が出たらお電話します」。

というわけで、診察はあっという間だった。

日本のように診療報酬がほぼ公定価格で、保険適応率も一律と決まっているわけではないから
治療費は医師や加入している健康保険のプランによってバラバラ。
医師や医療保険会社のいいなりに料金を払うしかないのだ。

子どもの医療費は市町村が負担なんていう気の利いた制度の話を
アメリカ人が聞いたら目が点になるだろう
(これは人口政策にも関わるので、医療システムの話とは異なるかもしれないが)。

うちの加入している保険では、
かかりつけの医師による一般的な診察なら一回$45となっている。
ただし、医師がさっき言ったように
診察以外の検査やテストをした場合は追加料金になることも多く、
あとで追加請求が来ることもよくある。

自宅に戻ってほどなく、先生から電話があった。

「インフルエンザA型が陽性と出ました。
特効薬はタミフルですが、どうしますか?
発症して24時間以内なら、症状を緩和できるとは思いますよ」。

タミフルね、日本では使用が問題視されているらしいけど
アメリカではそんな話は聞かない。
先生が勧めるのだし、高熱でさすがにおとなしくしている娘を
放っておくのも忍びないので処方してもらうことにした。

「では、いつもの薬局に処方箋を送っておきます」。

一部の規制の厳しい薬品以外は
このように医師が直接薬局へ処方箋をオンラインで送るのが普通。
この点はデジタル化の進んでいるアメリカのいいところだ。

シーズン前にインフルエンザの予防接種を受けさせるのをすっかり忘れ
罪の意識を感じていた私は、
これで「事なきを得た」とホッとできるはずだったが。。。

続きは次回へ

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