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選択音楽の授業で初めてのチェロに挑戦!

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娘の学校にはフルタイムの音楽の教師が2人いる。

一人は、元サンフランシスコ・シンフォニーの
バイオリン奏者だったという若い女の先生で、
もう一人は、白いワイシャツに黒いネクタイとベストという
出立ちがユニークな
いずれも熱心なミュージシャンだ。

そんな先生のおかげで
音楽の授業も、私たちが想像するようなものではなく
弦楽器オーケストラ、マーチングバンド(吹奏楽)、合唱の
3つの中から希望するものを選び、
1年間それに特化した授業を受けられることになっている。

*そもそもは体育か音楽かの選択授業で、
 音楽を選択した場合は隔週で音楽と体育をローテーションで受ける。
 体育を選択すると毎週、毎日、体育の授業がある。
 
娘は、小学校の音楽で少しだけバイオリンをかじったが
中学では弦楽器オーケストラで
チェロにトライしたいという。

ちなみに、アメリカでは中学校レベルになると
オーケストラやバンドなどが授業として行われるのは珍しくなく、
マーチングバンドは全米の80%以上、オーケストラでも40%ほどの学校で
取り入れられている。

楽器は学校で無料レンタルもしてくれるのだが
数が不足というのと
娘が真面目に練習したいというので
うちは楽器屋さんのレンタルプログラムを利用することに。

レンタル料は月々38.5ドル、
購入に切り替えたい場合はそれまでの支払分を充当してくれるというので
まあ、どっちに転んでもダメージは少ない。

以前にも、ピアノのレンタルをしていると
日本からの駐在家庭のお母さんから聞いたことがあったが、
やりたいことには気軽にトライし、
嫌になったら無理して続けることはない、という
アメリカらしい哲学にあった仕組みになっているようだ。

オンライン授業でどこまでできるようになるのか
私は半信半疑だったが、
6年生担当の優しくてキレイな先生のおかげか、
隔週で週5回の授業で
娘は簡単な曲がそれなりに弾けるようになってきた。

きらきら星とか、あの有名な『第九』や名曲『天国と地獄』のサビの部分などだ。

そして先日、2月の初旬に、その成果を発表すると
オンラインでのコンサートが行われた。

ご存知の通り、異なった場所にいる奏者が
オンラインでライブ合奏をするというのは技術的に難しく、
コンサートといっても事前に録画されたものではあったが、
ビギナーの子どもたちが約半年で、しかもオンラインのグループレッスンで
これだけできるようになれば万々歳だろう。

演奏曲目は『ちょうちょ』。

6年生から8年生までの
各音楽プログラムの演奏をまとめて聴いたが
8年生にもなるとようやく音楽らしくなってくる。

7年生からはチェンバー(管弦楽)、8年生になるとジャズなど
オーディションによる選抜グループもあり、
娘は5月のオーディションを受けるつもりでいるらしい。

ピアノを教えようとして挫折した私にとっては
娘がこうやって音楽に興味を示してくれるだけでうれしい。

細く長く続けてくれますように。

意外とスムースだったミドルスクールへのトランジション

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そうこうしているうちにもう12月。
娘がミドルスクール(中学校)に進学してから4ヶ月が経っている。

もともとアメリカの学校では
入学式や始業式などといったものはなく、
新学期もなんともあっけなく始まるのが普通だが、
今年はオンラインでのDistance Learning ということもあり
こちらが拍子抜けするぐらい本当に静かに新学期がスタートした。

準備したことといえば
教科ごとのノートやフォルダー、カラーボールペンを買ったぐらいで、
普通だったら新調しているだろうバックパックや
運動靴などは学校が再開するまでおあずけ。

ロッカーで体操服に着替えて体育をする、というのが
小学校とは違うと聞いていたが、
学校のロゴ入り体操服の注文もした覚えがない。

ミドルスクールでは、パンデミック以前からオンラインシステムが導入されていて、
宿題の提出や先生との連絡などは全てデジタル。

だから、準備らしい準備といえば
娘のPC(ダンナのお古)にそのシステムをダウンロードしたり
学籍簿へのデジタル登録をしたり
PCにペアレンタルコントロールを設定するなどの
ITシステムの整備が主だった。

ちなみに、この学校のシステムには保護者もログインできるようになっていて、
宿題の内容や提出期限、テストの結果や成績などが日々チェックできる。
教師への連絡もここからメールを送付する。

一番興味をそそったのは、成績システムだ。

各教科とも、学期の最初は100%(100点)と表示されている。
その後、宿題やテストなどの結果が日々反映され、数字が上下するのだ。

宿題の提出忘れや遅れなどはペナルティが大きく
すぐに75%などに下がってしまうが
その後、挽回すれば少しずつまた100%に向けて数字が上昇する。

先生によっては、宿題やテストの結果が期待以上だった場合、
101%など、満点を超えるスコアを発行してくれる先生もいるのが面白い。

私も時々ログインしてこの点数をながめては、
「まあ、放っておいても大丈夫かな」
「あれ、点数が下がってるけどどうしたのかな?」
などと、娘に声をかけるタイミングを見計らうようにしている。

そんなきっかけでもないと、
「今日、学校どうだった?」と聞いても
「普通」と返ってくるのがせいぜいだからだ。

学期末にはこれに授業態度などが加味されて
最終成績(A~F)がつく。

A+ = 97%
A = 93%
A- = 90%
B+ = 87%
B = 83%
B- = 80%
C+ = 77%
C = 73%



と、点数によってグレードも決まっているという
ある意味とても透明なシステムだ。
学期末になって「こんなはずでは。。。」ということもない。

こうしてみると、ミドルスクール(やハイスクール)は
デジタル化が進んでいたという点で
図らずしもDistance Learning 対応が整っていたともいえるだろう。

一日中、コンピューターを通して授業を受け、
時間割や課題の管理を自分でするということができる年齢に
ちょうどなっていたのもタイミングがよかった。

、、、というわけで、娘はオンライン中学校生活をそつなくこなしている(と思う)。

他の小学校から来た子どもたちや教科ごとに異なる先生たちと
親しくなる機会などはあるのだろうかと心配していたが、
社会科の先生はとても太っ腹で
宿題は出しても出さなくてもOKだから人気があるとか、
数学のクラスでできた新しい友達と一緒にサイクリングに行くとか言っているのをみると、
それなりに新しいコミュニティにも馴染んでいるようだ。

Distance Learning のマイナス面を挙げればキリがないが、
まずはスムースにミドルスクールへトランジションできたことを喜ぶとしよう。

やるべきなのか、やらなくてもいいのか、それが問題の算数の宿題

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小学校の夏休みは
宿題もゼロ、学校からの連絡もほぼゼロ、
新学期の直前まで
学校のことなんて何も考える必要がなかった。

でも今年は違った。

夏休みに入って1週間後に、
娘の進学する中学校の数学の教師から
いきなりウェルカムメールがきた。

娘は、中学校で数学のアドバンス・クラスに入ることになったのだが
どうもそのクラスの生徒だけがこのメールを受け取ったようだ。

「6年生の数学クラスへようこそ!
8月に会えることを楽しみにしています。
5年生で習ったことを忘れないように
オンラインで復習をしておいてくださいね」
と、リンクが貼られていた。

小学校の間ずっと学校で使っていた
馴染みのラーニングサイトということもあり、
娘は何日かはログインしていたようだが
その後、だんだんと頻度が減っていった。

それから1ヶ月経った7月の後半に、
またメールが来た。

「新学期までもう3週間となりましたね。
これまでに19人がサイトにログインしているようです。
うち、15人は昨日も勉強していましたね。
その調子で頑張ってください」。

そのメールを見て、娘は焦りまくった。

オプションの宿題だと思っていたから
(実際そうなのだが)
やってもやらなくても何てことはないだろう、
とたかをくくっていたのだ。

オプションでも
きちんとやっている人がいる、
見る人は見ている、
という事実を突きつけられ、
やらなかったことを後悔したようだ。

私も、いい意味でびっくりした。

隙があれば楽をしようとする子に
必要最低限以上のことをさせるのは至難の業。
あまり口うるさくするのも
『タイガー・マザー(Tiger Mom)』
(口うるさい教育ママで、アジア系の母親に多いと言われている)
といって嫌われるだけなので
勉強については本人の意志に任せてきた。

そんな私からすれば、
ガミガミ言うことなく
これだけのインパクトを与えられるなんて本当にスゴい。

それから娘は1日20分
(それでも20分だけなのだが)
と決めて、平日は
(それでも平日だけなのだが)
きちんとやっていたようだ。

新学期の直前、またメールが来た。

「50時間以上学習した人にはクリスピー・クリーム・ドーナツと
学校のロゴ入りボトル、
30-50時間の人には学校のロゴ入りボトルが贈られます。
教科書配布の日に取りに来てください」。

娘は、学校のロゴ入りボトルをもらえると
一応、喜んでみせたが
内心、クリスピー・クリーム・ドーナツがもらえなかったことに
ちょっとがっかりしていたようだった。

中学校の洗礼とまでは言わないが、
これまでぬるま湯の中で楽しく過ごしてきただけの
小学校のようにはいかないということを
娘に覚悟させるにはじゅうぶんの出来事だったようだ。